5話 日常が始まる!
入学式を終えて私たちの愛の巣、【百合園荘】へ。あ、守屋さんが掃き掃除してる。
「あ、おかえり〜。入学式どーだった?」
箒に体重を預けた体勢で話しかけてきた守屋さん。声は相変わらず脱力感を味わう。
「なんだか入学式感がなかったです!」
「私はとにかく緊張してました」
「そうかいそうかい。まぁお疲れさん」
……何が聞きたかったんだろ。本当に不思議な人だなぁ。
守屋さんに一礼して部屋へ。スーツから私服に着替えて……ここで灯ちゃんクッキングの時間だよ!
今日は入学式で早く帰ってきたからね。まだお昼の13時! 何作ろっかな〜。
「灯、手伝いますよ」
「いいよいいよ、輝夜ちゃんはスピーチ頑張ったんだから休んでて!」
「そう……ですか? じゃあ甘えますね」
うんうん、ずっと私に甘えてくれていいからね〜♪
まぁお昼だしそんなに重くなくていいか。冷蔵庫の中もそんなに充実しているわけじゃないし……。卵、鶏肉、玉ねぎ……親子丼だね。
親子丼は結構得意な料理の1つになる。中学校の時調理実習で作ったなぁ。あの時は私たちの班が1番評価が高いのができたんだっけ。
懐かしい記憶を思い出しながらパパッと作っちゃう。よし、完成!
「輝夜ちゃんできたよ〜」
「ありがとうございます。美味しそうですね!」
「うん! 味は保証するよ♪」
食べ終わったら今日と明日の分の買い物に行かないとね。割と近くに小さいスーパーがあって助かった〜。引っ越しの時そういうの気にしてなかったからたまたまあって良かったよ。
「美味しいです! 流石ですね、灯」
「えへへ……褒められると照れちゃうね」
褒められ慣れない人生だったからね。でもここ一年は成績とかでも褒められることも増えてきたか。人間変わるものだね。間違いなく輝夜ちゃんのおかげだけど。
「食べ終わったら買い物に行かない? 時間割の仮組みはその後でいいよね?」
「はい。いいですよ」
夜ご飯は何にしようかな〜。パスタかな?
「「ごちそうさまでした」」
ふぅ。我ながらいい出来でした! さてと、買い物の準備準備! お財布を持って……
「さ、行こっか輝夜ちゃん!」
「はい!」
歩いて5分くらいのところにある小さなスーパーへ。輝夜ちゃんとお買い物〜♪
「ねぇねぇ、夜は何食べたい?」
「そうですね……麺類がいいです」
おっ! やっぱり息ピッタリだね。
「じゃあパスタはどう?」
「いいですね! カルボナーラ食べたいです」
「はーい♡」
じゃあパスタと卵と牛乳……それからベーコンか。明日のことも考えておこ。明日は昼は学食でいいとして、夜は……カレーでも作ろうかな。
こうして買い物をしていると何だかできる人みたい! まるで有能さんだよね? そう思ってるの私だけだったりして。
出来るだけ安いものを買って、マイバックの中に詰める。詰め終わったら自然に輝夜ちゃんがヒョイっと持ってくれた。今のカッコいい……!
「大丈夫? 重くない?」
「[名槍:月姫]くらい重いですね」
「ぷっ。何それ」
魔法少女ジョークが出てくるなんて思わなかったなぁ。変身できないとなると寂しいんだよね。4月1日に試しで「マジカルインストール!」って叫んでみたし。当然何にも起こらなかったけど。
そんな会話をしつつ歩いて家へ。何でもない日常だなぁ。隣に輝夜ちゃんがいるから幸せだけど。
「さて、合わせられる授業は合わせましょうか。もうすでに入ってるところはどこですか?」
大学の授業の仕組みを知らなかったんだけど、もう必修科目ってやつは時間割に入れられていた。あとは選択できる科目を自分で選んでいくんだけど……
「月2、火3、水無し、木2,3、金1かな」
「必修科目は結構ありますね」
「これで8単位らしいよ。5科目なのに8単位ってどうしてだろ……」
「3つが1科目2単位で2つが1科目1単位ということですね」
う〜〜ん、難しい! よくわかんない!
「とりあえず合わせられる科目は合わせよう! 輝夜ちゃんはどれ取りたい?」
「地理学、現代社会学が気になります。私の必修や灯の必修とも被ってないですよね?」
「よし、それなら入れちゃおー!」
輝夜ちゃんと受けられるならそれで良し!
「わかりました。灯は何か受けたいものは?」
「特にないかなぁ〜。でも1年生のうちに単位は取っておいた方がいいって言われたものがあるから、それを取っておこうかな。輝夜ちゃんとは会えないけど……」
結局輝夜ちゃんと一緒に受けられる科目は4つだけになっちゃった。まぁほぼ毎日会えるし、お昼は一緒に食べるだろうからいっか!
「んー! 楽しみだねぇ〜大学の授業も。どんななんだろ〜」
「専門的になるんでしょうね。楽しみです」
新しいものはワクワクする。そこに輝夜ちゃんがいればもっとね。さぁ……私たちの大学生活が始まるよ!




