55話 久しぶりの学校
「うんうん、身だしなみよし、顔まぁまぁ可愛い、隣の輝夜ちゃんパーフェクト。よし、学校へ行こう!」
「……おはよう」
「うわっ!? なんだブラッディか、脅かさないでよ」
突然ゲートからニュルっと顔を出してくるから怖いねこの子は。
「桜と近衛、まだ?」
「はい。もう少し時間がかかるみたいです。なんでも近衛さん和服しか持ってきていないようだったので今日は桜さんの服を着ていくことになったんですよ」
すごいよね。和服しか私服を持っていないんだって。大学で和服って……それこそ芸術系の大学or部活か文化祭でくらいしかお目にかかれないんじゃないかな。
「お、お待たせしたでござる!」
「今週末は絶対ショッピングだからね!」
うわぁ……桜カンカンに怒ってるよ。今はあんまり話しかけないでおこう。
っていうか桜ちょっと高校の頃と私服のイメージ変わった? 昔はピンク色で派手なのが多かったのに、今は薄桃色のカーディガンになってて少し大人びている。
「……なに?」
「あっいや……桜も成長したなぁと思ってね」
きっと大学生になるにあたって服とかの研究も怠らなかったんだろうなぁ。私は高校生の頃の服も何着か着ちゃっているよ……ま、まぁものを大事にする精神があるってことで!
「……みんな、2限に遅れる」
「あっ、本当ですね。少し駆け足で行きましょう」
「えぇ〜?」
大学生になってからというもの、運動する理由がなくていつのまにか運動不足になっていた私。朝からのダッシュで疲れないはずもなく……
「お姉ちゃん、ダサ」
「ぐふっ」
走りの疲れに桜の毒舌がトドメになった。灯は死亡した。
「おぉ灯よ、死んでしまうとは情けない」
「ブラッディ……心の声まで拾うのやめてくれる?」
この子の場合私の心の声を察したのか読んだのかわからないから怖いね。
大学に入るとそれぞれの学部棟に分かれることになる。今日は輝夜ちゃんと同じ授業は無いんだよね〜。
というわけで歯学部棟に来ると……
「あ、灯とブラッディ! 久しぶりやなぁ!」
ハイテンションなユウがいました。うん、すっごい久しぶりな気がする。
「久しぶりだね〜。あれ? ユウちょっと太った?」
「言わんといてー! 実家で美味しいもの食べ過ぎてついな……」
あぁ〜、食べ物美味しそうだもんね、大阪。
「灯の方はなんか嬉しそうやん。なんかあったん?」
「え? まぁ妹がこの大学に入学したとかかな?」
「えっー! それビックニュースやん! 後で紹介して〜」
「いいけど……別に普通の子だよ?」
姉に毒舌なだけで。というわけで今日の午後の予定が埋まるのでした。




