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52話 輝夜の素

 夜も深まってきて、22時を回ったところ。

 相変わらず私たちは上空にいて、輝夜ちゃん達が何をしているのかをずっと見張っている。


「あぁ……やっぱり瞳さんボディタッチ多い!」


「そういう人なのかも。……あまり得意なタイプではない」


「でもそれが幼女だったら?」


「むしろウェルカム」


 ダブルスタンダード……。

 とまぁこんな雑談じみたことをしないとやっていられないくらい暇なんだ〜。


「灯、今日の私たちの宿は?」


「そんなものない! ずっと輝夜ちゃんを見守るもん!」


「そんな無茶な……」


 ブラッディは私の体調を気遣ってくれているんだと思う。ブラッディは寝なくても平気というか、基本寝ないもんね。

 この子も人の気遣いができるようになったんだね……お母さん(?)嬉しい!


 おっといけない。監視監視……


『ねぇ輝夜、ちょっとのぼせちゃったかも〜』


『それはいけませんね。横になって冷やしましょう』


『むしろ暖めてくれてもいいのよ?』


『……? どういうことですか?』


 す、すごい……輝夜ちゃんがフラグを折りまくっている!

 そういえば輝夜ちゃん、というかネイベルナイトの時代は「顔だけはいいけど愛想は最悪の女」とか言われてたんだっけ。元々人と付き合うのは得意じゃないんだよね、きっと。


 そんな塩対応の輝夜ちゃんにもめげずに瞳さんは浴衣を緩めて誘惑し始めた。


『ねぇ輝夜、もっと熱い夜にしない?』


『のぼせたのなら冷やしたほうがいいと思いますよ』


 ……なんか瞳さんが可哀想になってきたかも。これで相手が輝夜ちゃんじゃなければ応援したくなる恋なんだけどな〜。


「……灯、輝夜ってあんな感じなの?」


「魔法少女時代のことを思い出してみてよ。あんまり愛想良くなかったでしょ? たぶん、アレも輝夜ちゃんの素の一つなんだよ」


 私やブラッディと関わる時とは明らかに違うね。


「もしあんな態度を今の輝夜に取られたらどうする?」


「悲しいけど……少し、ゾクゾクすると思う」


「さすが変態……」


 ブラッディの呆れが東京の夜に飲まれるのでした。

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