46話 たまには実家に
文化祭も終わり、かなりの寒さが容赦なく襲いかかってくる季節になりました。
今日も私は百合園荘にいる……というわけではなく、なんと実家に帰ってきました! もちろん輝夜ちゃんと喧嘩したわけじゃないよ? 正月くらい帰って来なさいってお母さんに言われちゃったからね。
「それで? ちゃんと成績は取れているんでしょうね?」
「実家に成績表は送られて来たでしょ? 大丈夫だよ、輝夜ちゃんに勉強見てもらってるし……」
現役塾講師ちゃんに見てもらってるんだもん、チートだよチート。
「そ、そんなことより! 桜の受験は大丈夫なの? もうすぐ共通試験でしょ?」
「私はお姉ちゃんみたいにギリギリを生きてないもん」
うぐ……この妹、姉の心に針を刺すのになんの躊躇いもない! 誰に似たんだか……お母さんか。
こうして家族でご飯を食べるのも久しぶりで、なんだか変な感じ。改めてお母さんの料理を食べると、自分はまだまだなんだって思い知らされるね。
「輝夜ちゃんとの生活はどう? 楽しい?」
「もっちろん! 最高だよ!」
「そう、ならよかった」
……お母さん、もしかして心配してくれていたのかな。
お母さんは立ち上がってキッチンに向かった。たぶん、年越しそばの準備をしてくれているんだと思う。
「お姉ちゃん良かったの? 輝夜さんと年越ししたかったんじゃない?」
「うん。でもまぁ……たまにはこういうのもいいかなって思えるよ」
輝夜ちゃんとは365日、閏年なら366日一緒にいてもいい。でもそれと同じくらい、たまには家族に会うのもいいものだと思う。
年越しそばを食べて、恒例の歌合戦を見て、自分の部屋に戻った。
「……なんだかもう懐かしい景色になるんだなぁ」
もちろん多くの家具は向こうに持っていったから景色が違うのは当たり前なんだけど、自分の部屋だというのに非日常感がそこにはあった。
思い返せばすごい1年だった。
1年前はまだ魔法少女だったんだもんね。
1月1日になれば魔法少女の戦闘だったなぁ。1年前は……【リックキャンディ】&【ティクルグラント】と戦ったんだっけ。
懐かしい。こうして色んなことが過去のものになるんだなぁ。と、似合わずしんみりとしてみたり。
私は近所の神社の方角に向けて、手を合わせた。
「来年も、楽しい一年になりますように」




