42話 大ブーム
「ハマった!」
秋学期も始まり、数週間が経過した週末。灯は唐突に叫びました。
ハマった……と言う前に人はすでにのめり込んでいるものですが、そこには触れないであげましょう。
「ハマったとは……何に?」
尋ねたものの、私はそれを知っている。
ちょうど1週間くらい前から灯がスマートフォンとにらめっこをし始めましたからね。
「もちろん、ウ○娘にだよ!」
「……話は聞かせてもらった」
ビクッと肩が震えた。ずっと外でスタンバイしていたのか、タイミングがたまたま合ったのかはわかりませんが、ブラッディが勢いよくドアを開けてきたからです。ホラー映画でしょうか……。
「ブラッディ! まさかとは思ったけどブラッディも……」
「もちろん。インストール済み」
「同志だ!」
勝手に盛り上がって固い握手をする2人。なんなんでしょう、この盛り上がり方は。異常な熱気にも感じますね。
「ちなみに灯の担当ウ○娘は?」
「もちろん、サイレンスス○カちゃんだよ! 清楚で丁寧な子だけど、目標や自分の見たい景色のために頑張れる子で、まるで誰かみたいじゃない?」
「……灯らしい」
「そういうブラッディは誰なの?」
「……私はお姉さまだから」
「ブラッディらしい〜♪」
す、すごい盛り上がりです……。まったくついていけません!
まぁでもこの2人はどちらかと言えばオタクさん気質ではありますから、その中で流行っているだけでしょう。
「灯ー! ナリタ○ライアン引けたでー!」
「えっー! 本当!?」
なっ……ユウさんまで!?
「おー、やっとるね〜君たち。ちなみに私はオグリ○ャップ担当だから。世代なのもあるけど」
も、守屋さんまで……まさかこの世界でウ○娘をやっていないのは私だけ? そ、そんなまさか……
私はスマートフォンを手に取り、鋏にメッセージを送った。
『鋏さん、ウ○娘、やっていますか?』
返信は早く、すぐに届いた。……画像付きで。
『妹の面倒を見ながらだから、さっき初めてう○ぴょいできたところよ』
やってる……やってる!!!
私だけ……私だけがこの世界に取り残されているんだ……
そんな私の肩を、灯の手が包んだ。
「大丈夫だよ、今からでもはじめられるし、☆9青因子持ってるから育成もやりやすいよ? やってみよ?」
「はい……はい!」
………………それから数ヶ月後、結局一番やり込んだのは私なのでした。
……私がハマったのでついつい書いてしまいました笑
来週から文化祭編です!




