36話 仮免試験:前編
自動車学校にも慣れ、ついにやってきました、仮免試験!
この試験に合格したら、晴れて路上での運転講習がスタートするわけだね。まぁ実技と筆記で受かる必要があるんだけど。
今日仮免試験を受けるのは私と輝夜ちゃん、ブラッディ、マリーちゃん。それからあと8人の計12人みたいだね。
「それでは今から試験を開始します。4人3組に分かれてください」
自由に分かれていいのかと思ったらどうやらそうではないらしく、先生たちが続々と出てきて生徒の名前を呼び始めた。
輝夜ちゃんと……と思ったのも束の間、輝夜ちゃんはすぐに名前を呼ばれてどこかへ行ってしまった。うぅ……。
「森野さん、闇宮さん、山田さん、鈴木さん。私について来てくださいっす!」
私たちのチーム(?)の担当は田中先生みたいだね。全然知らない先生よりは良いかも。緊張もしなさそうだし。
とりあえず言われた通りについていくことにした。先生の誘導に従って椅子に腰掛ける。他の子は全然知らないや。黒髪ロングの子、茶髪ショートの子、黒髪ツインテールの子……。まぁみんな可愛い。
でも黒髪ロングの子が一際目を引く。なんだろう、不思議な感覚だね。あとどこかで見たことあるようなないような……。
「では今から仮免試験を始めるっす。仮免試験では2人1組になってもらって、1人が運転している間にもう1人は後部座席に乗っていてもらうっす」
なるほど……私の運転を誰かに見られちゃうのか。なんだか恥ずかしいような……。
「評価は100点満点からの減点方式っす。あと、私が助手席でブレーキを踏んだら即刻失格っす」
怖っ! 先生がブレーキ踏んだ瞬間に不合格確定って……。それだけは嫌だ!
「それじゃあ視力検査をした後、森野さんと闇宮さんから始めるっす!」
というわけで視力検査をささっと済まし、仮免試験が始まりました。
隣にいる闇宮さん? はずっと黙っている。話しかけた方がいい……よね? パートナーなわけだし。
「えっと……初めまして。森野灯です」
「ひひっ!」
「えっ!?」
私が話しかけたら突然笑い出したんだけど!
「そんなに驚かないで〜。私は闇宮愛だよぉ。よろしく。きひっ!」
「よ、よろしく……」
なんだろうこの子。可愛いのに怖い。怖いのに可愛い。ホラー映画に出てくる黒髪ロングのお化けみたい。顔は綺麗なんだけど、どうしても怖いみたいな、そんな感覚。
闇宮さんが握手を求めてきたからそれに応じることにした。するとボソッと何かを呟いたみたい。
「私はずっっっっと見ていたけどねぇ」
「え?」
聞こえなかったから聞き返したつもりだったんだけど、私の「え?」に対しての返答はなかった。
「それじゃあ運転試験を始めるっすよ〜。まずは……うん、闇宮さんからお願いするっす! 森野さんは後部座席に座ってください」
「あ、はい」
「はぁい」
ふらふらと闇宮さんは歩いて運転席へと向かっていった。私はその様子を見てどこかで見たような見ていないような……と、ここ最近ずっと悩まされている感覚に陥る。
……いや、今はそんなことをしている場合じゃない。とにかく仮免試験に受かって、輝夜ちゃんたちと一緒に自動車学校を卒業するんだ!
私は闇宮さんから何かを盗むくらいの気合いで、後部座席に乗り込んだ。
ちょっと免許編が長いので、再来週はキラキラした回を挟みます♪




