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28話 お茶の都ミュージアム:前編

 お茶の都ミュージアムの最寄駅までは電車で30分。甲府からの長旅を考えたら全然へっちゃらだね。


「……なんでお茶の都ミュージアムに?」


 ブラッディからそんな質問が飛んでくる。まぁここに行きたいと言ったのは私じゃなく……


「静岡のお茶について学べる機会なんてそうそうないでしょう? だから楽しそうかと思いまして」


 そう、勉強熱心な輝夜ちゃんなのでした。


「ウチは楽しみやで。ネットの評判だと抹茶フラペチーノとか飲めるらしいわ」


「本当? ス○バとどっちが美味しいかな?」


「抹茶力で言ったらこっちが勝つんちゃう? フラペチーノ力やったらス○バやろうけど」


「何です? 抹茶力とかフラペチーノ力って」


 男子小学生みたいな会話しちゃってたね。そんな会話をしていたらもう最寄駅までついちゃった。

 地図アプリで見てみると徒歩で20分くらいかかりそう……。


「じゃあ歩こうか」


 のどかなところ……見える葉っぱが全部お茶に見えてくるよ。

 そういえば、私たちの移動って徒歩か電車だけど……もう車の免許も取れるじゃん!


「輝夜ちゃん、免許取らないと!」


「と、唐突ですね……」


「灯たちはまだ自動車学校通ってないん?」


「え? ユウは通ってるの?」


「春学期の間に通っとったで。といっても、むっちゃ時間かかるから休み中に取ることをお勧めするわ。ウチまだ仮免やし」


 そうだよね……大学も行って自動車学校も行ってだと時間かかるし、噂に聞いた程度の知識だけど予約を取るのが大変とか聞いたことある。


「輝夜ちゃん、夏休み中に行こう!」


「は、はい。帰ったら具体的に考えましょうか」


「……私も取る」


「「「え!?」」」


 ブラッディの発言に、3人が同時に驚愕した。これまた唐突に突っ込んできたね。


「どうしてブラッディも? 飛べるじゃん」


「出番が……いや、人間界を見つめるという聖王から与えられた刑に従うには合理的」


 なんか棒読み……最初のでばなんたらが1番力がこもっていたような……。

 旅行中に自動車学校のことについて長々と考えるのもアレだね、となり、とりあえずこの話は持ち帰ることに。

 そしてついに到着! お茶の都ミュージアム!


「こ、これは……!」


「思っていたよりも……」


「ずいぶん……」


「……現代的建物」


 勝手に江戸時代のお茶屋さんくらいの見た目を想像していた私たち。大学の食堂みたいな見た目に面食らった。

 でもまぁよくよく考えてみたらミュージアムだしね。現代的な建物になるのは当然なのかも。


「と、とにかく行こっか!」


「はい!」


 入場料300円……でも私たちは大学生だから学生証を見せればタダで入場! といってもいろいろな場所へ繋ぐ道にいて、どこからいけばいいのやら……


「メインの博物館は後にして、まず庭園から覗いていきませんか?」


「賛成ー!」


 どちらかと言えば好きな食べ物は最後に取っておく派の輝夜ちゃんからいい提案が出てきた。

 ちなみにその様子を見たいがために、夜ご飯に好きな食材をひとつだけ入れてみたりする。そうすると大事そうに取っておくんだよ。可愛いでしょ?


 外に出て庭園を見てみると美しい日本の文化……的なものが広がっていた。私の語彙力ではこれが限界。


「ルーマニア出身のブラッディさん、このジャパニーズカルチャーはどう?」


「……黒歴史。忘れて」


 そういうわりに今でもルーマニア出身の嘘はつくよね。


「こらこら、風情のないお話をしているのは誰ですか?」


「せやで〜。こんな絶景、なかなかお目にかかれへんよ?」


 たしかに2人の言う通りだ。心なしか風がいつもより心地いい。庭園の水もお茶を意識してか、綺麗なグリーンだった。

 小さな橋で向こうまで行けるみたい。小学生くらいの女の子たちが追いかけっこをしていた。わかるわかる、やりたくなるよね、鬼ごっこ。それはそうと……


「ブラッディ、こんなところで鼻息荒くしないでくれる?」


「……反省はしている。後悔はしていない」


 ダメだこの自称ルーマニア人。美しき日本文化を壊していく……。


「さぁ、約一名以外心が清まったところで博物館へ行きましょうか」


「「おー!!」」


「……悔いはない」

私のTwitter「三色ライト@小説家になろう」にて、今後のストーリーに関わるアンケートを実施中です。

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