27話 フレッシュ
2時間と少しの電車道もあっという間に過ぎていく。
みんなとお話ししていたらあっという間だね。今日でもう旅行が終わると思うと、少し寂しい……けどまだまだこれから! 静岡をめいっぱい楽しむよ!
というわけで……
「静岡駅!」
静岡に到着しました。すると……
グゥ〜〜〜
「……灯のお腹が鳴った」
9時に甲府駅から出発したから、もう11時半。お昼ご飯を食べに行かないとね。
「静岡といえばあのハンバーグ屋さんに行きたい!」
「静岡といえばというハンバーグ屋さんがあるんですか?」
「ふっふっふっー! 輝夜ちゃんはこういうことには疎いんだね。ユウ、説明を」
「輝夜さんええか? ここ静岡には超有名なハンバーグ屋さん、[フレッシュ]があるんや」
私とユウはドヤ顔で胸を張る。ユウと一緒に胸を張ると私の小ささが際立つことに気がついた。もう2度とやらない。
というわけで[フレッシュ]を目指して少し歩くことに。スマホで待ち時間が見れるんだけど、1時間待ちだって。これは辛いかも……。
「……じゃあ、私はこの辺りをぶらついている。何か欲しいものある?」
「いいよ大丈夫。楽しんできて」
「……わかった。アイドルアニメの聖地に行ってくる」
そう言ってブラッディは翼を生やしてどこかへと行ってしまった。
「1時間は長いね〜。さすが有名店!」
「こんなに有名なお店があるなんて、知らなかったです」
「結構多くのYou○uberとかが紹介しとるで。帰ったら見てみてや」
「ユウってYou○uberとか見るんだ。誰見るの?」
そんな感じの会話をしていたら、なんと名前を呼ばれてしまった。えっ!? もう1時間? と思って時計を確認したらしっかり1時間経っていた。すごいなぁ……こうして歳を取っていくのかな……
謎にハンバーグ屋さんで悟りを開きそうになりつつ入店! そして名物のげんこつハンバーグを注文!
「こうした飲食店での待ち時間はワクワクしますね」
「[フレッシュ]は料理が届いてからも楽しいんだよ!」
「そうなんですか?」
そんなやり取りをしていたらタイミングよくげんこつハンバーグが来た!
「ではお切りしますね〜」
店員さん(可愛い)が大きなナイフでハンバーグを目の前で切ってくれる。それぞれのハンバーグを切ってナイフの腹で鉄板に押し付けたら「ジュ〜」って音が鳴って……もう耳で美味しい!
次にソースをかけた時も音が鳴って、目と、耳と、鼻でげんこつハンバーグを楽しめた。もうこれだけでお腹いっぱいになる気がする。
「ね? 楽しかったでしょ」
「すごかったです……無言でジッと見てしまいました」
「ウチも実際に体験するのは初めてやから興奮したわ〜。さ、冷めへんうちに食べよ食べよ」
「「「いただきます」」」
ハンバーグを切ってみると肉汁がジュワッと溢れてきた。断面を見たらほんのりピンク。……エッチなこと考えた子いるでしょ。正直に出てきたら怒りませんよ?
とまぁ冗談は置いておいて、ミディアムレアなハンバーグをパクリ。
「んーーーっ!」
旨味……爆発!
ジューシーな肉の味と、ソースに使われているたまねぎの甘味が一気に口に広がって……これは美味いやつだ〜!
「噂通り美味いなぁ」
「本当、美味しいですね」
「むー! このハンバーグが美味しいのは認めるけど、私のハンバーグを差し置いてもらっちゃあ困るね!」
私はひとこねひとこね輝夜ちゃんへの愛を込めてこねてるから。お店のハンバーグとはわけが違うよ!
「灯のも美味しいですよ。私は灯のハンバーグの方が好きです」
「や、やだなもう……こんな人前で」
「灯、見た目に反して料理得意なんやな〜」
「……見た目に反してとはなんぞ? 私そんなに何もできない人に見える!?」
問いただしたら「あはは……」と誤魔化された。ひどい!
「「「ごちそうさまでした〜」」」
お腹いっぱい大満足! というか女の子にはちょっと多いかも。小さいサイズにしておけばよかったかな。
「さて、ブラッディを呼んで、次の目的地へと行きましょうか」
私たちは腹を満たし、次なる目的地……「お茶の都ミュージアム」を目指すのでした。




