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11・続・古河探検隊

 島風が忽然と姿を消した‼山の村にも魔物が居るのであろうか?しかし、古河隊長達はすぐに駆け付ける事が出来ない‼


「青葉!島風を探せ、最優先だ‼こちらも魔物を片付けたらすぐに向かう」


 古河隊長は青葉にそう伝え、二つ目の擲弾を魔船へと撃ち込んだ。

 魔船には既に生きた魔物は居ないらしく船腹に穴が開いただけだった。


「よし、今動いている魔物を始末したら青葉達の支援に向かう‼」


 古河隊長は弾倉を交換して礼拝所へと迫った。



 その頃、山の村では青葉と旗風が島風を探していた。

 山の村には倉庫や納屋が多く、捜索はなかなか進まない。


「こちら青葉、島風、返事をしろ」


 青葉は一軒毎に中を調べながら島風へと通信を入れる。しかし、一向に返事はない。

 青葉が島風と別れたのは村の入口だった。


 入口から見える村は狭く、3人が単独行動しても互いに支援が可能だと思われたため、住宅地は単独行動となり、山手の倉庫が立ち並ぶ付近で集合となった。


 しばらくは3人の声が響いていたのだが、気が付いた時には島風の姿はなく、通信にも応えなかった。

 青葉は島風が通ったと思われる経路を旗風となぞるが島風は何処にも居なかった。勿論、魔物にも会っていない。

 そこで、先に倉庫へ入った可能性を考え、倉庫の捜索を行ったのだが、島風は見当たらなかった。


 青葉がもう一度村の全てを探索し終えた頃、古河達が合流した‼


「島風は見つからないのか?」


「どこにも見当たりません。通信にも一切おうとうありません」


 青葉は焦燥感を隠しきれない顔でそう伝えるのだった。


「あと、探してない場所はないか?洞窟とか、住宅に地下室があるとか」


 古河隊長の言葉でハッとして住宅の床や茂みの奥の山なども探索されたが、一向にそれらしきものは見当たらない。


「ダーリン、これ、島風の足跡じゃない?」


 焦り始めた古河隊長に金剛が声をかける。

 確かに、水の入っていたらしい桶が倒れ、辺りを濡らした中を足跡が続いている。ただ、その先は先ほど青葉達が探索した山の斜面であり、何もないと判明している筈だ。


「よし、全員であの斜面付近を捜索してみよう」


 古河隊長は足跡の先へ全員で向かう指示を出す。もう、他に残された手段はなかった。

 皆で手分けして斜面や崖を探る。


「マスター、崖と落石の隙間に横穴があります」


 旗風からの通信だった。全員でその場所に向かう。

 確かに、そこはまるで入口をカモフラージュするように落石があり、横穴へ入るには人一人がようやく通れる隙間しかなかった。


「まさか、ここに入ったのか?」


 皆が首をかしげる。

 皆が入るかどうするか逡巡しているときだった。


「私が行ってきます。島風失踪は青葉の責任です」


 青葉がそう言って隙間に入っていく。

 しばらくすると交信が途絶えた。地中に入り電波が届かなくなったのだろう。


 後の面々は青葉を信じて待つしかなかった。


 随分経つのではないかと時計を見る古河隊長。しかし、予想に反しまだ5分と経っていない。


 ドンと何かを蹴破る様な音と共に怒鳴り声が聞こえる。


「さっさと歩け!」


 それは青葉の声だった。

 声がして数舜、隙間に青葉が表れる。それに続いて島風が見えた。


「マスター、このバカ!氷室の酒を呑んで出来上がっています。コレを連れて先に帰って良いでしょうか?」


 何故?と聞くまでもないことは青葉の様子で察した古河隊長は二つ返事で許可を出す。


「旗風、警護に付いていってくれ。まだ魔物かうろついているかもしれん」


 古河隊長は旗風に護衛を依頼し、残り4人で灯台を目指すことにした。


「俺達は灯台の確認してから下りる」


 古河隊長は僅かな痕跡だけを頼りに灯台を目指す。


 藪を切り開きながら進むことしばらく、藪の上に塔が見えてきた。あせる気持ちを抑えながらそこを目指すこと15分、ようやく灯台へとたどり着く。

 15年メンテナンスを受けていない塔は既に限界だった。


「ちっ、腐ってやがる。こいつはもう、限界だな。建て直ししなきゃ使えない」


 それを確認した古河隊長は帰還の号令を出す。

 既に予定を大幅に超過していたが、

 幸いにも日が長い時季であったため夕暮れには桟橋にたどり着く事が出来た。


 島風は一体何をしていたかというと、住宅地の探索中、一軒の建物で地図を拾い、宝の隠し場所と思い、あの氷室へと進入したらしい。


 氷室の入口は自重式の自動ドアになっており、誘われるまま中に入っていくと樽やビンが並んでおり、樽のひとつをつつくと栓が抜け、甘い香りが辺りを満たした。

 飲み物だと直感した島風が口を当てると確かに甘い酒であり、甘さに惑わされて相当量呑んでいた。


 島風が呑んでいたのは古酒として巧く熟成されたもので、香りでは騙されるほどの度数に仕上がっていた。

 

 後日、皆で再度訪れたが、自重式の自動ドアは内部の装置が壊れていたためドアを破壊していたため、既に熟成環境が崩壊していたのか、たまたま島風がつついた樽だけ巧く熟成されたのか、ただの怪しい液体しかそこには存在しなかった。

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