勇者二人
完全バトル章です。
盛りあがってきました。
鬼、人の姿のなれの果て、彼らの本能は人間の殺戮のみ。
中には話の分かる者もいるが、そういうのは少数派に過ぎず、本能的に人間を襲うものが殆どだ。
むかしむかしある所に 以下略
鬼が島で鬼を全滅させた桃太郎は海を渡り、鬼を求めて西へ西へと渡り、鬼を狩り続けました。
そして・・・いざ故郷に帰ろうとしたら国は閉ざされ、桃太郎は帰れなくなりました。
便りだけ送り これを機に桃太郎は世の為人の為、刀を取り、大陸を旅することになります。
そして 現在
自分と同じ存在に出会いました。
「ほう!やるの~流石は西の勇者 この剣をかわせるか! 鬼なら一撃で首を落としているのだが!」
「光栄ですね 故郷の英雄と剣を交え、尚且つ称賛を貰えるとは! 僕も捨てたものじゃない!」
両者の剣技に会場中が目を奪われた、アリアとクレアはその見事な剣術を一つ残さず見逃すまいと
注目し、アキラ、ニノの対戦を楽しみにしていたカグヤは結晶の楽しみが増えたと喜ぶ。
速さと技、美しさではミコトが勝り、力と剣の重さでシュウが勝る。
西洋の剣士と東洋の剣士達が行う剣舞、その一撃全てが必殺の攻撃だ。
通常ならまともに州の斬劇を受け止めれば日本刀は歪むか折れるだろう、しかしそのすべてを受け流し、かわして首を狩り取りに来る一撃! そして驚愕すべきは個の剣士 魔力が感じられないのだ。
魔素は取り込んでいる。レベルも上がっているが魔力を一切纏わず戦いに挑んでいる、まるで攻撃は霞みを斬るかのように手ごたえが無い 攻撃が先読みされ事ごとくをかわし攻撃は最小限の力で必殺の一撃を見舞ってくるのだ。
此れが伝説の剣士の力、おとぎ話の英雄の剣か! 自身の憧れの正義の味方の原典が今自分の前にいる だが負けない この人に勝ててこその勇者だ!
それに魔力を纏う攻撃も彼には通じない、日本刀、鉄には対魔の力が宿るのか、聖剣に纏う魔力が刀に触れた瞬間、霧散してしまうのだ。 純粋な剣術のみで彼を打倒しなければけない。
『両者 一歩も引かず、美しい剣術の応酬が続きます。しかしそろそろ制限時間が推してきています。このままですと審査員による判定になります!』
そう 時間は有限だ惜しい限りだがそろそろ決着を着けなければ!
両者が離れ、一呼吸着く
「このまま判定などという無粋な決着が着くより、此処は一つ賭けをせぬか 山本殿。」
「賭け?」
「私の必殺の一撃を受けてみよ、かわさずに無事受けきればお主の力を認め、降参しよう。」
「乗った 失敗すれば死ぬだけ、運よく生きながらえても負けを認めましょう。」
『おーっと此処で勝負に出た 確かに制限時間が迫ってきております。 これで決まるか!?』
歓声が止む
両者の澄んだ剣気に会場が静まり返る
彼、桃太郎に奥義や秘剣、必殺技は無い、技の名前を付けたり、必殺技を創るのは邪道!
基本にして、最強の一振り、正眼に構えてからの振りおろす一刀両断の唐竹割りこそが最強の技だ。
上段に構え、一息でシュウに向かう!
一方 シュウは剣を右手の逆手に持ち、身を低くし、剣を地面に突き刺して待ち構える。
一閃 気合と共にミコトは日本刀を振り下ろす。
対する、シュウは地面に剣を走らせ、その反発力を利用した、抜刀術で迎え撃つ。
天から降りおろされる刀は正に龍 地を走らせ伏した状態から牙を剥く虎の一撃。
龍虎の対決は・・・・
「見事・・・ 拙者の負けだ・・・」
「ええ そして 僕の勝利です。」
「勝者! シュウ ヤマモト!」
その瞬間会場が沸いた
ドワァァァァァァァァァァァァァァァッl!!!!!!!!!!!!!!!!
この名勝負に世界中が称賛した。 会場中から惜しみない賞賛と祝福を浴びる二人の勇者。
この日、少年は自身を始めて心から誇れる英雄になった。




