表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ進行中☆】 「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中
二章 ❄❄ 氷たちの新婚生活

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/61

❄21:テレシアが抱く不安。

 



 ◇◇◇◇◇




 結婚して一ヶ月半が経ちました。 

 仲睦まじくは過ごせていると思いたいです。 まぁ、その…………なんでしょう、夜もちゃんとありますし。


「じゃあなんでそんなに浮かない顔なのよぉ」


 ムキムキセクシー紫ドレス姿のフリーナ様が、我が家のサロンでバンバンとテーブルを叩いています。


 今日は夜会用ドレスを納品しに来てくださいました。

 先日、ランヴェルト様と注文しようという話になり、その旨をフリーナ様にご連絡したところ、「結婚祝いのつもりでウエディングドレスのデータを元に既に着手しているものがあるから、ちょっと待っていなさい!」と言われていたのです。


「体型は変わっていないようだし、フィッティングはしなくてもいいわ。だから、洗いざらい話しなさい!」

「洗いざらいと言われましても」


 結婚式の数日後、ベッドでゆっくりと眠られているランヴェルト様を見て、ふと『今日もいらっしゃるのね』と思ったのですが、それはちょっと嬉しかったからなのです。

 会話はあまりないのですが、ともに同じ空間にいるだけで、何だか心も身体もふわふわとするのです。

 そのせいなのか、何なのか……ぽろりと口から滑り落ちてしまっていました。


「――――は?」

「寝ていると思っていたのです……」


 ランヴェルト様の肩がビクリと動いて、ゆっくりと開く瞼の奥にあったのは、曇り空のような色をした瞳でした。

 苦しそうな表情のランヴェルト様が「湯を……浴びてくる」と足早に立ち去られてしまい、言い訳も何もできずじまいのままで日にちが経ってしまいました。


「いや、風呂から戻ったときにすぐ言えや!」

「……素が出てますが?」

「チッ」


 フリーナ様の声が野太くなりました。なったというか、野太いのが素の声なのですが。


「あんたたちは、頭の中でグルグルグルグルグルグルと考えてばっかりで、全然声に出さないのがそもそも駄目なのよ!」

「言葉は選ばないとですし」

「ボロッといらないことを漏らしたヤツの言葉かしら!?」

「あ…………」


 正論過ぎて何も言えなくなりました。

 

「まったくもぅ。他には? あるんでしょ!?」

「はい。その…………複数の女性から、ランヴェルト様宛てのお手紙があまりにも多くて」

「あー、うん。はぁぁぁ」


 フリーナ様が心底面倒くさそうなお顔で、大きなため息を吐かれました。


「アイツ、中身は読んでいるの?」

「差出人を確認されて、その場で破り捨てられているとは執事から聞いています」

「でも、信用できない?」


 信用できないというわけではないのです。ただ、聞いて良いものなのかがわからなさすぎて。

 ランヴェルト様が何も言わないのに、それをしつこく知りたがるのは、嫌がられそうで。


「あら。ふぅん? でも、知りたいんでしょう?」

「…………っ、はい」

「気になるのなら、ちゃんと本人に聞きなさいな」

「はい」


 フリーナ様がサロンのテーブルに肘をついて、にやりと笑われました。


「ふふっ。ほんと面白いわね」

「私は面白くありませんが?」

「あはははは! また、愚痴を聞きに来てあげるから、ランヴェルトと沢山話しておきなさい」

「……はい」


 何が面白いのか、フリーナ様はずっと笑いっぱなしでした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

◇◆◇ 書籍化情報 ◇◆◇


「お前を愛することはない」と言われたので「そうなの?私もよ」と言い返しておきました。 〜氷の貴公子様と紡ぐ溺愛結婚生活〜
書籍表紙


美麗すぎてヨダレものの表紙絵を描いてくださったのは、『シラノ』様っ!
脳内妄想だった氷たちが、こんなにも美しく再現されるとか、運使い果たしたかもしれない……

あ! この作品も、もりもりに加筆しています。(笛路比)
おデートとか諸々ね。ラブなストーリーを主に。コミックシーモア様は限定SSもあるよ☆
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

各種電子書籍サイトで販売されていますので、一例としてリンクボタンも置いておきます。


▷▶▷ コミックシーモア

▷▶▷ honto

▷▶▷ Amazon

▷▶▷ BOOK☆WALKER

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ