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『勘違いしがちな赤根さん!』 ~飼い猫の名前を叫んだら、なぜか学校一の美少女が迫ってきた  作者: 波瀾 紡


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19/41

【19:赤根さんはリベンジする】

♡♡♡


 そして日曜日がやってきた。ここは市内の大型ショッピングモール。

 この前ホラーハウスに来た場所だ。同じフロアにあるシネコンの前でガタニ君と待ち合わせをしている。今日は私の方が先に着いたようだ。


 この前のホラーハウスはあまりに怖くて、すっごく恥ずかしい姿を見せてしまった。 

 でも今日観る映画はラブコメアニメだから、怖いシーンなんかない。

 だからあんな恥ずかしい姿を見せてしまうことはもうない。


 つまり──今日は大丈夫だ。


 本日の服装は紺色のデザインブラウスに、ちょい短めだけど足が長く見える白いミニスカート。

 それにピカピカしたエナメルの厚底靴。

 私の一番お気に入りのコーデ。


 どう? 短めのスカートはちょっと恥ずかしいけど、これならきっとガタニ君を悩殺……いやもとい。可愛いと思ってくれるよね?

 この前はせっかくのお洒落をガタニ君にスルーされたから、より一層気合いを入れてきたのですよ。今日はリベンジだ。


 あ、これは決して私がガタニ君のことを好きで可愛く見られたいってことじゃないからね。

 あくまで『彼が告白したくなる作戦』の一環なんだから。

 二人で映画に行くなんて、雰囲気的にもタイミング的にも、告白するにはまたとないチャンス。

 だからガタニ君が思わず告白してくれたら……


「いいな」


 床を見つめながら思わず呟いて、ふと視線を上げたら目の前にガタニ君の顔があった。


「ふわぅっ!」


 うわ、びっくりした!


「あ、驚かせてごめん!」

「き……来てたんだ」

「うん、今来たとこ。声をかけたらよかったんだけど……」


 もしかして私に見とれて声をかけそびれた……とか?


 なんだかガタニ君の顔が真っ赤。

 横を向いたり私をチラチラ見たり、視線がゆらゆら揺れてる。

 これって、私のファッションを意識してくれてるんだよね?


 でもガタニ君は何げないふりをしてる。

 ふふふ、ホントは私を好きなくせに。

 照れちゃって可愛い。


「ねえ、どうこれ?」


 私は服装をアピールするように両手でミニスカートの裾をつまんで、脚を伸ばして交差させる。そしてこてんと首をかしげた。

 ちょっとお姫様チックなポーズ。

 あざとくしようって気はないけど、ちょっとでも可愛く見せたかった。


「あ、うん、可愛い。……すごく」


 やった!

 すごく可愛いって言ってくれた!

 気合い入れて可愛いカッコしてきてよかった。


「じゃあ、中入ろうか」

「うん」


 ガタニ君はすごく恥ずかしそうな顔をしてる。

 でも私もあんなアピールしちゃって、実はすごく恥ずかしい。死にそう。


 お互いにちょっとぎごちなく歩きながら、映画館の中に入った。




「ふえん……」


 なにこれ?

 この『3人姉妹に恋をした・劇場版』ヤバい。


 いつも通り楽しいラブコメなんだけど、ラストの方はすっごく感動的なストーリー。ぐいぐい引き込まれる。

 まさかアニメを観て、こんなに涙ぐむなんて思わなかった。


 そしてエンドロール。この物語が終わってしまうことに一抹の寂しさを覚える。

 映画が終わって照明がいても、しばらく席を立てなかった。


「赤根さん大丈夫?」


 横から優しい声が聞こえた。現実に引き戻される。

 うわ、こんなぐちゃぐちゃの顔見られるの恥ずかしい。


「うん、ごめんね。そろそろ出よっか」

「そうだね」


 肘掛けに置いたガタニ君の手を、私の手がぎゅっと握ってることに今気づいた。


「あっ、ごごごゴメン!」


 慌てて手を離す。


「いやいいよ」


 知らない間に彼の手を握ってたみたいだ。


「あ、いつから……かな?」

「映画の終盤、クライマックスあたりかな」

「えーっ? そんなに長い時間!? ごめんホントに無意識だったんだ!」

「気にしなくていいよ。それだけ作品に入り込んでたってことだよね。俺の好きな作品を気に入ってもらえて嬉しいし」

「そっか。ありがと」


 知らない間に手を握ってたなんて……後悔しかない。

 ガタニ君の手を握ったことを後悔じゃなくて、せっかく握ってるのに記憶がないことが残念で仕方がない。


 ──あ、いや。私はいったい何を言っているのか。

 ちょっと混乱してるみたいだ。


「何か飲みに行こうよ」


 ちょっと頭を冷やしたくて、私はそんな提案をした。

 そしてショッピングモール内にあるフードコートに行くことになった。

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