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林間学校5

「はぁ、羨ましいにもほどがあるんだけど」

「なにいってんの気持ち悪い」


 僕は、千香が星野に抱きしめられたという話を聞いて発狂しそうになった。いいな星野に抱きしめられるとか憧れのシチュエーションだよなー。


「それで陸斗は、なんで逃げてきたの?」


 千香が意地悪そうな顔で聞く。


「いやいや、なんで僕が逃げてた前提なのさ?」

「どう考えても、私と同類の陸斗が人っ気のないところにいるのはどう考えても、なんかあってにげてきたからでしょ」

「うぅ」


 僕が苦虫を噛み潰したような顔をすると、千香は得意げに笑った。千香よ、それはあまり得意がってはいけないのではと僕は思ったが心のなかに押し留めた。


 こうして僕は、千香と同じ様に人気の少ないところに逃げ出した理由を話した。



「はぁー、天王寺君に私のこと質問攻めされたーー!!」


 と僕がテントで起きたことを話したら千香は、顔を赤くしてあわあわしだした。気持ちはわかる。僕も星野が同じこと千香にしてきたら恥ずかしさのあまり悶え死ぬ自信がある。


「それで、陸斗はなんて答えたの?」


 と聞く千香に僕は、本当はすこし話したが


「……逃げた」


 とごまかした。


「本当に~?」


 と疑いの目を向けてきやがった。


「ああ、本当だ」


 とちょっと声が裏返ったので、問い詰められるかと思ったが、その後千香が問い詰めてくることはなかった。


 その後は、林間学校で起きたことに対する愚痴をお互い言いまくった後、僕達は各々のテントに戻っていった。




 翌日は、目が覚めて重いまぶたを開けると近くに天王寺の顔があって大声で叫んでしまったという事以外は、大した事なく終わると思っていたんだ。今日とおんなじベンチで泣く千香を見るまでは。



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