林間学校2
「「はー、疲れたーー」」
私と陸斗は、目的地である高波山野外学習センターについてバスを降りた後、周りにから少し離れたところでその言葉を呟いた。ほんとに疲れた。天王寺君も星野も放っておくとすぐいちゃつく。それを防いでたのだが、星野お前なんなんだやけに私に引っ付きやがってなんなんだよ。
「ねぇ、陸斗。私もう帰りたいんだけど」
「奇遇だな。僕もだ」
とはいえ、すぐに担任に集合をかけられ事前に決められた班で集まらされた。そういえば、私何班だっけ?ずっと本読んでたから知らないんだよね。
「どうやら、僕と千香は同じ班のようだ」
立ち往生していた私に陸斗が近づく。
「なんか最近、あなたとずっといる気がして飽きたんだけど」
「いやいや、僕しか話す相手がいないていうのが正解だろ」
私は、ジトーと陸斗を見る。
「千香、その目はなに?」
「いやー、陸斗。人のこと言えないよなと思って」
「僕だって、話すくらいのクラスメイトは……クラス……ごめん」
「悩むことでもないよね」
陸斗は目をそらして、
「僕だって友達がいるかなとおもったけど、どうあがいてもいなかった」
と呟いた。前から思ってたけどこいつ偶にバカになるよね。
「そういえば、陸斗。他の班員知ってる?」
「おいおい千香、あまり僕をなめるなよ。班決めの間ずっとスマホゲームをしていたんだ。知るわけないだろ」
あー、そういえばこの男、私と同類だった。
「白川さん、黒崎くん、こっちだよー」
離れたところから星野が私達を呼ぶ。うわぁ、こいつと同じ班かよ……いやだなぁ。隣の陸斗を見ると、なんかデレデレしてた。
星野達の方に行くと、星野の他に星野と仲のいい女子が二人。この二人は、キラキラしてて苦手だ。陸斗も怯えてる。あと、相田君と吉岡君だっけ。カースト中位のなんていうか普通の男子たちと天王寺君がいた。
えっ、同じ班に天王寺君。幸せすぎる……星野がいなければなー。でもとりあえず嬉しいので心のなかで雄叫びをあげた。
「千香、なんか……顔がにやけててキモい」
「陸斗、最低」
ていうか、あんたも同じ顔をしているんだけど。本当、最低。
気づいたら、点呼とかなんか挨拶が終わって。なんか厨房につれてかれた。
「今から、班ごとにカレーをつくってもらう。頑張れよ」
と先生がカレーを作れとだけ言って、本部に去っていった。適当すぎだろ。
「陸斗、料理得意?」
「普通。そういう千香は……レシピ通りに作れば成功だから。下手なことしないで」
「なによ、人に弁当毎日作ってもらってる身分で偉そうに」
「別に頼んでないんだけど」
私達が口喧嘩をしている横で、天王寺君が爽やかな声で、
「それじゃあ、みんな頑張ろう!」
と言い、カレー作りは始まった。
次回、カレー作り!!




