表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

幕間 星野 麗華

難産でした

人は、私のことを可愛いや美人という。

でも、私はそうは思えない。髪の毛は、由香ちゃんの方が可愛い。目元は、凛ちゃんの方が可愛い。鼻は花蓮ちゃんの方が可愛い。手は……、口は……、性格は……、と私が一番の部分なんてないんだ。


5歳の時の失恋から私はそう、学んだ。私は、全部のパーツが絶妙に整ってるから可愛いく見えるのであってパーツごとで見ると大して可愛くない。そのコンプレックスのせいか、可愛いもに目がなくなってしまった。


だから私は、愛されたい。男の子からも女の子からもみんなに愛される星野麗華でありたい。だから、私はクラスメイト全員と友達になることを小学生の頃から目標にして繰り返してきた。


最初は嫌われる事が多々あった。でも、年を重ねるにつれて処世術とでもいうのだろうか、嫌われなくなる方法というのをわかるようになってきた。高校2年生になった今では、誰からも好かれるみんなのアイドル星野麗華が完成した。


高校生になると、男の子から告白されるようになった。はっきり言って煩わしい。私は、ただ友達になりたかっただけで、恋人のような特別な関係を作ろうとは思わなかった。


友達がカッコいいと言う、天王寺聖也が私に寄ってきた時も、まためんどくさそうな男が寄ってきたな程度にしか思ってなかった。


天王寺という男は不思議だった。私にいろんな事を聞いてくるが、なぜか深いとこまで聞いてくることはなかった。まるで、自分が踏み込まれたくないがためにそういう行動をしているのではないのだろうか?でも、この男と話しているのは楽しかった。


クラスメイトの黒崎陸斗が私に告白した。私にも緊張が伝わってきた。でも、いつものように上手に断る。たまにしつこい人もいるが、黒崎くんは諦めが良かった。黒崎くんは、悪い人じゃないしこれからも友達でいたい。


翌日、天王寺に告白された。私は、恋という感情がわからないでも、天王寺といる時は生まれてはじめて男と一緒にいて楽しかった。だから、私はこの楽しいという感情を無理やり恋と名付ける事で天王寺の彼氏になった。


恋人、まあ悪くない。なんていうかそこそこ楽しい。映画館行って、ファミレスでご飯食べて、カラオケで遊ぶ。そんだけなのに、普段の四倍くらい楽しかった。


デート明けの月曜日、それは起きた。黒崎陸斗と白川千香がイメチェンをして手を繋いで登校してきた。黒崎君がやってる事が理解できない。ねぇ、私のこと好きだったんだよね。なんで、違う女の子と付き合ってるの?


振ったら、次の日に違う子と付き合ってることなんて何回もあった。でも黒崎君、君はそいうタイプじゃないよね。なんで、白川さんとそんなに仲良くできるの?ねぇ、なんで?


それより、問題は白川さんだ。可愛いよ、本当に可愛い。今すぐ抱きしめたくなるくらい可愛い。そんなに顔が整っていて低身長てなに?最高かよ。天王寺、邪魔。白川さん、じゃなくて白川様にかぶさってんじゃないよ。


それから、数日あの二人を観察した。白川様を見てると心が癒やされる。本当に至福のひととき。なのに、黒崎くんと一緒にいるのを見ると心がモヤモヤする。こんな気持ちは初めてだ。私は、この感情の名前をまだ知らない。





星野麗華は恋を知らない。



千香「私より、こじらせてるーーー!」

皆さん応援ありがとうございます。おかげさまでポイントが四桁の大台に乗ることができました。ここまで伸びたのが初めてなので感無量です。


そして、今回で一章終了です。二章以降は、早くて一週間後からです。これからも応援していただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] まさか、百合、ですか??
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ