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一週間後

 僕たちが偽物の恋人を初めて、一週間が過ぎた。


 毎日千香と手は繋いで登校して、お昼ごはんは、あーんして食べたりしている。ここらへんは、なんていうかなれてきた。まだ、ドキドキして手汗が出たりしているもののそのうち当たり前になるだろう。


 クラスメイト達も、以前と違い話しかけてくるようになった。


「おはよう、今日もいちゃついているな。爆発しろ」


 て具合に話しかけてくる。


 うん、なんか罵倒されてるとはいえ、前よりクラスメイトと打ち解けられた気がするので僕はとても嬉しかった。それより問題は、


「おはよう、黒崎君、白川さん。今日もラブラブだね」


 毎朝、星野に挨拶されるのだがその内容が僕のメンタルに来るわけで、毎日違うんだーて言いたくなる。僕は、浮気でもしたのだろうか。否、ただ星野に振られて、やけになって偽物の恋人を作って自分は、こんなにもいい男なんだぞて見せつけてる最中だった。なのにネタバラシしたらだめだろ。


 そんなに星野に誤解されるのが嫌なら、千香との偽物の関係をやめるていうのも思いつきはしたけど、僕から千香に提案した手前、言い出せない。でも、なんだかんだ言って千香との関係は嫌じゃない。なんていうか波長が合うていうのかな、人と長時間一緒にいるのが辛い僕でも、千香は全然苦にならない。実際、恋人になったらうまくはいく気がする。


 ……なんてことを僕は考えていたんだ。千香が本当の恋人になるとかは流石にないわー。一瞬でも脳によぎった僕を殴りたい。


 でも、この関係はどこにたどり着いたら終わりなんだろうか。



 ☆



 陸斗と偽物の恋人になって一週間が過ぎた。


 手をつなぐのにためらいもなくなってきたし、まだ手汗は出るけど。弁当は頑張ってる、野菜炒めである。本当は唐揚げとか作ってみたいが、揚げ物は怖いし当分後回しだ。ママもそれはもう少し後でいいて言ってるし。


 実は、ママには、恋人がいることがバレている。髪型が変わった時点で言い当てられた。偽物ということは、言ってない。


 それより問題は、


「白川さんは黒崎くんと本当に仲がいいね」


 と話してくる、天王寺君だ。陸斗と偽物とはいえ付き合ってるので、クラスメイトに言われる分は仕方ないと思ってる。でもさ、想い人に言われるのは、ちょっとつらい。だから、偽物の関係を終わらせようとも思った。


 でも……私は、陸斗との関係を終わらせるのは名残惜しいと思った。なんていうか、陸斗の隣にいる時は、根暗でコミュ障な素の私でも居場所が与えられると思うんだ。だから、陸斗の隣という場所を失うのは怖い。


 それと同時にこの関係を続けたら、私達の未来はどこにいくのだろうかと心配になる。

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