表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍発売中】こんなはずじゃなかった? それは残念でしたね〜私は自由きままに暮らしたい〜  作者: 風見ゆうみ
第七章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/85

58 デートと家族旅行の話

 ノルテッド邸に帰るとすぐに、私とルカ様は談話室で、ライラック様に旅行についての相談をしてみた。


「婚前旅行に行かせてあげたい気持ちはあるけれど、まだ学生だし、しかも隣国でしょう? 二人で行かせるにはちょっと心配だし、世間体的にも良くないと思うの」


 ライラック様は面白がるように婚前旅行という言葉を強調したけれど、表情は申し訳なさそうにしている。

 すると、ルカ様が眉根を寄せて答える。


「旅行に関しては二人でなくても良いんです。隣国に行くとことが目的なので」

「そうなの? あなたたち二人だけで行くんじゃないならかまわないわ。他国へ旅行なんて楽しそうで私も行きたいけれど、そろそろ家に帰らないとジョシュがうるさいのよね。だから付き添いはラビになると思うわ。もしくは、ラビに辺境伯代理をしてもらって数日間の家族旅行という形になるかもしれないけれど」


 ライラック様は少し考えたあと、笑みを浮かべて続ける。


「やっぱり家族旅行にしましょう。家族旅行をしたあとはこちらのことはラビに任せて、私も辺境伯の妻に専念するわ。リゼさんには申し訳ないけれど、その間はルカをお願いするわね」

「私がいつもルカ様にお世話になってますので」

「そうかしら。まあいいわ。ジョシュたちに話をしておくわね。それから、旅行に着ていく服も考えなくっちゃ。少し気が早いかもしれないけれど、リゼさん、次のお休み、一緒に買い物に出かけない?」


 次のお休みというと7日後になる。

 その日はルカ様と約束をしている日なので、ライラック様のお誘いはとても嬉しいけれどお断りすることにする。


「申し訳ございません、ライラック様。その日は予定がありまして」

「あら、そうなの? じゃあ、また別の日にしましょう」


 ライラック様は気分を害した様子もなく笑顔で言ってくださったけれど、私たちの様子がおかしいことに気が付いたみたいだった。


「どうかしたの、二人共」

「あ、いえ何でもないです」

「何でもない」


 私とルカ様が同時に首を横に振ると、ライラック様は眉根を寄せて交互に私とルカ様の顔を見る。


「怪しいわね。何か隠しているでしょう?」

「隠しているというわけではありません!」

「別にいいだろ。母さんは別に気にしなくていいよ」


 考えてみたら、当日に一緒に出かけたらバレてしまうわよね。

 前にも買い物で一緒に出かけたことがあるんだから、ただ出かけるといえば良いんだわ。


 素直に言ってしまおう。


 そう思って口を開こうとした時、ライラック様がルカ様に尋ねる。


「ルカ、あなたは次の休みはどうするつもりなの?」

「どうするって……」

「家にいるの? 出かけるの?」

「いや、その、出かける予定だけど」

「リゼさんも出かけるのよね? もし、差し支えなかったら誰と行くのか教えてくれない?」

「あ、えと、そのルカ様と、です」


 私が答えると、ライラック様が首を傾げる。


「なら、私も一緒に買い物に行っても……。って、あら、やだ! 私ったら気が利かなくてごめんなさい! こんなことをしていたらルルに怒られちゃうわね。ふふ、そうなの。二人で出かけるの。今までだったら、私やルルも一緒に出かけましょうって誘ってくれていたのに、そう。二人で」


 ライラック様は両手で口を覆って笑わないようにこらえていらっしゃるようだけれど、目が笑っているので口を隠している意味がまったくなかった。


「母さん、面白がるなよ」

「面白がってなんかいないわよ。純粋に喜んでるの!」

「喜んでるよりかは楽しんでるようにしか見えねぇんだけど」

「楽しんでいるとしたらルカの反応かしら。色恋沙汰にまったく縁のなさそうだったあのルカが! ねぇ、リゼさん。デートのことは内緒にしているわけじゃないんでしょう?」

「そ、それは……、はい」


 頷くと、ライラック様は笑みを隠すことを忘れて、急いで部屋を出ていこうとする。


「ルルとラビに報告しなくちゃ! 当日はどんな服にするの? リゼさんは良いとして、ルカのコーディネートを頑張らなくちゃいけないわ! 私服が酷いだなんてリゼさんに嫌われたら大変だもの」

「リゼは俺の私服を何回も見てるだろ!」

「デートの時とそうでない時の私服は違うわよ。そうだわ、ルカ、今から勝負服を買いに行くわよ」

「何だよ、勝負服って!」

「デートの時やとっておきの日に着る服のことよ。ほら行くわよ、ルカ。リゼさん、ルカを借りるわね!」

「え? あ、はい」


 ライラック様に引きずられるようにしてルカ様は部屋を出て行ってしまった。


 談話室に一人残された私は、暫くの間は呆気にとられて動きを止めていた。

 でも、我に返ってみると、楽しみな気持ちでいっぱいになる。


 デートもそうだし、ライラック様たちと旅行に行けるだなんて本当に楽しみ。

 デフェルのことはあるけれど、それはそれとして楽しみたい。


 そう思ってから、自分も部屋に戻ろうとして気付く。


 ルカ様の隣を歩くんだから、私だって出来る範囲のお洒落はしないといけないわよね!?

 それなのに、デートに着ていけそうな可愛い洋服を持ってないわ!


「デートの服どうしよう……」


 呟いてから、慌ててメイドたちに相談することにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ