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【書籍発売中】こんなはずじゃなかった? それは残念でしたね〜私は自由きままに暮らしたい〜  作者: 風見ゆうみ
第六章

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45 公爵令息からの手紙

 ラビ様はパルサ様宛の手紙に、どうして私に付きまとい行為と思われてもおかしくないことをしたのか。私に話したいことがあるのなら、ルカ様を経由してほしいということ。次に不法侵入をするようなことがあれば、国際的な問題にさせてもらうと書いたと教えてくれた。


 いくら公爵令息と言えども、他国で好き勝手して良いわけではないものね。


 数日後の学園が休みの日の朝、パルサ様からの返答が来たらしく、朝食後に談話室でラビ様から手紙に書かれていた内容を教えてもらえることになった。


「何かリゼに伝えたいことがあるのなら、ルカが会って話を聞くと言っていると伝えていたけれど、手紙で簡単な内容を教えてくれたよ。手紙に書かれていることが本心であるならば、パルサくんは敵ではなさそうだ。親の悪事を止めたがっている。信じてもらえないだろうけどと前置きしてあったが、うちと同じで代々、動物に変われる家系のようだね。ただ、彼の父親は公爵の爵位を引き継いですぐに動物に変身できなくなったらしい。そのことについてパルサくんは、父が悪事をするようになったから変身できなくなったのだと思っているようだね」

「元々、公爵は何に変われたんですか?」

「そこまでは書かれていないね」


 ルカ様の質問にラビ様は首を横に振って答えてから言葉を続ける。


「母親のほうは政略結婚したあと、一度も変身できなかったみたいだよ。ということは、母親は最初から良くない人間で、公爵は結婚後に悪に染められたのかもしれない。まあ、他国の貴族の話だから詳しくはわからないのだけどね」

「パルサ様はそれで良いとして、妹のイコル様のほうはどうなのでしょう?」


 私が尋ねると、ラビ様は少し考えて答えてくれる。


「そうだね。手紙には彼女のことは詳しく書かれてはいないけれど、僕の受けた印象ではまだ子供で、こう言えば自分がカッコ良い女性に見えると思い込んでいるみたいな感じのようにも思えたね」

「でも、十三歳なら、もうある程度、分別のつく年齢でしょうに」

「分別はつくけど、まだ子供の年齢でもある。なんとも言えないところだね」


 ルカ様の言葉に、ラビ様は胸の前で腕を組み、大きく息を吐かれたので、今度は私が聞いてみる。


「イコル様は自分が悪役のように思われるように、わざと振る舞っているということですか?」

「うーん。そう言われてみれば、そんな感じに見えたかなぁ。それもルカがパルサくんに会った時に聞いてみたらいいんじゃないかな? まあ、向こうは公爵令息だから、パルサくんと馴れ馴れしく話しかけては駄目だよ。僕だって今は本人の前じゃないから、そう呼んでいるだけだからね」


 ラビ様は小さく息を吐いたあと、ルカ様を見る。


「彼は、この家に来て自分の気持を説明したいと言っている。リゼと彼を会わせたくないなら、まずは、ルカ、お前が会って話を聞きなさい。そこで、リゼと話をするべきかどうか判断すれば良いと思う。もちろん、リゼがそれで良いと言うのなら、ということが前提にはなるけれど」

「私はそれでかまいません。パルサ様がどうして、私に会いたがっているのか理由がわかれば十分です」


 そこまで話すと、あとはルカ様とパルサ様で日時のやり取りをするという話になって終わった。

 私が知らない間に話は進められ、あっという間にその日はやって来たのだった。

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