11月30日 花嫁奪還大作戦その3 激突!天狗vsうろなタン
PM0:55
「待ちなさい、シーレディー!
うろなの平和と恋人達の愛を遮る不届きものは、
このうろなタンが許しません!!」
そのセリフに軽い頭痛を感じながら振り返ると、
アニマチオン黒塚さんがデザイン、
果穂先生も製作に携わったという
見事な”魔法少女”ファッションの女子高生が
顔を真っ赤にしながら決めポーズをとっていた。
手に持ったステッキがプルプル震えているのも
実に「精一杯頑張ってみました。」という感じで、
なんだか申し訳ない気持ちになる。
「えっと、企画課の香我見さんの従姉妹で、
神楽子ちゃんだっけ?
ごめんね、こんなネタにつき合わせちゃって。
多分達也君の差し金だよね。
結婚式ではこっちを大していじってこなくて
意外だったんだけど、
まさかこんな所で暗躍していたとは・・・
ちゃんと貰えるものは貰っとくんだよ。」
近寄ってこっそり声をかけると、
彼女はびくっと肩を跳ねさせて上目遣いにこちらを見た。
「あ、あの……これは家族やハルお兄ちゃんへの
クリスマスプレゼントを用意するのに
佐々木さんに協力してもらうので……。
だから、あのっ、お兄ちゃん達には内緒にしてくださいね。」
「分かったよ。取りあえず続き頑張って。」
はにかみながらも一生懸命に頑張る彼女に話しかけると、
普段は目立つタイプではないのであろう彼女が、
こんな大舞台に立った可愛らしい理由が分かった。
本当に良い子だね、香我見さん。
でもまあ、以前企画課で達也君と二人で
グダグダしたのが役に立ったな。
あの時香我見さんの机に隠してあった
神楽子ちゃんの写真を見ながら
駄弁ってたおかげで、
特徴的なツインテールをほどいていたのに、
彼女に気づけた訳だし。
•••今度香我見さんと鹿島を引き合わせて
シスコン会談でも開いてみようかな。
そんなことを考えていると
頑張ってキャラを作り直した
神楽ちゃんが更に台詞を続けていた。
「結婚式は女の子にとって神聖な時間!
その幸せを守るため、
うろなガールのみんな、
行くよ!!」
「「「「「はーーい!!」」」」
「司さんのお面軍団?
いや、うろなタンのお面か!」
うろなタンの後ろに整列したのは
お面を被った小学生くらいの女の子達。
男の子は小天狗で、
女の子はうろなタンなのか。
•••休みなのにランドセル背負っているのは
うろなタンへの変身前だっていう設定かな?
「ではみんなで小天狗さんたちを捕まえて
清水先生を助けてあげて下さい!
うろな!!」
「「「「大好き!!」」」」
うろなタンとうろなガール達の間で
謎なかけ声が交わされた後、
女の子達はそれぞれ校庭や校舎に散っていった。
「では清水先生、
小天狗さん達が見つかったら
みんなうろなタンフォンで私の
うろなタンタブレットに
連絡をくれますから、
一緒に小天狗仮面を探しましょう!」
「随分ハイテクになったな、うろなタン•••」
どうやらすでに色々グッズを開発済みで、
この分だと情報教育とかその辺りの感じで
企業や学校も抱き込んでいるみたいだな。
その手の分野への詳しさはあいつの方が遥かに上だし、
こりゃ本当に連携担当、
引退しなくちゃいけないかも。
改めて弟分の手回しの良さに監視した俺は、
実はハイテクだった魔法少女に導かれ、
多くの小天狗達、そして小天狗仮面4人衆の居場所を
探して校内を巡り始めたのだった。
うろな町企画に参加している作品です。
正解は健気な従姉妹ちゃんでした。
弥塚さん、ご意見ありがとうございました。
・・・今週前半時間がとれず
さっぱり執筆できませんでした。
1日1話とかホラ吹いてすいません。
謙虚に少しずつ更新していきます。
クリスマスまでには
書き上げたいなあ(願望)




