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帰りのSAで

 私は手を合わせ、祈祷。

 墓参りも終えて、私はそのまま東京に帰ることにした。


「じゃあ、また帰ってくるよ。冬くらいに」

「おう。気をつけてな」


 私はレンタカーに乗り、東京に帰ることにした。

 車に乗って、途中でサービスエリアに降りる。サービスエリアではなんだかカメラを回しているグループがいた。

 あれはのんのんずというグループだ。

 4人組のグループで、旅をメインとした動画をあげている。


「なにしてんだろ」

「だーれだ」


 と、突然目隠しされた。

 声からして……。


「美春」

「正解」


 ボーイッシュな格好をした朝倉 美春がいた。

 完全にオフの格好であり、メイクも割とチープな感じ。


「生きてたね」

「そりゃもちろん」

「お疲れさま。で、あれだれ? サービスエリアの前で動画撮ってるグループ」

「知らないの?」

「僕あまりYeytubeみないからわかんないんだよね」


 そりゃ知らないわ。

 のんのんずはYeytubeでは割と視聴回数は稼いでいるが、地上波にはあまり出ていないので見ない層からしたら名前も聞いたことがないだろう。


「のんのんずっていうグループだね」

「へぇ。邪魔だから入れないんだけど」

「いや、後ろは通っていいんだよ? のんのんずはまじめだから撮影許可は取ってるはずだし」

「そうなの? 映っていいんだ」

「そうそう。入るの?」

「入る。ここ目的でバスに乗ってきたから」


 ここ目的?

 私はなぜここを目的にしたか聞いてみると、ここにテレビで紹介されたおいしいソフトクリームがあるらしい。

 練乳ソフトっていう甘ったるいソフトクリーム。それを食べに来たんだとか。


「私も食べるかな」

「よし、じゃ、いこー!」


 と、私たちはのんのんずの後ろを通ろうとした時だった。

 カメラマンの人が「えっ」という声を出す。こちらに気づいたようだ。のんのんずもこちらを振り向く。


「あれ、じゅんぺーさんじゃないっすか!」

「え、なんでここに!? まさかゲスト!?」

「いや、ゲストでもなんでもなく通りかかっただけなんだけど」

「そうなんですか! すごい偶然ですね!」

「そちらは友人で?」

「あー、そうです」

「朝倉 美春ちゃんじゃね?」

「おーいわれてみれば似てる気がする!」

「気がするって傷つくなぁ」


 と、苦笑いの美春。

 のんのんずは改めて私たちに自己紹介と、私の紹介をしてくれた。そして、企画だけを聞いてみることにする。

 今回の企画はサービスエリアで値段を見ず物を買い、2000円を超えたら罰ゲームということらしい。動画の挨拶を今とっていたんだとか。


「へぇ。よし、じゃ、私も参加してくかな」

「飛び入り!? いいんすか!?」

「こういうゲームだと思えばね。美春はどうする?」

「面白そうだからしようかな」

「あの人気ゲーム配信者と人気アイドルのそっくりさんが参加してくれるんですか!」

「そっくりさんじゃないよ。僕は本物の朝倉 美春さ。それを証明したほうがいいかな?」

「ぜ、ぜひ?」

「音源は任せとけ」


 私はカラオケバージョンの朝倉 美春の歌を流す。

 美春はサビだけうたった。ものすごく有名な曲だし誰もかれも知っている曲を歌う美春。それだけで本物だと確信したのんのんず。


「まじじゃん! 本物じゃん!」

「すっげ、生歌……」

「むふーっ。僕が本物だって証明できたでしょ? ということで、改めまして。アイドルの朝倉 美春でーす。今日は本当はソフトクリームを食べに来たんだけど参加しまーす」

「かわいい……」


 すると、美春が私に抱き着いてくる。


「近いな」

「こういうのもサービスショットってやつでしょ?」

「アイドルが軽率に触れるんじゃないよ」

「友達にしかやらないよーん」

「女神だ……」

「これは絶対カットするなよ」










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黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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