表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/229

帰省 ④

 私が帰省したのは刺されるためでもなんでもなく、お盆だから。

 腹部の刺し傷を縫い、しばらくは過度な運動は避けるようにと言われた。もちろんSMクラブに行くのも禁止。なぜなのか。

 とりあえず緊急で動画とって安否について投稿しよう。


「父さん、今から動画とるからちょっと近づかないでね。豊と稔も」

「わかった!」

「ん」


 ということで、一室を使い、三脚にカメラを立てて、びしっとした格好に着替える。

 今SNS状では余計な心配をかけたからな。というか、ネットニュースにもはやなっている。昨日の今日だぞ。

 一面にじゅんぺー、妹に刺される!という見出し。警察の人が漏らしたんだろうななんて思いつつ、SNSではじゅんぺー死亡説だのなんだの出てるし、なんなら同業者から通知がやまず、卯月と美月からも連絡が来ている。

 なので、一応安否報告を動画という形でさせてもらう。


 私はカメラの電源を入れ、動画を回す。


「えー、皆様。ネットを騒がせてしまい申し訳ありませんでした。一応、無事です」


 とりあえずの謝罪。

 私は事の経緯、妹の殺害動機などなどを話していく。そして最後に。


「妹とは仲直りしましたし、もちろん、その妹に言われていたことを見て見ぬふりをしていた自分が一番悪いと思います。誠に申し訳ありませんでした」


 私は深々と頭を地面につける。

 一応、私にも遠からず要因があるものだし、始末は自分でしないといけない。私は動画のデータをノートパソコンに取り込み、軽く編集して動画サイトにアップした。

 

 そして、SNSでも自分が無事だということ、謝罪の動画をアップしたことを告げる。すぐにリツイートされ、いいねもされて、よかったと安どの声が聞こえてきた。


「さて……。あとは心配かけた人たちに返しの電話を……」


 なんで刺された身がこんな忙しくなるんだ。

 こんな仕打ち……。ちょっと気持ちいいじゃねえかこの野郎。私は興奮を覚えながらもマネージャーや所属事務所のしゃちょーにも連絡を入れる。


 そして、ひと段落が過ぎた後。


「潤ねえ、入っても大丈夫?」

「おう。やっと終わった……」


 疲れた。

 なんて思っていると、稔がなにやら外に行く格好をしていた。今の時間は夜の八時で、高校生が出歩くには少しばかり遅い時間帯だ。

 なにか頼み事でもあるのだろうか。


「潤ねえ、肝試しについてきて!」


 と、稔が頭を下げてきたのだった。

 私がなぜいかなくちゃと思っていたが、大人の同伴が必要か。なにかあったとき、未成年じゃどうにもできないし、かといってうちの父さんはビール飲んでるらしいから運転できないし、おじさんに関しては幽霊が大の苦手。

 私しかいないということか。


 稔たちはこの町の学校に通っているからな……。多分早くいかないと友達がということなんだろう。

 友達付き合い、大事。友達に誘われたのかな。肝試し。


「わかったよ。んじゃ、いくかー」


 私も肝試ししたいしな。








今更なんですがしばらく現実話つづきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ