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雷帝

 ギルドのリーダーとなってくれという頼みを受けた。

 なぜ私に……。私はそういうの受けない。リーダーとか、そういう上に立つのは嫌いなほうなんだよね。


「ちょっとソーダ! 駄目! この人は……」

「有名な配信者でもあるんだろ? お願いできないか」

「無理かな」


 無理だ。

 私はそういうの基本的にやらない。やるとしたら自発的にやるぐらいだ。私がギルドを開くとするならば、ギルドを開く利点とかを考えてからやる。


「ごめんね。せっかくのお誘い断って申し訳ないんだけど」

「いや、いい。ダメもとで頼んでみただけだし」


 そういって、二人も落ちてきた宝箱を開ける。

 私も宝箱を開けると、中に入っていたのは王冠だった。小さい王冠で、ミニシルクハットのように頭にちょこんと乗せるようなミニクラウン。

 私はこのミニクラウンを鑑定してみると。


《イヴァンクラウン(女性Ver) 雷帝がかつて使用していたクラウン。装備すると専用スキル:雷帝の裁きが使えるようになる》


 というものだった。

 専用スキル雷帝の裁き、ねぇ。

 私はどちらにせよ使えないが。防具は初期装備縛りだし、これは装備したら防御も上がるようなので防具といえるだろう。

 アクセサリーだったら着けられた。これは頭防具であるため、装備は縛り上無理。


「私雷帝の王杓ってのを手に入れました!」

「俺はローブだな。装備すると専用スキルが使用できるっつー」


 二人も雷帝に関するものだったらしい。

 雷帝がこの遺跡と何かかかわりがあるのかもしれない。


「まぁ、考えるのは後。私はちょっとまだやることあるからここで解散。じゃあね」

「あ、はい! ありがとうございました!」

「ありがとな」


 私は道を走って戻り、地下一階へ向かう。

 ヘキガマンを見つけ、ヘキガマンを倒す。ヘキガマンの絵の具を目的として来て、今日までだというので、早いとこ見つけないと。

 私はヘキガマンを三体ほど倒して、ようやく絵の具がドロップした。


 絵の具を持ち、クエスト依頼人のおばあさんのもとに向かう。


「はい、絵の具」

「とってきてくれたんか! ありがとなぁ。少ないけどこれお礼じゃ」


 そういって、袋に包まれたお金を手渡してきた。

 中身はざっと五千ゴル。まぁまぁ、相場よりちょっと多い程度の金額だろう。ヘキガマンはまだ全然低ランクの魔物だろうし。

 私はクエストも達成して、ボスも討伐したということもあって、少しばかり疲労しているようだった。仕方ないのでゲームは今日はここまでとしよう。

 無理はよくない。


 私は現実世界に戻ったのだった。

 現実世界に戻ったかと思うと、ピンポーンとチャイムが鳴る。一階の玄関に私に何か用事の人が来たようだ。


「はーい」

『お届け物でーす』

「あ、そこ置いておいてくださーい。取りに行きますー」


 宅配便?

 私何か頼んでいたかな。







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黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 雷帝の裁きっていつぞやの電脳少女が着けてたやつぅ?
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