イベントが終わって
どんなものにも終わりはやってくる。
『終了~~~~~!!! イベント制限時間が無くなったよ! なので、この時点で牢の外にいる逃げ役の皆さんの勝ち! 鬼は全員捕らえられなかったね! 一部で不正みたいなものもあったのは残念だったが……』
私のことか?
『その人には運営から強くお詫びをするとともに、少しだけお詫びの品として送りますよ。ではでは、まず生き延びた人たちの名前を挙げてくぜ!』
モニターに名前が映し出される。
私の名前も無事あった。生き延びた人たちが少ない。あと残り4人だったようだ。あれだけ参加しておいて、これだけしか生き延びなかったか。なかなかきつい鬼ごっこだったようだな……。
私は拳を天に掲げる。
「っしゃあ! 場所とかばらされても生き延びてやったぞゴラァ! 逆境で勝つのもまた燃えるぜ!」
私は喜びをかみしめていた。
アンチたちは悔しがっているだろうな。だって捕まえさせようと場所をばらしていたのに捕まらなかったもんな。
打ち勝った。私は今現在、誰よりも強い!
『生き延びた4人には、賞品を与えちゃうよーん! そして! 今回のイベントはこれで終わり! 皆さん、長い時間お疲れさまでした! 捕まっちゃった人たちもぜひ! 次のイベントに参加していただけると幸いです! では、転送!』
そういって、目の前の景色が移り変わる。
《賞品:鬼の双金棒を獲得しました》
《賞品:虹スキルの種を獲得しました》
鬼の双金棒と虹スキルの種。
なるほど……。結構豪華じゃないっすか。だけどちょっと体がおかしい。なんていうか、気力がなくなったからかもしれないが体が動かない。
私は確認しようとしたが、それは突然起きた。
一気に視界が変わる。
私は現実世界に引き戻されていたのだった。
「あぁん……?」
体がだるい。
私はベッドから起き上がろうとするとどうも頭がふらつき、倒れそうになってしまう。嫌な予感がする。
私はなんとか壁を伝い、棚にしまってあった体温計を取り出して脇に差す。
数秒が立ち、ピピピピッという機械質な音が鳴り響いていた。
「わお、39.8度。ものすごく重症じゃないっすか!」
ものすごく熱出してるじゃないですか。
私はしょうがないのでベッドに向かおうとした時だった。急に意識が遠のいていく。そしてそのまま、私は開いたままだった扉の角に頭をぶつけながら倒れてしまったのだった。
倒れてしまったが意識はまだある。が、体が動かない。なんか頭から生暖かいものが流れてきている気がする。
どうにか動け、鍛えてんだろ私の体よ。
目覚めよ私の体。動くんだ。
そうしていると、ピンポーンというインターホンが。
美春の声が聞こえる。
「くそ……。なんとかして……」
私はなんとかして体を動かし、そのままゆっくりと壁をつかみ何とか立ち上がり、玄関ホールを通す。
が、腕に力が入らず、足にも入らず、立っていた足の力が急に抜け、私は再び倒れてしまった。
「あぁ……」
「なんも言わずに通してくれるんだ。めずら……救急車ーーーーーーー!!!」




