表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
205/229

じゅんぺーさんってすごいです

あけましておめでとうございます。

 開始10分が経過した。

 私は牢屋エリアの様子を見に行くと、すでに何人かは捕まっている。


「も、もう捕まってる人多いですねぇ……」

「そうだねぇ。まぁ、助けてやるか」


 本気の本気で逃げるし、助ける。

 私は茂みをかき分け、監視の前に姿を現した。


「追いかけて来い!」


 と、挑発すると監視二人が走り出す。

 ものすごいスピードだ。とても逃げ切れそうにはない。が、私はタッチしようとする鬼の手を躱す。鬼ごっこはタッチされたらだめだということ。追いつかれる程度じゃ何の問題もないんだぜ。

 私は牢屋に近づき、鍵を錠穴に差した。鬼はこのカギに触れることができないらしいので、さしておいても何の問題もないだろう。


 が、解放はさせまいと、鬼は私をタッチしようと躍起になっている。


「あんた! 無茶だけはすんなよ!?」

「すげえ……躱し続けてる……」


 私は鍵をひねり解錠。


『捕まった人たちが解放されました』


 そういって、捕まっていた人たちがどこかしらに転移したのだった。まぁ、こっからやり直しだったらきついもんね。

 解放出来たらもう用事はない。

 鋼水の糸を近くの木に射出し、すぐに気の上に飛び乗った。そして、私はヴォナスのもとに急いで向かう。


「すっごい無茶しますね!?」

「これもゲームの醍醐味よ! あの二人は見張りだからそう遠くまで追いかけてこないと思うから、全力で遠くに逃げようか!」

「すっごい……」


 あの二人は牢屋から離れるわけにもいかないだろう。

 今は牢屋に誰もいないとしても、送られてくる可能性は十分あるわけだ。だとすると、長い時間空けてるわけにもいかないもんねぇ。

 私は全力で距離を取る。


「ここまでくればいいかな」


 私たちは気が付くと森を抜けて草原地帯にいた。

 草原地帯は岩のようなものはあるが、隠れる場所がほとんどない。隠れる場所がほとんどないということは、鬼がこちらを見つけやすいし、こちらも鬼を見つけやすい。

 注意力の勝負となるだろうな。


 周囲の警戒は怠らず。きちんと全方位警戒しておこう。


「じゅんぺーさんってすごいですねぇ」

「そんなすごいって呼ばれるほどじゃないよ」

「うちから見たらすごいです。自信満々で、人助けもして……。正義のヒーローみたい」

「そんな大層なものじゃないよ私って。自己満足でやってるだけだし」


 っと、誰か来る。

 私はヴォナスを庇うように立ちふさがった。が、来たのはプレイヤー。でも、走ってきているのを見るに……。


「逃げるぞ」

「え?」

「あのプレイヤー、私たちに鬼を押し付けるつもりでいる」


 このゲームで走っているというのはそういうことになるだろう。

 私はヴォナスの手を引き、全力で逃げだした。モンスタートレインというように、プレイヤーが全力でモンスターから逃げてヘイトをほかプレイヤーに擦り付けるというのもある。

 呆気にとられている私たちを遠くから見つけて擦り付けようと走ってきたんだろうな。甘いぜ。経験が違う。


 私たちは全力で逃げていると後ろから「なんで逃げるんだよボケがぁあああああ!!」と叫び声が聞こえて振り返ると鬼に捕まっていた。

 鬼はこちらに気づいていないので、早いとこ逃げてしまおうか。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


黒猫は眠らない
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ