サンキチの武器練習
翌日、私は噴水広場の前で待機していた。
「わりー! 遅くなったー!」
「サンキチ。やっときた」
サンキチ……もとい三吉 洟。
居酒屋店主でおとといに戦いを教えてくれといわれた。
「仕込みしてたらちょっと遅くなって。わりーわりー」
「気にしないでいいよ。待たされるのも好きだし」
待ちぼうけ食らうのも興奮する。
「よし、それじゃ、いこー! 私に戦いを教えてくれー!」
「まず自分の武器はなに?」
「大剣!」
大剣か。
使ったことないからそこまでわからないけど。だけどまぁ、一通り触れておく必要があるし大剣もこの前のガチャで出たしな。
私は武器を大剣に変えて、魔物が出る平原に向かう。
「大剣は一撃一撃が重いからうまく立ち回る必要がある」
「ほうほう」
「隙をものすごくさらすからね」
私は大剣を振ってみる。
大振りで、威力は出るが、隙だらけ。基本的に大剣は相手の隙を伺いつつ攻撃に転じるという方向になるだろう。
また、大剣の特徴としてはガードができる。でかい剣なので盾の代わりにもなったりする。
「今魔物と相手するから見ててね」
私は適当な魔物に石ころをぶつける。
魔物は怒ってこちらに突進してきた。私は大剣を大きく振りかぶり、そのまま振り下ろす。魔物は地面にたたきつけられ、そのまま倒れたのだった。
大剣はやっぱり重い。素早く攻撃できないから双剣と全く違う戦い方になるな。
「とまぁ、こういう風に相手のタイミングとか見計らって攻撃する結構高難易度な武器だよ」
「ほへぇ……」
「試しに戦ってみたら?」
「そーしてみる」
サンキチは大剣を構え、敵の攻撃を待つ。
私は魔物に石をぶん投げヘイトを買い、サンキチの後ろに回り込んだ。サンキチは今だといって振り下ろすが、当たらない。
タイミングがちょっと早いな。
「タイミングが早い」
「うーん。行けると思ったんだけどなぁ」
私は素手でモンスターを弾き飛ばす。
「さ、もう一度チャンスがあるぞ。今度はきちんと当てるんだよ」
「おっけー」
大剣を構えてタイミングを見計らうサンキチ。
モンスターが突進してきた。そして、サンキチは大剣を振り下ろす。振り下ろした大剣の重い一撃はモンスターにあたり、モンスターは一発で倒れたのだった。
「当たったぁ!」
「よし、その調子」
「今の感覚を大事に当てて行けばいいんだね」
「そうそう」
大剣がうまい人はそういうタイミングに感覚が優れているといえる。大剣は当てるタイミングが大事。もちろん、相手が怯んで隙をさらし続けたらタイミングなんてほとんど意味もないが。
隙をさらしたらダメなのは全武器共通で言えることだ。
「もっと練習しなきゃな……」
「今日はとことん付き合うよ」
今日は一日オフだからな。




