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【詩集】果てしない扉  作者: につき
穏やかな残酷
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終らない旅

15.3.5 推敲(5、6連目)

深い深い海の底を

大きな灰色の鯨が泳いでいく

鯨よ

体中の傷は

だれにつけられたのだ


わたしは鯨の灰色の脇腹を撫でる

何処までも続く傷跡の長い列

鯨よ

痛くはないのかい


遥か高い空を

大きな赤い鳥が飛んでいく

鳥よ

その鉤爪で

どれだけの傷をつけたのだ


わたしは赤い鳥の背中に乗ってみる

何処までも続く赤い羽毛の絨毯

鳥よ

寒くはないのかい


芽吹く準備をしている野を

長い緑色の蛇がうねっていく

蛇よ

その毒は

すぐ効くのかい


わたしは緑色の蛇を首に巻く

何処までも続く滑々の肌

蛇よ

眠たくはないのかい


ずきずきと痛む胸の奥を

一台の黒い列車が走っていく

列車の

窓に映る面影は

寂しい目をしている


わたしは列車へ乗る

何処までも続く葬儀の列

列車よ

そのレールは

何処まで軌かれている

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