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あたまとてとこころの関係
見たことのない
アーティストの曲を見に行くと
もうそこで一緒に混ざっている
訪れたことのない
美しい風景を見ても
すでにその中に浮かんでいる
聴いたことのない
豪華なオーケストラの演奏に目を開くと
ホールの天井に刺さっている
でも
わたしのマウスポインタは
時折 わたしを裏切って
どこかへ紛れてしまって
見ているものと挿しているものが違ってしまう
目では 色とりどりの花壇を見ながら
こころでは まだ卵のままの蝶が舞うのを追っていたり
ては 夜更けのベッドの上で寒さを感じながら
こころは 読みたての小説にほっこりとしていたりする
見ているような見ていないような
感じているような感じていないような
そんなてきとうな揺らぎ
あたまと てと こころは
きっと そんな関係になっていて
ときどきお互いを裏切ったり
支え合ったりするように出来ているのだろう




