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天職に支配されたこの異世界で  作者: 黒頭白尾@書籍化作業中


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第百三話 過剰戦力 あるいは最終兵器

お願いです!


現在更新中の「隻眼錬金剣士のやり直し奇譚-片目を奪われて廃業間際だと思われた奇人が全てを凌駕するまで-」が日刊ランキングでトップ5入り間近まで来ています。


自分で言うのもなんですが、そこまでランキングで来れているのでそれなりに面白いと思います。

なので少しでも興味がある方は読んでブックマークや評価をしてだけないでしょうか。


どうか宜しくお願い致します。

 殴り込む、トールは確かにそう言った。


「安心しろ。流石の俺も自分だけでどうにかできるとは思ってないさ」

「だ、だよな。さっきの言葉は戦力を揃えた上でって意味だよな」

「勿論だ。だから俺ともう一人が揃ったらカチコミだ」


 良かった、そこまで無謀ではなかったか……そう一瞬でも思った俺の思いを返して欲しい。


「いや無理だろ! いくらお前達、未知の世界(アンノウンワールド)のメンバーが強いと言っても二人だけでどうにかできるとは思えないぞ。それともそんなに聖人派の拠点てのは守りが薄いのか?」


 俺達が知らないだけでそういうものなのかと思ったがトールは首を横に振る。


「いや、腐ってもここら一帯の宗教関連を統べる教会の拠点だ。守りは堅い。俺だけならまず間違いなく撃退されるな」

「だったら!」

「だがもう一人が居れば問題ない。いや正確に言えば、そいつが居れば、だな」


 その唯一人で戦況をひっくり返せる存在の名をトールは俺達に告げてきた。


「俺達のリーダーである【完全無欠の最強最悪】ことカイン・シュバルツ。あいつを単体で止められる存在は世界中でも両手で数えられるくらいしかいないぞ。ちなみにお前達が出会った未知の世界(アンノウンワールド)のメンバー全員で挑んでもボコボコにされるくらいだからな」


 なんだそのバケモノは。


 今まで会って来たメンバーだって一癖も二癖もある奴ばかりだったし、目の前のトールのように圧倒的な戦闘能力を持つ奴だっている。


 そいつらが束になっても敵わないとか最早意味が分からない。


「それにお前にとっても奴の戦い方を見るのは良い経験になると思うぞ。なにせあいつはお前と同じ固有職を天職とする世界でも有数の存在だからな」


 『道先案内人(ガイド)』から与えられたものではない固有職。

 それが存在することは聞いていたが実際に遭遇したことはなかった。


 だが遂にそれを持つ奴と出会う時来たらしい。


「しかもあいつは天職を二つ持っているぞ」

「は?」

「言っておくがどっちも固有職で最大までレベルは上がってるからな」


 固有職の『弓神』及び『稀代の詐術師(トリックスター)』。


 その二つを天職として抱えている世界最強と称される一人。

 それがカイン・シュバルツという現在のクランリーダーだとトールは語る。


「本気になったあいつを止められるのは俺知る限りでは世界で一人だけだ」

「何だよ、そのバケモノは……ちなみにその止められる一人ってのは?」

「今はクランを脱退している元メンバーであり、クラン創設時のリーダーだった男だ。ああ、安心しろ。別に仲違いして辞めた訳じゃないからそいつと敵対することはないぞ」


 それはつまり未知の世界(アンノウンワールド)というクランには世界最強の二人がかつて揃っていたということではないだろうか。


 このクランの名が有名だったのも今にして思えば当然のことだろう。


「あの二人が揃っていた時は各方面で暴れまくっていたらしいからな。最終的には国家連合軍とかと戦争して勝利までしたって話だぞ」


 あまりに強過ぎて触れてはならない、もはやそういう扱いなのだとか。


(核爆弾かなにかかよ、そいつは)


 もはやそこまでいくと生物ではなく兵器ではないだろうか。


「それに早く行動しないと誘拐された奴の身が危険かもしれないぞ」

「……本当に大丈夫なんだな?」

「誓って本当だ。俺の命を掛けてもいいぞ」


 奴らの狙いが俺だと分かったが、それは人質となっているエストの身の安全が保障されるものではない。


 一刻も早くエストを助けなければ最悪の事態も考えられる。

 それを防ぐためにはここは手段を選んでいる場合ではなかった。


「分かった、信じるよ」

「ああ、むしろ存分に期待しておけ。固有職を極めた存在がどれほど強くなれるのかを見れるいい機会だからな」


 その言葉は紛れもない事実だった。

 いやむしろそんな言葉では全く表現し切れていないと言えるほどの過剰戦力である。


 そのことを俺はすぐに思い知らされることになるのだった。

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