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23話 鞍馬山探検1

次こそ探検です。





 係の人が天狗の人に聞いてもらうまでの間、俺と静久は施設に併設されている喫茶店にきた。この喫茶店は京都だけあって、長椅子に日傘を差したスタイルだ。近くには景色を楽しむために作られた日本庭園まで用意されている。

 俺は静久と一緒に長椅子に座りながら、注文したお団子とお茶を楽しむ。


「綺麗ですね」

「ああ、そうだな」


 お団子を食べつつ日本庭園の景色を楽しみつつ、これからのことを話していく。


「このお茶美味しいですね。買って帰りますか?」

「買って帰るか。後はお土産に草団子と八つ橋とかだな」

「お土産がないと怒りそうですしね」

「だな。しかし、機械系が駄目だと困るな。腕と足はどうなるか心配だ」

「ですね。こればかりは私達ではどうしようもありません。まあ、考えてもどうしようもありません。それよりも、今日の晩御飯はどうしましょうか?」

「山菜とか取れれば鍋でもいいんだがな……」


 互いに団子を食べてから、お茶を飲みつつまったりとして日本庭園を見学している。とりとめない話しをしていると、静久がこてんと頭を預けてくる。そちらをみると、温かい陽気に眠くなったようだ。


「寝るのなら、膝枕をしようか?」

「お願いしていいですか?」

「わかった。なら、少し移動しよう」

「きゃっ」


 静久をお姫様抱っこで抱き上げて、御座が引かれている場所に移動する。そちらは個人用みたいな場所なので、靴を脱いでそちらに座る。静久の靴も脱がせて、彼女を膝枕しながら頭を撫でていく。


「うぅ、これは……恥ずかしいです……」

「気にしない気にしない」


 庭園をみながら、ゆっくりとしていると次第に静久は眠りだした。そのまま待っていると、向こうから職員が歩いてくる。彼の後ろには天狗の人も一緒だ。


「お待たせしました。おや、眠ってらっしゃいますね……」

「お構いなく。用があるのは俺だけですから」

「わかりました。こちらの方が今回派遣されてきた天狗さんです」

「よろしく。それで腕と足のことだが、見せてくれ」

「こちらになります」


 腕と足をみせると、天狗の人は俺の腕や足をペタペタと触ってくる。他にも叩いて確認してくる。それから少しして、結論がでたようだ。


「結論がでた。防具として認める。ただし、内蔵武器などは認められない。籠手などとしての使用のみ許可する」

「ありがとうございます。使わせていただきます」

「では、こちらが受験に関する資料です」

「はい」

「では、我は菓子を買って帰る」

「かしこまりました」


 天狗の人は菓子を買いにいき、係の人も戻っていった。俺は腕時計を確認してから、このまま待つことにする。


「静久、起きてくれ」

「ふふぁ……おはゃぉ、ございますぅ……寝ちゃいましたが……係りの人、きましたか……?」


 静久が目を擦りながら、膝から身体を起こしてくる。背中を支えながら聞いてくるので、教えていく。


「ああ、来たよ。一応、防具扱いで許可をもらえたから、問題なくいける」

「それは良かったです。それなら、今から試験ですね」

「その試験がもうすぐはじまるから、行こう」

「はい。はやめに行って試験勉強をしましょう」

「それがいいな」


 二人で試験会場に移動し、試験勉強を行っていく。試験自体は教えられたことばかりだ。ただ、絶対に忘れてはいけないことがでている。持ち込み禁止の武器や道具の種類や危険なモンスターについての知識がメインだ。

 モンスターに関してはその生態から、弱点や剥ぎ取り方法までしっかりと書かなければいけない。しかも、チームではなく個人で合格しないといけない。ただ、何度も受けられるが、問題は四択などではなくて、全て自分で書かなくてはいけないので覚えていないとアウトだ。

 俺も静久と復習をしていなかったらアウトだった。だが、不思議と自分でも記憶力がよくなっているのがわかる。思ったよりも詳しく覚えていたのだ。


「先輩はどうでしたか?」

「合格した。静久はどうだ?」

「私も合格です。これで二人共、いけますね」

「そうだな」

「では、帰りますか?」

「いや、少し聞きたいことがある」

「なんでしょうか?」

「武器に関してだ。俺達は錬金術師だ。武器を強化できるし、道具の持ち込みに関しても追加できかないといけない」

「そうですね。ポーションも聞かないといけませんし、二人でいきましょう」


 二人で教官の人に話をしてみる。ポーションに関しては小瓶ではなく、木や竹でできた水筒に入れるのなら問題ないとのことだ。武器に関しては指定の武器を強化するのなら、大丈夫らしい。


「どうやら可能らしいので、錬金術師は錬金術師らしく戦いましょう」

「そうだな。それがいい。何も他の人に合わせる必要がない」


 基礎訓練は必要だが、死ぬと終わりなんだから安全面を確保するためにも強化して、俗に言う+装備にしてから挑むべきだ。戦闘技術を養うのはその後でいい。

 というわけで、今日はダンジョンアタックを止めて観光しよう。嵐山の渡月橋を渡って、トロッコに乗って保津川下りをやる。他にも色々と楽しめるところはあるので、回ってみることにする。



 デート観光をしてから家に戻り、買ってきた和服と武器、足袋などを魔石を使って強化していく。俺達でもちゃんといけるのを確認してから、鞍馬山に他の皆も連れていこうと思う。まあ、なずなちゃんは存在そのものがアウトだが。

 静久にはポーションをお願いし、武器の強化が終われば竹を取ってきて水筒を作っていく。いい大きさに切ってから、中身をくり貫いて蓋代わりのとこに穴を開けて栓を付ける。密閉力はたいしたことはないが、持ち込めるかどうかで全然違うからだ。販売するのもありかもしれない。

 一応、ヴォルフやセラの分も準備していく。続いて矢を用意する。こちらはホーミング性能を付ける矢と普通の矢を作る。ホーミングといっても、先ずは目標となる目印を相手に打ち込まないといけない欠陥品だが、それでもかなり使える。なのでそちらを量産しておく、

 全て強化すると、オークの魔石がほぼなくなった。補充はしたいが、であいたくない。








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