三人で遊園地に行こう
「杏菜、大丈夫……?」
僕は肩を軽くぽんぽんして、杏菜に声をかけた。
「へん……へんたい! 人の前で胸が大きいだのどうの言うなばかあ!」
ぼかぼか、ぽん!
「ぽん」は、空のプラスチックコップでたたかれた音。いい音したな。
元気ありまくり。顔が赤いままだから少し心配だけど。
「ごめん……でもよかった回復してそうで」
「杏菜さん、ごめんなさい。音読聞いてもらってるのにその音読でこんなことをしてしまって」
杏菜は、僕には「もぅ……この変態ばか幼馴染……」と顔だけで表現して、妹には優しく微笑んだ。
あ、実は寛容なお姉さんタイプだったのかな。
「ううん。明奈、さびしかったんだね。私も気持ちわかるなぁ」
「え?」
妹は小三らしい、幼い声をあげて驚いた。
「私、一人っ子だし、親が共働きだから。小さい頃は一人で寂しかったことが多かったんだよね」
「……」
「あ、でもね、時々ピーンポーンってしてくれるお隣さんがいてね」
「それお兄ちゃん……」
「まあその話はいいや! ねえ、明日は三人で行こうよ。遊園地」
「そうだな。そうしよう」
「え、でも……二人はデートだよ」
「大丈夫だって。そもそもな。杏菜はここにいる。明奈もここにいる。みんな一緒だ。遊園地は遠くにある。だから、みんなで行こう」
僕は妹に言った。杏菜と二人でデートに、僕は浮かれてしまっていた。僕は杏菜に支えられて、妹にも支えられてきたんだ。今きちんと、僕はそれを実感した。
「……うん!」
妹の顔が、遊園地の夜のイルミネーションのように輝いた。
「よし、じゃあみんなで計画を立てるぞ」
僕はテーブルの上の幼馴染ざまぁの小説をどかして、机いっぱいに遊園地のマップを広げた。
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