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悪徳領主ルドルフの華麗なる日常  作者: 増田匠見(旧master1415)


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悪党三人組の華麗なる受難は続く(後編)

活動報告にも記載致しましたが、設定を一部変更しました(^_^;)

悪党三人組の借金の期日が、『一週間』から『一ヶ月』となります。


あと、前話の大幅な修正の予定はなくなりました(;・∀・)


 静かな空気に包まれた中で、椅子に座ったまま時が過ぎるのを待つ。


 今、俺達がいるのは、パウロさんの自宅。

 あの後、フレデリカを保護した俺達は、当初の予定通りパウロさんの家まで行く事にした。

 パウロさんの嫁さんに薬を届けたかったのと、気が動転しているフレデリカを落ち着かせたかったのと、状況について考える時間が欲しかったなど、理由は色々だ。


 野盗達は、縄で縛ったまま放置しておいた。

 取り敢えず、『黒麒麟』の仕業に見せ掛けた手紙を、詰所に放り込んどいたので、今頃は牢屋の中にいる事だろう。


「薬が効いたようで、良く眠っています。もう大丈夫そうです」


 パウロさんが寝室から顔を出し、居間へと戻ってきた。

 先程まで、嫁さんに薬を飲ませていたのだ。

 薬は病気の特効薬だったらしく、無事に容態は安定したようだ。

 パウロさんも、何処かホッとしたような表情を浮かべている。


「皆さん、取り敢えずお茶でも淹れますね。小腹も空いているでしょうから、軽くつまめる物も用意します」


「あっ、じゃあ私も手伝いますね」


 パウロさんが厨房に向かおうとし、フレデリカもその後を追う。

 パウロの嫁さんはフレデリカの叔母であり、家族ぐるみで付き合いがあるそうだ。

 フレデリカも、勝手知ったる何とやらで、態度に遠慮のような物は見られない。


 正直な所、ここ数日は保存食ばかりだったので、温かい食事は非常にありがたい。


 さて、待っている時間を利用して、ネズミの持ってる情報を整理しておこうか。

 ネズミの能力は、あまり他人には知られたくないため、二人が離れているのは好都合だ。


「おいネズミ、野盗と護衛がグルってどういうこったよ?」


 パウロさんとフレデリカが談笑しているのを横目に、俺はネズミと密談を行う。


「それがッスね、あの護衛達、盗賊に襲われる事を知ってたみたいなんッスよ」


「あん?護衛なら、襲撃を想定する事ぐらい当たり前だろ?」


「違うッス。あの護衛達、大人数の襲撃があるのを始めから知ってて、逃げる事まで前もって打ち合わせていたッス」


 って事は何か?元々、野盗にフレデリカを引き渡す気だったって事か?


「それなんッスけど、野盗達は野盗達で、護衛が逃げた後に馬車の人物を始末するように指令を受けてたッス」


 こいつ、今、ナチュラルに思考を読みやがったな?

 やめろって、いつも言ってるだろうが。


「そんな事よりも、ちゃんと話を聞いて欲しいッス!殺しの指令を受けてるって事は、野盗達は、闇ギルドの一員って事ッスよ!!」


「はぁ?なんで、小娘一人のために闇ギルドが出張ってくるんだよ!?」


 闇ギルドと言えば、金さえ払えば後ろ暗い事でもやってのける、王国の暗部だ。

 当然ながら大金が必要になるため、一般人が手を出す事は難しいはずだ。


「さすがにそこまでは読めなかったッス。だけど、護衛の方はどこかの貴族に雇われたようで、逃げた後にその事を報告するらしかったッス」


 だが、貴族が関わっているとなれば話は別だ。

 貴族ならば、闇ギルドへの伝手があってもおかしくはなく、大金を用意する事も容易い。


「で、どこかの貴族ってどこだよ?」


「いや、それがッスね…………」


「貴族がフレデリカを!?ザックさん、それはどういう事ですか!?」


 準備が整ったのか、いつの間にか、パウロさんが背後に立っており、会話の一部が聞こえてしまったようだ。


「えっ!?それはだな……その……だな…………」


 いや、そんな事を言わても、俺も今さっき話を聞いた所で、何が何やら分からねぇ。


「……たぶん、私が原因です」


 俺がパウロさんに詰め寄られ言葉に詰まっていると、フレデリカがぽつりと呟いた。


「フレデリカ、何か心当たりがあるのですか?」


「パウロさん、今まで黙っていてごめんなさい。実は…………」


 それから、フレデリカの告白が始まった。


 事の始まりは、半年ほど前に、フレデリカの母が病気で亡くなった事だそうだ。


 元々フレデリカは、生まれた時から父親の顔を知らず、母からは父は既に亡くなったと聞かされていた。

 だが、母が息を引き取る間際、父が本当は生きており、どこかの貴族であるという事を伝えられたのだ。

 ダイヤが幾つもあしらわれたペンダントを、その証として。


 当然、フレデリカは話半分に聞いていた。

 もし本当に父親が貴族だったとしても、成人してからしばらく経つのにも関わらず、音沙汰がないという事は、父親はフレデリカを貴族の一員として迎え入れるつもりがないという事。

 フレデリカは、これからも平民として生きていくのだと思い、その事は、恋人以外には伝えておらず、ペンダントも母の形見の品くらいにしか思っていなかったのだ。

 だが、つい先日、貴族の使いを名乗る男達が家に押し掛け、身柄を拘束されたのだと言う。


 なるほど、これは厄介事と言うより、何かの陰謀に巻き込まれたようだ。

 護衛だと思われた男達は貴族の手先。

 馬車を襲った野盗達は、闇ギルドの所属。

 そして、その二つが共謀して、貴族の落し胤であるフレデリカを闇に葬ろうとしている。


「そんな!?貴族がフレデリカの命を狙っているなんて、そんなのどうすれば…………」


 相手が貴族だとするなら、その権力に対して、平民である自分達に為す術は無い。

 今回は、たまたまフレデリカを救出する事ができたが、それも一時的な物。

 時間を置けば、再び何らかの手を打って来る事は想像するに容易い。

 それも、今回以上の手段を取ってくるに違いない。


 現状の悪さを再認識し、皆の空気が重くなる。


 ……けっ、気に入らねぇな。

 貴族だか何だか知らねぇが、他人の人生を好き勝手にするようなクソ野郎の言いなりになるのは癪だ。


「兄貴だって『黒麒麟』の言いなりッスよね?」


 ほっとけ!俺はいいんだよ、俺は!!

『黒麒麟』は別格なんだからいいだろ。

 アイツは、貴族でも下手に手を出せねぇぐらいの、大物じゃねえか!?

 俺だって怖えぇんだよ!


「……えっ、ザックさん達って、ルドルフ様の関係者だったんですか!?」


 ネズミの言葉を聞いたフレデリカが、驚いたように声を上げる。


「え?あぁ、まぁ関係者と言えば関係者、かな?」


 何てったって、金貨一千枚もの借金で命を握られているんだ。

 死刑囚と処刑人のような間柄だと言っても過言ではない。


「お願いです。どうか、どうかルドルフ様のご助力を頂けないでしょうか!?」


 そう言うとフレデリカは、頭を、床に擦り付けんばかりの勢いで下げ始めた。


「フレデリカ!?違うんですよ、ザックさん達は……」


「お願いです!今、私は死ぬ訳にはいかないんです!!」


 パウロさんが勘違いを正そうとするも、フレデリカは話を聞かず、必死の形相で懇願してくる。

 まるで、それが最後の望みであるかのように。


「お、落ち付けって!違うんだよ、そんな風にされても『黒麒麟』は………………いや、待てよ?」


 ふと、一つの案が脳裏に閃いた。


 別に、『黒麒麟』に直接任せなくてもいいんじゃねぇか?


「ファーゼスト領まで逃げ込んじまえば後は……」


 もし、ファーゼスト領まで行く事ができたなら、そこはもう『黒麒麟』のテリトリー。

 もしもフレデリカに手を出そうとする奴らがいても、あの『黒麒麟』が、自身の領地で悪事を行われるのを良しとするはずがねぇ。

 貴族の陰謀なんかも『黒麒麟』に押し付けてしまえばいい。


 考えてみると、意外と悪い案じゃなさそうだ。


「……見知らぬ土地で生活する事になるが、大丈夫か?」


 幸いと言っていいかどうか分からないが、フレデリカに家族はおらず、身動きは取り易い。

 親戚のパウロ夫妻も隣の領地に住んでいるため、支援を行う事も不可能じゃない。


「…………構いません。ただ、ダグラスに、一言別れを告げてもいいですか?」


 フレデリカは少し間をおいて、吐き出すように答えた。


「ダグラス?……あぁ、恋人か。駄目だ、時間が経てば追手がやって来るかもしれねぇ」


「……はい」


 フレデリカは辛そうに唇を噛んだ。


「そんな顔すんなって、後で手紙でも書いて、パウロさんに渡してもらいな」


「そう、ですね」


 二度と会えないって訳でもねぇんだから、今は、命が助かる事だけを考えるべきだ。


「それじゃあ、決まりだ!食事を取ったら、すぐにでも出発するぞ。なぁに、金ならあるんだ、必要な物は向こうでを揃えればいい」


 今後の方針は決まった。

 後は新たな追手が来る前に、逃げ切る事ができるかどうかの、時間との勝負だ。


 それから俺達は、用意した食事を平らげると、休息もそこそこにファーゼスト領まで、とんぼ返りをする事にした。


 片道、約二日間。

 道程は順調そのもので、何事もなくファーゼスト・フロントの街並みが見えてくる。

 あの街に入ってしまえば、そこから先は辺境の地。

 かの『黒麒麟』が治める領地の中では、他の貴族や闇ギルドも、大きな動きはできないはずだ。


 あともう少し。


「そこの馬車よ、止まれ!!」


 だが、ファーゼストの入口を目前にして、俺達は貴族の一団によって、足を止められる事になる。


 運命を司る何かの嘲笑うような声が、どこからともなく聞こえてくるような気がした。


>作者少々迷走中

実際に言ってみると、難しかったwww


御柱「しゃくしゃ、少々、めいしょう中!」


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