第062話 藍連祭の幕開け
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「お兄ちゃんおはよう。」
「珍しいなこんな時間に起きて。俺は文化祭だけど、中学は休みだろ?」
「何言ってんの?そんなの当たり前じゃん。早起きしたのは、私も藍連祭行くからだよ。」
それはちょっとやめていただきたい。
妹にも、俺が舞台に出ることになったのは伝えてある。
つまり、確実に梨乃は俺の舞台を見ようとするだろう。
相手が全くの赤の他人であるならば、演技にも集中出来る。
一変して観客が親族に変われば、演技どころの話じゃない。
「一応確認なんだけど、別に舞台の方は観に来ないよな。」
「何言ってんのお兄ちゃん。それがメインまであるでしょ。」
分かって聞いてみたけど、本当に来る様だ。
この避けようのない未来を変えようとどうにか足掻いてみることに。
「そういえば、何か欲しい物あるとか言ってたよな?確かネックレスだったかな?アレ買ってやろうか?」
「そんなの自分で貯金して買うよ。それにお兄ちゃんバカにする為じゃなくて、お母さんからカメラに残しておくよう指示されたから行くの。」
両親の名前を出されたらどうしようもない。
何度も言う様に親は共働きでほとんど家にはいないほど忙しい。
それこそ子供の頃は恨みに思うほどだった。
今となっては、子供二人を育てる為だと分かり足を向けて寝れない。
兎にも角にも、親も子供の成長は見たいらしく兄妹同士で成長の様子を残しておくようにと指示されることも多い。
今回もそういう理由で撮りに来るんだと主張している妹の前では来るなとは言いづらい。
「あっ!それとみんなにも会いたいしね!」
このみんなというのは恐らく凛、華、神崎、物部とかのことだろ。
俺が学校の話を迫られる時は、大体その四人について聞きたがる。
果ては、同じ学校に入学しようかなとまで言い出すのだから不安だ。
学力で言えば、梨乃は余裕で合格出来る。
というより、出来てしまう。
だからこそ、同じ学校になってしまえば俺の家での行いまで筒抜けになってしまいそうで恐い。
「それとお兄ちゃんはもっと自信持ちなよ。」
「何の自信だよ。」
「全体的にだけど、今回は舞台のこと。あんなに毎日遅くまで、可愛い妹を家で一人にしても、頑張って来たんだから。」
「ちょっと文句が入ってたぞ今。でも、ありがとうな。ちっとは気合入ってきた。」
「えぇーこんなに妹が褒めてるのにちょっとだけなの?褒め損かも。」
「口に出して言うな褒め損とか。それより飯食おうぜ、早くしないと俺学校遅刻するから。」
冷蔵庫から予め作ってあった朝食を取り出す。
今日は母が作り置きしてくれていたのだ。
忙しいのに朝食まで作ってくれるなんてありがたい。
ラップに包まれた目玉焼きとベーコン、ウィンナーを電子レンジで温め直して、妹の入れてくれたコーヒーと一緒に楽しむ。
どれだけ時間がない朝でも朝食だけは、しっかりと摂らないといけない。
それが俺の流儀だからな。
時刻は七時三十分。
着替えるのにいくら時間が掛からないとはいえ、そろそろ家を出ないと本当に間に合うなくなる。
そもそも、藍連祭本番のである今日はみんな早くに集まって準備とかしているのではなかろうか。
普段は全くもっていらない機能だと思うクラスのメッセージグループも、こういう時に限っては俺も入れてもえば良かったと後悔する。
いや、冷静になるんだ俺。
入れてもらったは良いものの最初の挨拶で、誰からも返信が返ってこないとかいう地獄を味わうよりマシだろ。
「お兄ちゃん〜!早く学校行かなくて良いの〜?」
一階にいる妹の呼び掛けで現実に思考が戻ってくる。
バタバタと準備を済ませて、そのまま玄関を飛び出した。
「いってらっしゃーい!」
妹の見送りを背に学校へ。
道中は、いつもの道より人が多い。
やはり、土日というのはこれほど人が多くなるものなのか。
電車通学している生徒はこれよりも大変なのだと考えると恐ろしい。
「おはよう。相変わらず、眠そうな顔してるな陽太。」
「華か。眠そうな顔なのは俺のアイデンティティだから、覚えておいてくれ。」
「それにしても、なんか久しぶりに会った気分。」
互いに忙しくて、部活にもあまり顔を出していない。
出せたとしてもタイミングが被ることがなかったので、会話をするのは久しぶりだ。
別に遠い世界に居たわけでもないのに不思議な感覚だな。
「今日は思う存分楽しもうぜ。まだ後二年あるとしても、最初の藍連祭は今回だけなんだし。」
「良いこと言っているように見せかけて、めっちゃ普通のこと言ってないそれ?」
「いいか?こういう時は、あえて流れに乗ってくれるのも大人の対応ってやつだぞ。」
「アタシまだ子供だから分かんないや。」
久しぶりに並んで通う登校時間。
なんだかんだ話は途切れる事なく続く。
そして、学校にあと少しで着くとなった瞬間、華は立ち止まった。
「どうしたんだよいきなり。」
「アタシ、知ってるんだ。」
「知ってるって何を?」
「陽太がアタシ達の為に色々と動いてくれてること。」
なんでそれを華が知ってるんだ。
なるべく本人達には伝わらないようにと注意して来たのに。
それにその事知ってるのは限られたごく僅かの人間だ。
アイツらがわざわざ本人に伝えるような真似をするとは思えない。
勘付いて鎌でも掛けてきているのか?
「何のことだが、俺にはサッパリ分からないけど。」
「知らない振りなんてしなくて良いっての。鬼龍院がアタシの所にも来た。宣戦布告って言ってね。」
「知ってたのか。なら隠す必要も無さそうだな。鬼龍院が俺の前に来て、綺麗な花火を見せてやるって。」
その言葉を聞いて、顔が険しくなる華。
「やっぱりそうだったのか。隠してると思ってたけど、本当だったなんてな。」
「えっ!?聞いてたんじゃないのか!」
「鎌掛けた。そうでもしないと話そうとしないでしょ。」
おいおい、俺ってこんなに簡単に引っかかるのか?
自分の中で注意しようとしてたはずなのに。
華の騙し方も上手すぎる。
あんなに何事も無かったように会話されたら騙されるだろ普通は。
「今の聞かなかったことにしてくれ。」
「無理に決まってんでしょ。アタシのことを勝手に背負い込まないでくれ。」
「でも、それだと華はどうなる。」
「分かってる。勝手に消えたりなんてしないっての。もちろん、困った時は真っ先に陽太を頼る。だからこそ、背負わないでくれよ。二人で持ったら楽になるだろ。」
全てを話した。
蛇龍門の動きは、華の想像よりも派手に動いてたらしい。
これ以上、俺達を巻き込まないように因縁はここで晴らすと息巻いている。
鬼龍院の事は本人に任せるとして、俺は校内にあるはずの落とし物を探すことに専念しよう。
「分かっていると思うけど、敢えてもう一度言う。華が消えて悲しむ奴がこの学校には存在する。そのことだけは忘れんなよ。」
「分かってるっての。消えない為に戦うんだから。」
蛇龍門と戦う理由はたった一つ。
華と鬼龍院の因縁を終わらせて、華への固執を辞めさせること。
今日で終わるとは思わないが、やられっぱなしではないと知らしめないとな。
「最強のカードも用意したから安心してくれ。」
作戦は既に進行している。
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