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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第055話 空気が悪い時は逃げるのが一番

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

俺達のクラスは順調に準備を進めている。

役者組では足を引っ張っている俺も少しずつマシになっているようだ。

それでもまだ俺が一番下手なのは事実。

練習以外の時も台本を何度も見た。

乗り気じゃなかったはずなのに演技の楽しさに魅入られてしまった気分だ。


「調子はどうだ陽太。」


差し入れらしく人数分の飲み物を配る真。

こういう気配りが出来るから憎めないんだよ。


「ボチボチって感じだ。真達の音響組は?」


「全くもって暇だね。音響の確認は、まずそっちがある程度形にならないとなんともって感じだからな。」


「それもそうか。俺なんかよりお前が舞台立った方が良かったんじゃないのか?」


「いやいや、この俺が野獣役では勿体無いだろ?」


「その発言、この飲み物の感謝と相殺で。」


すぐに調子乗るなコイツは。

まぁ、今はその空気もありがたい。


演技のレベルは少しずつ向上して来たが、それに伴い張り詰めた空気が蔓延していた。

より良い物を。

みんなで同じ方向を向いているはずなのに、心はバラバラだ。

意見交流の時間も増えて来た。

要求ばかり増え、どれから手を付ければ良いのやら。


「ここのセリフ、少し変えないか?その方がリアルな心情を出せる。」


「ちょっと待ってくれよ!僕、セリフを覚えたばかりなんだけど。」


「台本はこのままで行くべきです。作ってくれた人にリスペクトの意味も込めて。」


委員長の言っていることが正しい。

この台本は元の話を参考にしているとはいえ、クラスメイトが一から作り上げた物だ。

それもたった二日で。

これ程の文章を作り上げるのは大変だったはずだ。

それを変えるのは気分が良いとは思えないな。


「いやいやいや、俺から直接話しつけるって。多分、二つ返事でオッケーしてくれるぜ?」


「てか、案出してる御城責めるのおかしくない?」


言葉だけ聞けば御城は積極的に意見を出し、俺達はただ傍観者であり続ける奴らだ。

どちらが本気で文化祭に取り組んでいるように見えるかは言うまでもない。

ただ、要望をすぐ口に出せば通る訳ではない。

ましてや、少し考えれば分かるようなことを案として出されるのは意見交流の質を下げる。


「他の奴、案出して見なさいよ。」


俺はスッと手を挙げる。

まさか手を挙げると思ってなかったのか、浅間はグッと睨みつけて来た。


「何?まともな意見でしょうね。」


「俺達が今目指すのは、より良くじゃなくて、全て台本通りに一通りこなすことじゃないか?確かに御城が案を出してくれているのは有り難いが、全体を一通り出来るようになってからの方が良いだろ。」


土台が無ければ、柱は上手く立たない。

工夫を加えるのは、基礎が完璧になってからで良いだろう。


俺の意見に賛同する声は多い。

俺の元々の評価があるからか皆声を大にしては言わないけど。

コソコソと話すのは気分が悪い。

例え、それが賞賛であったとしてもだ。

本人の耳に入ら無ければ、賞賛も陰口も大して変わらない。

捻くれ者の俺の考えだけどな。


「クソッ!なんだよ!俺が悪者かよ。」


自分の思い描いた通りに行かない御城は憤りを感じたらしい。

そのまま勢い良く教室を飛び出して行った。

三、四人の生徒が連れ戻す為に教室を出ていく。

幸い文化祭に向けての準備中なので、教室の外を彷徨いていても教師に怒られることはないだろう。


「最初から思ってたけど、ちょっと自分勝手だよな御城。」


「本当本当。あんまり目を付けられたくないから好き勝手やらせてるけど。」


「勘弁してほしいぜー全く。」


いなくなったと同時に悪口大会の開催だ。

本人の前で言えるはずもないので、このタイミングで御城が教室を出たのは彼らにとって好都合だったらしい。

相手の機嫌を損ねないようにしているのは良いとして、それならずっと心の中に留めておいて欲しい。


「今日の練習はどうする?一旦中止にするか?」


「え、えぇ、そうですね。このままの再開は厳しいと思うので、個人で台本を覚えるなり、演技を見直すなりしましょう。」


委員長は指示を出したのち、廊下へと出て行った。

御城の方へ向かったようだな。

舞台組の絆というのは最早皆無。

それぞれが周囲の様子を伺って、自分の保身に走る。

決して誰からも煙たがられないように、無駄な動きを避け、その場に留まり互いを監視している状況が続く。


なんかこの場にいるのも馬鹿馬鹿しく思って来た。

とりあえず、この場から離れればどこでも良い。


「どこ行くんだ?練習しなくて良いのか?」


「この感じじゃ練習って気持ちにもならないだろ。散歩でもしようかなって。」


「んじゃー、俺もー!」


「ウチも行く。華ちゃんのクラスを見たいし。」


その言葉を聞いてなのか、完全に解散し始めた。

携帯を弄る者や、それこそ廊下に出る者まで様々。

きっかけがあればこうも容易く動き出すのか。


それはさて置き、今は他のクラスの偵察(という名目だけど本当は暇つぶし)に行くか。


まずはC組、華がいるクラスだ。

隣だし、凛が強く推してきたからな。

確か出し物は浦島太郎って言ってたけど、高校生がアレンジを加えるとどれくらいの仕上がりになるのだろうか。


「あっ、見て見て陽太くん。あそこに凛ちゃんいるよ!おーい!」


こちらに気付いた凛は控えながらに手を振替してくれる。

近くに人がいないのを見ると、どうやら一人で作業をしているようだ。

側に行ってみると作業中てあるパネルのような物が近くに置いてあった。


「作業中だったか?」


「大丈夫。アタシ一人に任せる仕事なんて、そう難しいことはないから。」


「にしても美味いねー!こりゃ驚いた。」


真が感心して見ているパネルの絵は綺麗な海岸が描かれていた。

浦島太郎には必須級の背景ではあるけど、ここまでリアルな物が出来ているとは。


「まさか、これ凛が描いたのか?」


「アタシが描いたら意外ってか?」


「・・・いや。」


「否定するなら目を逸らすなよ。」


正直に言えば意外だ。

人は見かけによらないと言うが、まさにこの事。


「綺麗な絵!すごいよ凛ちゃん!」


「好きなんだ、こういうの。柄でもないって分かってるから普段は見せないんだけどな。アタシも藍連祭で舞い上がっちゃてんのかも。」


「良いじゃないの楽しんでも。イベントは楽しんだもん勝ちみたいなところあるし。」


「ぷっ、それ陽太が言うと説得力ねーな。」


「ぶっ飛ばすぞ真。人が折角良いこと言ってんのに。」


そんなこと俺が一番理解してるっての。


それでも華や凛が楽しそうにしているのを見ると嬉しい。

彼女達が経験して来た過去の事を考えると尚更に。


「そっちはどんな感じだ?演技してる奴らも上手く行ってそうか?」


「なるほどね。こっちの状況を調べに来たんだ。」


「当たり〜!ウチのクラスが上手くいってないから、他のクラスはどうかなと思って。」


「あぁー、ダメダメ星海さん。ライバルに情報与えちゃ。」


「そっちは大変そう見たいだけど、こっちは順調だよ。当日楽しみにしといてよ。」


満面の笑みで言葉を返す華。


どうやら、C組の完成度は既に高いようだ。

やるからには、どのクラスにも負けたくないと思っていたが今のままではまずいかもな。

ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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