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そのお悩み、”恋愛支援部”が解決します  作者: 風野唄


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第054話 双乱の兆し

誤字脱字や文章の下手さについてはご了承下さい。投稿予定時間になるべく投稿できるようにします。

よければ、評価とブクマ等していただければ幸いです。

あの事を本人に伝えるべきだろう。

華からの連絡で部室に凛がいないことは分かった。

それなら、彼女は今どこにいる。

何か悪い予感がして、校舎を走り回る。

悪い予感に限って当たってしまいそうで怖いからな。


走り回って結果、部室棟一階のトイレ横で蹲っているのを見つけた。

見つけた彼女は、何度も鼻をすすっている。

顔こそは見えないけど泣いているのだろう。


「大丈夫か凛。」


いつものような元気は感じられず、弱々しくも顔を上げている。

涙を沢山流したのか目が赤い。


「・・・陽太さん?」


何でこうも俺は無力なのだろうか。

彼女を安心させてあげられる言葉の一つも思い浮かばない。

ただ、彼女を一人にさせることは出来ないので隣に座る事に。

時間が解決するとは思わないが、今は何もない時間があっても良い。


それにしてもトイレの横で泣いてるとはな。

今はまだ御城のことは伝えない方が良いのかも知れない。

来る前にクラスの女子を見かけた。

それも御城のことを好きなアイツだ。

泣いてる理由は恐らく。


「泣いてる理由はトイレで悪口言われてるのでも聞いたか?」


「え?なんで?」


おいおい嘘だろ。

そんな幼稚なことする奴がこの学校にいたのかよ。

どうやって入試受かったのか知りたいね。


「マジなの?今、当てた本人が一番驚いてる。だって、そんなの漫画かドラマの中だけって相場が決まってるだろ?」


「ふふふっ!確かにそうですね。」


あ、笑った。

俺の言葉に笑ってくれたのか。

くだらない事ばかり言ってる俺でも偶には役立つんだな。


さて、凛の調子も戻ったようなので少し振り返るか。

今回の文化祭は面倒な事になり始めている。

整理すると大きく二つ。


一つは、御城を中心とした問題だ。

これは至ってシンプルで複雑化することはない。

ただ、複雑な(もつ)れがないからと言って、個人における負担は少なくない。

特に凛にとってはな。


彼女は人よりメンタルが弱い。

人からの負の感情に強く怯える。

それが悪い事だとは言わない。

生まれ持ったもので簡単に変えられるものではないからな。

もしも、彼女に変われる点があるとするなら他者を頼る事だ。

信頼できる友達が凛にも既にいるはずだからな。


もう一つは不確かな事象。

起こるかさえも分からない。

だけど、確実に俺達の近くで動いている。

華を潰そうとしている蛇龍門の奴は。


あの時顔を見せたのは、気まぐれなんかではないはずだ。

落とし物をしたというのは何かを意味していたのか。

いや、そんな深い意味はないのかも知れない。


「ありがとう陽太くん。もう、大丈夫だから。」


「ちょっとばっかフレンドリーになってくれたな。」


「だって、泣いてる所見れちゃったから。涙のこと内緒にね?」


「当たり前だ。今日のことは秘密にしておく。」


誰にも言う必要性がないからな。

凛の件に関しては慎重に動かないといけない。

場合によっては凛の高校生活を大きく変えることとなるだろう。

それだけは、それだけは絶対に阻止しなければ。


「今日はこの後どうするんだ?俺は部活行くけど。」


「こんなに腫れた目で行ったら泣いたってバレちゃうから帰るね。心配してくれてる華ちゃんからはウチから連絡しておく。」


「気をつけて帰れよ。」


俺は彼女を見送る。

本来であるならは家まで送ってやるのが良いのかも知れない。

だけど、今の彼女はそこまでしなくても大丈夫な気がする。

少しずつ強くなっているような気が。


「良いのですか?傷付いた一人の少女を放っておいて。」


凛との会話で気付かなかったがいつの間に背後にいた鬼龍院。

声を聞いただけで、反射的に距離を取った。

バトル漫画のラスボスかよコイツは。


「アンタが何かちょっかい出すなら話変わってくるな。」


「いえいえ、私は醜い物が嫌いなのでそんな卑怯な手は使いませんよ。」


「なら何のようだ。アンタと楽しく雑談って気分にはなれなくてな。」


「文化祭。薔薇姫にとっても思い出に残る日ですよね。」


やっぱり何かあるのか。

何故そこまで華に固執する。

もう闇から退いた人間だぞ。


「落とし物が何か思い出したんですよ。」


「なんだったんだ。」


「綺麗な花火が当日に見れると良いですね。」


「どう言う意味だ!」


振り向くと一人じゃなかった。

もう一人護衛を用意していたのか。

顔すらも見たことのない男に腹を殴られて、鬼龍院がその場から立ち去るのを見ておくことしか出来なかった。


ここで俺の特異体質・殴られ慣れが発動して良かった。

本来なら気絶してしまうレベルだろ。


あの最後の言葉。

どういう意味だ。

まさか、ドラマのように花火は隠語で爆弾を?

そんなことを一高校生がするのか?


クソッ!痛みで考えが纏まらない。

とりあえず、階段を登る。

俺まで部活休んだら、絶対心配すんだろ華は。

今は何も無かったように振る舞え。

彼女は何も知らなくて良い、俺がどうにかするから。


痛みを我慢しながらもなんとか部室の前まで来た。

ここから先はいつも通りに振る舞うと決めている。

制服に汚れてがついていないことを確認してから、扉を開けた。


「お疲れ様でーす。」


部室には華だけがいた。

誰も来ないと思っていたからなのか、ソファーに完全に身を任せて寝転がっている。


「遅い。何してたの?」


「ちょっとな。それより先輩達は?」


「今日は文化祭の準備を優先するから来れないってよ。」


「なんか悪いな待たせて。」


「大丈夫。ゆっくりしてただけだから。」


俺も荷物を下ろして、ソファーに座る。

今は安静にしておきたいので助かった。


「華のクラスは準備どんな感じ?」


二人きりなのに会話がないのも寂しいので、とりあえず無難な話題を振る。


「どんな感じって言われてもなぁー。そこまで進んでないかな。裏方は何すれば良いのかって感じ。」


「衣装とかどうすんだ?借りるのか?」


「レンタルするんだってよ。ほら、こんな衣装とかを。」


携帯で写真を見せる為に俺の横に座る。

見せられた写真の中には、沢山の衣装が載せられていた。

やはり、素人が一から作るよりも断然作りが良く本格的だ。

自分のクラスの裏方がどうやって進めているのか分からないが、他のクラスに負けたくないのであれば相当のクオリティーが求められそうだ。


「せっかくなら華も舞台に出れば良かったのに。」


「アタシが役者希望したら、確実に亀いじめる村の子供役でしょ。」


「いじめるって言うより、使役してそうだけどな。」


「なんか言った?」


「いえ、何も。」


こんな感じで会話を続ける。

もしかしたら、鬼龍院が華と接触している可能性も考慮していたが、話した感じだとその様子は見受けられない。

いつも通りの華って感じだ。


華と凛。

どちらも抱えている問題が大きい。

俺は文化祭でそのどちらも解決しなければならない。

身体は一つしかないので、誰かを頼るべきだ。

しかし、頼るべき相手は慎重に選ばないと。


準備期間は長く感じるかも知れないが気が付けばあっという間に終わっているはずだ。

既に問題だらけの文化祭まで残り三週間。

果たして、誰もが笑って楽しかったと言える文化祭になるのだろうか。


ご覧いただきありがとうございました!

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毎日22時から23時半投稿予定!

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