第040話 蛇龍門という組織
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「じゃあ、単刀直入に言おう。蛇龍門が動き出した。」
「蛇龍門?なんだそれ、厨二病か何か?」
「真剣に話を聞け。姉御にとっては大事なことなんだよ。」
華とその蛇龍門にどんな関係があるのか。
今後の為に知っておくのも悪くない。
「蛇龍門が何か分からないからな。真剣にって言われても。」
「まずそこからだったな。蛇龍門って言うのは、チームの名前だ。昔、姉御が作ったチームもそこに吸収されてる。」
「んで?その蛇龍門が何始めようっての?」
「薔薇姫狩りだ。まだ、姉御についての情報を集めている段階だが、早ければ夏休みのタイミング、遅くとも二学期中には。」
薔薇姫狩りとは物騒な響きだな。
チームということは、複数人の人間が華を狙っていると言うことか。
いくら華が強いとはいえ、もしも不意打ちや十人以上を相手することになれば勝ち目はないだろう。
事の重大性は理解した。
いつどこで華が危険な目に会うか分からないことも。
だが、それを伝えるということは華の邪魔をすることにもなる。
きっと、楽しい高校生活から一転、蛇龍門という余計な存在が頭を支配するだろう。
そして、一人で抱え込んで誰も傷付けない為に一人で戦おうとする。
それを分かっていながら伝えることは出来ない。
「伝えたら華がどうなるかくらい分かってんだろ。」
「おい!また、呼び捨てで姉御を呼びやがって!」
「良いから答えろよ。」
「分かってる。だから、姉御をこっちに引き渡せ。」
「こっち?お前の元にか。」
「・・・。俺は蛇龍門の幹部だ。話を付ければ、きっと無事に生きれる。」
ついに正体を表したか。
コイツ自身が蛇龍門とかいう、いかにも危なそうな奴らの幹部だったとはな。
華のことを心配しているように見せてチームに引き抜くのが目的か?
「自分で何を言ってるのか分かってるのか?」
「蛇龍門が姉御を狙ってるのは、自分の手元に残さないから牙を剥く前に抜いておこうという理由だ。」
「だから、チームに引き入れたいってか。笑わせんな。」
「何?」
「そもそも蛇龍門の幹部と名乗るお前の話に信憑性が無いし、仮に本当だったしてもお前らの世界に華の幸せはねーよ。」
俺の言葉を聞いて怒りを露わにする天竹。
ついには胸ぐら掴んで睨み付けてくる。
「いいか、お前には分からないかも知れないが遊びじゃねーんだよ。姉御が助かる為にはこれしかねーんだ。」
力は込められているが、俺には痛いと感じない。
この痛みに屈してしまえば、もっと痛みを伴う奴がいる。
ぐっと堪えて、時が過ぎるのを待つ。
「ちょっと乱暴が過ぎますよ天竹君。」
「・・・鬼龍院。」
「私の方が年上なのですから、さん付けをしてくれないと困りますよ。」
鬼龍院雅。
ついさっき、知り合ったばかりの女子生徒と偶然ここでも遭遇したのか。
いや、偶然なんかではない。
跡を付けられていたのかもな。
「まさか、蛇龍門の人間だったんですね。」
「あら、先程言いそびれてしまいましたかね?」
「全く持って聞いてなかったですよ。」
「これはこれは失礼致しました。私、蛇龍門のトップを務めさせてもらってます。」
何かしらの関係性はあると感じたが、まさか一番上だったとは。
名前からしてトップは、ムキムキのゴリラみたいな男かと思っていた。
だけど、これはラッキーなのかも知れない。
脳筋タイプじゃなくて話は出来るタイプだから、お願いすれば華を襲うのをやめてくれるかも知れない。
「あぁ、薔薇姫のことはしっかりと本人に伝えてくださいね。私、一度狙った獲物は逃がさないタイプですから、必ず会いに行きますと。」
片手で蛇の口を模した形を作り、ウネウネと俺の顔まで近付ける。
そして、完全に目の前へ来た瞬間、噛み付く様な仕草を見せた。
何も知らなければ可愛くも見えたかも知れないが、今の俺は狩られる獲物と同じ気持ち。
「どうしても止められないんですね。」
「歯車は既に動き始めましたから。」
それだけを言い残して、店を後にしていく鬼龍院。
ただの息抜きのつもりがこんなことになるなんて。
だけど、知ってしまった以上は俺も部外者という訳にはいかない。
一番の問題は、本人に伝えるかどうかだ。
どちらの選択を取っても華が苦しむことになる。
「ご馳走さん。コイツの分まで置いておくから。」
「おい待て、勝手に借り作るなよ。」
本当にそのまま帰って行きやがった。
好き勝手荒らすだけ荒らして満足したのか?
伸び切ったラーメンを啜りながら考えに耽る。
どうすることが華にとって最善なのか。
携帯で何度も送る文を作っては、消す作業を繰り返す。
「随分と大変そうなことに巻き込まれてんな。」
店主が俺に話し掛けて来た。
一人でずっといると気が滅入りそうだったので、話し掛けてくれて助かる。
それと一つ店主にも文句を言わないといけないからな。
「全然良い奴じゃなかったですよ天竹。」
「あははは!あいつはいつも素直じゃねーからなー。敵ばっか作っちまうんだよ。」
「もし仮に良い奴だとしてもそれじゃあ意味ないですね。」
「それを決めるのは、おめぇーさんの目と耳と直感だからな。そう思うなら今はそうだ。」
今はも何もこれから先も変わることはないだろう。
敵を作る行動に意味があるはずがない。
そうは思うが、店主の言葉で天竹が何を考えているのか少し知りたくなった。
どうして人に嫌われながらも華のことを心配しているのか。
俺の考えだけでは測れない何かが存在するのかも知れない。
ただ、第三者の俺にとっては無関係な話だ。
覚悟を決めてメッセージを送る。
蛇龍門という組織が動き出したこと。
敵のトップは同じ学校の三年生であること。
俺に思い付く限りの情報を全て。
何度も何度も見返してから送信すると、一分も経たない内に返信が来る。
『やっぱり変な奴ら動いてるのかー。まぁ、気にしないで。』
気にしないでって、それはちょっと無理があるだろ。
ここまで事情を知れば他人事ではない。
メッセージで本当に大丈夫なのか問い正す。
もちろん、大丈夫だと返ってくるのは分かっているがそう送るしかなかった。
案の定、大丈夫だってさ。
まぁいい、そっちが隠すならこちらも隠すしかないだろう。
暴力には自信ないけど、出来る限りの手は尽くす。
今日はその一歩だ。
「おやじさん、天竹とは仲良いんですか?」
「アイツの親父と仲良くてな。龍坊が膝ぐらいの身長の時から知ってるぜ。」
「なら、天竹の電話番号とか分かります?アイツ、一方的に要件押し付けて帰りやがったんで、文句の一つくらい言ってやらないと。」
「おうおう、良いぜ良いぜ。昔から一匹狼気取ってたアイツが心配だったんだけど、ついに友達とはなぁー。泣けちまうぜ。」
決してそんな関係になろうという訳じゃない。
ただ、自分から蛇龍門の幹部だと名乗ったから利用してやろうと思っただけだ。
佐倉陽太十ヶ条その二『利用できるものはなんでも使え』だ。
華のことを助けてやりたい気持ちは同じ。
ならば、俺にだって協力してもらわないと話にならない。
平穏な学園生活の水面下で動き出す怪しい集団。
波乱を巻き起こすことになるのは、言うまでもなく。
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