第037話 運には自信ありますから
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「さて、腹も膨れたことだし、昼寝でもするかー。」
「何言ってんだ。ここからはまた勉強の時間に戻るんだろうが。」
「嫌だー、もう十分と言って良い程しただろー。」
気持ちは分からないでもないが、勉強に終わりはない。
どれだけ自分と戦ったかによって点数は異なる。
ここまでで良いだろうと言う甘い気持ちが点数を落とすことに繋がるのだ。
真っ先に文句を言って来た真は、危うい点数を取ってばかりなので一番勉強するべきだろ。
やる気を失った真を無理矢理二階へ連れて行き、勉強を再開することに。
「ほら、ぐだぐだしてないでやるぞ。」
「分かってるけどさぁー。」
「じゃあ、せめて後二時間だ。それだけ勉強したらゲームでもするか。」
「マジか!おっしゃーやる気出て来たー!」
「私の彼氏ってこんなに単純だったの?心配になって来たんだけど。」
今に始まったことじゃないだろ。
最早、それが長所まである。
二時間後という終了時間が設けられたのが、相当効いたのか真含めて俺達の集中力は午前中と比べ物にならないほどに。
限られた時間の中で、どれだけテスト範囲の内容を覚えるか。
今はそれ以外、頭に入らない。
俺が午後から取り組んでいる教科は英語。
無限と思える単語の羅列を必死に目に焼き付ける。
日本語のように、ひらがな、カタカナ、漢字と複数の種類を使い分ける訳でもないのに、どうしても覚えることができない。
外国人は、ペラペラとコレを喋るのだから不思議な物だ。
単語でこれだけ苦戦しているのに、英文となると覚えることは更に増える。
毎回テストで赤点を取らなかったのは奇跡だったと思う。
しかし、不思議と今回も赤点を取らないとは思っているが、念には念をと言う先人の教えに従っておくことにした。
チリーンチリーン
誰かのアラームが鳴り響く。
もう二時間が経ったのか。
集中しすぎて、時間経過が早く感じてしまったな。
学校の授業もこれだけ早く感じてくれれば楽で良いんだけど。
「ふー、終わったー!」
「意外と真も最後まで集中してたな。俺はてっきり途中で投げ出すのかと。」
「失礼ねー、真はやる時はやる男なのよ。」
「そうだ、そうだ!」
それで良いのか?
褒めているのか分からないだろ、そのフォロー。
「みんな頑張ってたと思うよ。これだけ頑張れば、中間考査の点数も楽しみだね。」
「もう絢音大好き!」
ガバッと神崎に抱き付く物部。
勢いがありすぎ二人とも倒れ込んでいる。
別に見てはいけないものでも無いが、俺の脳が目を背けておけと警告が。
「コホンッ・・・。イチャイチャしているところ悪いが、ここ俺の部屋なんで控えてもらっていいか?」
「何よ、羨ましいの?ちょっとだけなら絢音貸してあげるけど。」
言いながらも絢音を俺の方へ押している。
こう言う時にどんな反応をすれば正解か分からないから困るな。
「さて、真。下にでも行ってゲームするか。」
「あ、逃げた。」
「うっせ。逃げたとかじゃなくて、そのー、あれだ。めっちゃゲームしたい気分なんだ。」
とりあえず一階のリビングへ直行。
すぐさま、家庭用ゲーム機の電源を入れソフトを選ぶ。
ちょっと前までは、ゲームソフトをわざわざ取り出してゲーム機に入れる作業があったが、今ではほとんどダウンロードが主流だ。
中古という概念がないから、何でもかんでも安くなることはないのが唯一の欠点だと思う。
その分、現実に物が増えないし、無くさないという大きなメリットもあるんだけど。
「んで、何するの結局。」
「いつもなら二人対戦のやつするんだけど、物部と神崎がいるからな。パーティーゲームの方が良いだろ。」
「となれば、あれしかないよな。」
俺の代わりに慣れた手つきでゲームを選ぶと、タイトル画面が表示される。
それと同時に上から二人も降りて来たみたいだ。
「わぁー!これって『みんなでスゴロク』じゃーん!懐かしーい!」
「私でもやったことあるゲームだ!」
みんスゴはお年寄りから子供まで幅広い年齢層に楽しんでもらえるパーティーゲームだ。
ゴールまでにお金を多く持っていれば勝ちという人生ゲーム方式が採用されている。
ただ、それだけで人気が出るほどゲームは甘くない。
このゲーム一番の目玉システムは、途中で他の人と入れ替わるかどうかのルーレットが挟まれる。
つまりは、いつでもどこでも逆転のチャンスがあるのだ。
あのハラハラドキドキはいつ味わっても盛り上がる。
「ふふふ、このゲームで私に勝とうなんて百年早いのよ!」
「どういう人生歩んだら、運ゲーでここまでマウント取れるんだよ。」
「私は今まで一度も負けたことないんだから。」
「本当なのか?運が良いタイプには見えないけど。」
「このゲームが強いかどうかは知らないけど、風香の運は相当だぞ。コンビニとかに置いてあるくじ一回でA賞取るし。」
それは素直に羨ましいかも知れない。
たまにそういう運の良い人がいるのは耳にするが、実際に近くにいるとはな。
ちょっとだけ物部の評価を見直すことにしよう。
それと同時に、このゲームの厳しさを教えてやらねばならない。
運がどれだけあるかなど関係なく、計算されつくした緻密な作戦で勝つのだ。
「じゃあ、スタート!」
神崎の既に楽しそうな掛け声と共にスゴロクは始まった。
序盤は運が良いと豪語するだけあって、物部が圧勝していく。
俺も金だけはあるが、隣の真が死ぬほど借金を作り始めたので所持金入れ替えが心配になって来た。
「えっ!えぇー!嘘嘘!」
ここで真と物部の所持金が入れ替わる。
カップル同士で潰し合いになっているのを見ると、後で気まずくならないか心配だ。
まぁ、午前中までのいちゃつき様を見ていれば、こんなことで喧嘩になるとは思えないけど。
「真が借金ばっかりするからー!」
「ほら、夫婦の資金は共有だと思ってくれればさ。あは、あはは。」
「尚更、ダメに決まってんでしょ!」
・・・仲直りは後でしてくれよ?
後半戦も勿論色々あったが、結論から言うと勝ったのは神崎だった。
後少しで俺が優勝というところで、借金まみれの二人の連帯保証人になるクソイベントが。
案の定、二人は夜逃げして俺が払う羽目に。
あれがなければ絶対に勝てたっての。
「やったー!!勝った、勝ったよ!」
神崎が楽しそうにしているし、良しとしておくか。
「せっかく勝ったんだし何かお願い事でもしてみたら?」
「えっ?お願い事?」
急な無茶振りに困惑の表情を見せる。
普段は自分から何かして欲しいと言うタイプじゃないので、いきなり言われても思い付かないのだろう。
物部も無茶振りしてしまったことに気付いて、あたふたとし始める。
「あ!そうだ!・・・また、みんなでこうやって遊びたいな。」
なんとも神崎らしいお願いだ。
誰かが傷付くこともなく、平和に終わる解決策。
それに、しっかりと案を出したことで物部の罪悪感も減るだろう。
「絶対集まろうねー!本当に絢音大好き!」
「みんなの前で抱き付かれたら照れるよー!」
二人のスキンシップを見ていると気付いたら帰宅時間になっていた。
どうして女性同士はスキンシップが多めなのだろう。
全く解明出来そうにないが、男同士では全くいらないなという結論に至った。
「「「バイバイー!」」」
「お前らちゃんと勉強しろよー。」
三人が帰る姿を見送った。
最近は、休日でさえ誰かと一緒にいることが多くなった。
高校に入る前はぼっちとして生きていくことを決めたのに。
ただ、実際経験してみると誰かが近くにいるというのも悪くないと思えた。
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