第036話 料理の秘訣は愛
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「これなんか良いんじゃない?」
「どれどれ。」
真が見せて来たのは、たこ焼きの粉。
前に家族でパーティーをした時の余り物だ。
当分はたこ焼きを作らないだろうから、食材は沢山余っているのを消費できるのは有難い。
だけど、今から始めるとなると意外と準備に時間が掛かる。
というか、主役であるタコは生鮮食品なので余っていないしな。
「一応聞くけど、たこ焼きよりもパーティーがしたいのが本音じゃないだろうな?」
「ソンナコトナイヨー」
「しょうがないなー真!真の彼女としてここは頑張ろうかなー!」
「いやいやいや!待って風香!俺、風香とお喋りして待ってたいな〜!」
「何よ、急に甘えん坊になって。友達の前ではやめてくれない?」
友達の前で無かったとしてもやめてくれ。
なんとなく想像してしまったじゃねーかよ。
夢とかに出て来てうなされたら責任取れるのか?
ここまで真が焦っている理由を考えれば、許してやらないこともないが。
キッチンに行こうとしていた物部は、かなりと言って良い程料理が下手なのである。
去年のバレンタインで真が死にかけているのを間近で見ていた。
料理を作られてしまったら、もちろん彼氏として完食するらしいが、普段は料理をさせないように細心の注意を払っているようだ。
俺の家でもあるのでどうにかして料理をやめさせたいところ。
ここは彼氏の真に全てを託す。
物部の近くへ行き、俺と神崎に聞こえない声で何か話をしている。
何を言って料理する気満々の彼女を諦めさせるのか興味はあったが、わざわざ近付いて盗み聴くまではない。
「何話してるんだろうね。」
「あいつらはほっといて準備しようぜ。」
「えっ!?手伝ってくれるの?」
「朝食も作ってもらってるんだから、食材切るとかぐらいは手伝わせてくれよ。」
俺は普段から料理をする人間ではないが、包丁くらいは危なげなく扱えるので安心して欲しい。
「じゃあ、任せようかな!えーっと、なるべく余ってそうな食材で作るならっと。」
冷蔵庫を開けて何が残っていたかを確認する。
一通り見た後に冷蔵庫を閉め、メニューを考え始めた。
何をどれだけ使ってくれても構わないのにと思うが、流石に友達の家の物を適当に使うなんてこと出来ないか。
「朝食のあまりでポトフを作って、追加でオムライス作ろうかな。」
「オムライスなら俺にでも作れそうだな。」
「本当〜?一皿くらい挑戦してみる?」
「うーーん・・・。せっかくだし、そうするか。」
「じゃあ、まずは。」
ここから神崎の指示に従いながら料理がスタートする。
手伝いとは言っても、俺はほとんど完成しているポトフの係に任命された。
ジャーマンポテトと切った野菜を鍋に入れ、オリーブオイルを引いてさっと炒める。
そこへ水を投入して、コンソメ等で味を整えたら完成だ。
時間にしてみると五分もしないで終わったな。
「うまそー!」
「じゃあ、私もポトフ練習してみようかな。」
「風香には私がしっかり教えてあげるからね。」
「ありがとう絢音!やっぱり持つべきものは親友よね!」
「・・・本当にありがとう絢音さん。」
二人の感謝がそれぞれ別の意味なのが面白い。
まぁ、彼女の手料理が食べられるだけ有難いと思うんだな。
「じゃあ、こっちも手伝ってくれる?」
チキンライスが盛り付けられた皿とボウルに入った溶き卵が用意されている。
後はフライパンで焼くだけのようだ。
オムライスの中で一番見栄えに影響する工程をやるのか。
焦げ付かないようにすれば味に問題はないだろうけど心配だ。
「よっと。あれ?意外と思ったようにまとまらないな。」
「落ち着いて、今からでも修正効くと思うから。」
「・・・。もうダメみたいだな。」
焦げついたとかではないんだけど、半熟ふわとろのオムライスをイメージしてた俺にとっては失敗だった。
上に乗せて包丁で切るのは叶わない夢らしい。
とりあえず、後三個作らないと行けないのでチキンライスの上に乗せておくことに。
「じゃあ、洗い物しておくから後は任せた。」
「お言葉に甘えて洗い物任せちゃうね。」
お言葉に甘えるも何も、本来客人である立場の人に料理を作ってもらってるだけでも有難い。
加えて、洗い物までさせるなんて人としてどうかと思うからな。
それに普段、食器とかを洗うのは俺の担当だから慣れたもんだ。
「かんせーい!」
俺が洗い物を終えたと同時に横で三つのオムライスが完全していた。
俺のイメージしていた店とかで出るふわとろの奴じゃないか。
「おいしそー!さすが絢音、料理で右に出る者はいないよ!」
「褒めすぎだよ風香。ちょっとだけ、家の手伝いとかしてるだけ。」
謙遜にも程があるな。
将来、料理人になりたいことは梨乃以外に言ってないのだろうか。
親友の物部にも言っていないのは気になるが、妹は人の懐に入るのが上手いタイプだから偶々聞いてしまったのかも知れない。
もし、何か理由があってまだ言えないのだとしたら、俺から言うのは野暮なので黙っておこう。
それよりも今はオムライスだ。
神崎のやつと一緒に俺のを並べられると、より一層悪目立ちするな。
決して味には問題ないんだ、そこだけは保証させてくれ。
「じゃあ、後はこっちで準備するから席に座っといて。」
「え?それは流石に悪いだろ。俺も最後まで手伝うよ。」
「良いから良いから!」
強引に背中を押されてキッチンから出される。
何か隠し味に入れたりでもするのだろうか。
完成まで見ていたい自分もいるが、大人しく席に座っておこう。
「お待たせーー!お腹空いたよね?」
「お腹空いたよー。でも、待てば待つだけ美味いからね料理は。」
「はい、どうぞ!」
「あ、ちょっと待て。そっちが俺の作ったやつだぞ。」
俺に配られたオムライスは神崎が作った物だった。
真、物部も同様に神崎が作った物なので、俺のは神崎が持っていることになる。
確かに味は変わらないと言ったが、食べるなら見た目が良い方だろ。
「良いの。自分で作ったの自分で食べるのもなんかつまらないし。他の人から感想聞けた方が楽しいじゃん。」
そこまで言われるなら感謝しながらいただこう。
「「「「いただきます!」」」」
さて、最初はオムライスから。
ケチャップが掛かっているところを選んで食べる。
一口、入れただけでもトロトロの半熟が口の中全体に広がる。
卵特有の甘さとチキンライスがマッチしてスプーンが止まらない。
「これ、美味しすぎるな。何度でも食べたいくらい。」
「本当!嬉しいなぁー!」
「陽太が作ったポトフも美味いぞ。意外と料理とか出来るんだな。」
「いや、それほとんど作ってあったやつだからな。功績は全て神崎のもんだろ。」
「佐倉、そこは素直に受け取るべきでしょ。私には遠く及ばないけどね。」
どの口が言ってんだ。
それとも俺に自信を持たせる為にわざと言ってんのか?
だとしたら、めちゃくちゃ良い奴なんだろうけど多分違うな。
昼飯も兼ねた休憩はいつものような雑談で時間が過ぎて行った。
ちなみに、内容は中間考査の点数勝負をしようと言う話だったが、言い出した真が勝てないことに気付き無かったことになっていった。
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