第034話 初めて聞きましたけど
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ピーンポーン
土曜日の朝十時頃。
家のインターホンが鳴った。
誰が来たのかはモニターを確認しなくても分かる。
連絡が来たのは昨日の話だからな。
しかし、まだ服を着替えてはいない。
それどころか起きたのは、このインターホンがなる数秒前の出来事。
脳が正常に働いていないのは言うまでもなく。
別に見られても問題ない相手なので、寝巻きのまま玄関に向かおうとすると、勢いよく飛び出して来た妹に止められる。
「・・・お兄ちゃん。絢音お姉ちゃん来てるのに、その格好はまずいよ。私が出るからさっさと着替えて来て。」
実の兄のことを愚かな者へ向ける目で見るんじゃない。
「んじゃ、頼んだわ。」
眠気も取れてくると妹の言う通り、流石にこの格好はまずい気がして来た。
部屋に戻って外着とまではないが、近くのコンビニくらいなら行ける格好に着替える。
人には会うが外に出るわけではないので問題はないだろ。
「ちょっとお兄ちゃんー!いつまで着替えてるの?」
一階から大きな声で俺を呼ぶ。
休日だっていうのに家でも休まることが出来ないなんて不幸だ。
まぁ、客人を待たせるのも悪いのでリビングに降りる。
ん?なんだ?
リビングの扉を開けた瞬間に、美味しそうな匂いが鼻を抜ける。
妹が朝食でも作ってくれているのかと思ったが、そんなに気が利く奴じゃない。
どちらかといえば、作ってもらおうとする側の人間だし。
「遅いよお兄ちゃん!」
そうやって声を掛けた梨乃はしっかりと着席している。
つまり、この匂いを生み出している人の正体は神崎だけということになる。
「おはよう陽太。休日だからって朝起きるの遅いんじゃない?朝ご飯まだって聞いて、簡単なもの作ってるから待ってて。」
「なんか悪いな。勉強する為に来たのに料理なんかさせちゃって。」
「これも絢音お姉ちゃんにとっては勉強の一つだもんねー!」
「ちょっと梨乃ちゃーん!ダメダメ!」
「料理人でもなるのか?」
「そうそう!!!そっちの道も悪くないかなって!」
必死な形相で俺に詰め寄ってくる。
些か顔が近い気もするが、よっぽど料理に掛かる熱い想いがあるのかそんなことはお構い無しだ。
一俺は否定したつもりは無かったので、肩を掴み距離を取らせる。
そして、冷静に一言。
「味噌汁の火付けっぱなしだぞ。」
「あぁ!危ない危ない!」
慌ててキッチンに戻る神崎の様子を見て、本当に料理人なれるのかと心配になる。
火から目を離すとか絶対にタブーだろ。
とにかく、腕には自信はあるようだし温かいご飯を食べられるだけありがたい。
「はい、どうぞ。」
「簡単な物って言ってなかったか?」
テーブルに置かれたのは、ご飯と味噌汁に加えて、目玉焼きとジャーマンポテトまで付いてきた。
俺の家は朝早くに両親は仕事へ、梨乃も料理を好き好んでやる人間ではない。
だからこそ、朝からこんなに美味しそうな料理を出されたら感動する。
食べなくても美味しいのは確定しているな。
「さぁ、みんなで食べまよ!」
どうやら、梨乃と神崎も朝食を食べるらしい。
テーブルに座って手を合わせる。
「「「いただきます。」」」
まずは味噌汁から。
音を立てないように慎重に啜る。
それと同時に程良い塩分が体内に染み渡った。
「ああ゛。味噌汁一つとっても美味い。」
「お兄ちゃん、それオッサン臭いからやめてよー。お父さんみたいじゃん。」
お父さんみたいじゃんって、遠回しに父親をディスるのはやめてやれ。
汗水垂らしてお金稼いで来てるんだから。
妹の反抗期についてはさておき、ジャーマンポテトでも食べようかな。
ピーンポーン
箸をつけようとした瞬間にインターホンが鳴る。
誰だ俺の朝食を邪魔する奴は。
・・・本当に誰なんだ?
今日は神崎としか予定を入れていない。
可能性としてあり得るのは宅配業者くらいか。
そうであるならば急がなければと思いモニターを見ると全く違った。
「宗教の勧誘なら間に合ってます。」
『あ、えっ!?違う違・・・』
なんでも晒されてしまう時代に宗教の勧誘とは熱心な奴もいたもんだ。
さぁ、朝食の続きを。
ピーンポーン
さっき勧誘なら断ったんだけどな。
「だから、宗教の勧誘は・・・『俺だよ!柊真だよ!』
「なんだ。真だったのか。それならそうと言ってくれれば良かったのに。」
『最初から違うって分かってただろ。』
「悪かったって。それじゃあな。」
『じゃあな。』
なんだ真だったのか。
てっきり変な奴が押し掛けて来たのかと。
なんの用事が知らないけど、ノリで帰すことに成功したし正真正銘ジャーマンポテトをいただこう。
ピーンポーン
「お兄ちゃん、いじめてないでさっさと行ってあげたら?」
「梨乃が言うなら仕方ない。あいつも我が妹に感謝すべきだな。」
面倒だけど玄関の方へ。
鍵を開けて扉を開くとちょうど四回目のインターホンを鳴らそうとしている真と目が合った。
「普通は諦めると思うぞ。」
「いや、普通はパッと開けるだろ!」
「んで、何の用だ?今忙しいんだけど。」
「そんな訳ないだろ陽太なんだから。まぁ、続きは部屋に入ってからでも。」
それを言うのは俺の方だろと思っていると、その間にも勝手に家に入る真。
止めはしないんだけど、もっと遠慮というものを覚えた方が良いぞ。
「おっ、なんか良い匂いしない?」
匂いに釣られてリビングへ直行する。
やはり、美味しそうな匂いに人は釣られてしまうのだろう。
「お邪魔しまーす!って、綾音さんじゃーん!何してんの?」
「今日は陽太と勉強する予定で来たんだよ。」
「おっ!奇遇だね!ちょうど俺も陽太から勉強を教わろうかと。」
「お前とは約束した覚えはないぞ。」
「良いじゃかよ減るもんじゃないし。一人で勉強するのは退屈すぎる。」
正論を言わせてもらうと時間は減るぞ。
神崎を呼んだ手前言うのは控えるが、友達と勉強するよりも一人で勉強した方が確実に捗る。
なんなら、友達といた方が話に夢中になって全くと言っても良いほど進まない派だ。
本来であるなら追い返しているが、正直な話をしてしまうと
有難いとも思っている。
部屋で神崎と二人きりになっても、どんな会話をすれば良いのか分からないからな。
勉強の合間の休憩時間とかに真がいると円滑に会話が出来そうだ。
「あ、ジャーマンポテトあるじゃんいただきます。」
「なんで俺のをお前が先に食べるんだよ。」
「めっひゃうふぁいよ!」
口に入れながら喋るなよ。
全部食べた訳じゃないし良いか。
神崎と梨乃は朝食を食べ終わっているようだ。
あんなコントを挟まなければ今頃俺も食べ終わっていたはずなのに。
味わいながらも急いで胃へと流し込む。
これは確かに美味しいな。
お世辞抜きで毎日食べても飽きなさそうだ。
「それじゃあ、俺の部屋で勉強してくるから。」
「私は邪魔しないからごゆっくりどうぞ。」
友達が家に来ると家族に変な気を遣わせるのではと心配になるが、梨乃はそんなタイプではないらしい。
ソファーに寝そべって撮り溜めた番組を見始めた。
俺もテレビを見たいなと思いながら、階段を上がる。
勉強をしないといけないと思うと今から億劫だ。
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