第019話 新しい世界
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「羽田先輩の所へ行って来ました。」
「結果の方はどうだったかな?」
「告白はしたみたいですけど、ラブレターではなく直接だったようです。」
「ふむふむ、なるほどね。僕も野中くんの方に話は聞いて来たよ。結果は彼女も違うみたいだったけど。」
二人とも違うだと。
俺の集めた情報に間違いがあったのか。
いや、他にも告白をしようとしていた人間が存在したのか。
考えれば考えるほど思考の沼にハマっていく。
とりあえず分かったのは、二日を要して振り出しに戻ったことだ。
また、一から調べ直すには時間が足りない。
明日には相談者の横浜先輩が来てしまうのだから。
「これはどうすれば良いのか。俺が間違いを伝えたばかりに。」
「そんな気にすることないわ。実は半分解決しているようなものだから。」
慰めてくれる七瀬先輩だけど、半分解決しているなんて有り得ない。
結局は、誰が誰の為に渡したのか不明のままだ。
横浜先輩の相談内容が、何一つ進んでいないのと同意義。
「ちょっと相手には悪いけど、直接会って返せば良いからね。」
確かにそうすれば確実に返すことは出来るが、ラブレターを書いた生徒は気分が良くないだろう。
もし、横浜先輩宛てなら尚更に。
自分で返事もせずに返されたとも、捉えることが出来るのだから。
「そこに相談者である横浜先輩も連れて行くんですか?」
「うーん、それは決めるのは相談者である彼自身だけど、一個人としての意見は来るべきだね。」
「そん時はアタシが引っ張ってでも連れていきましょうか?」
本気なのか冗談なのか分からない発言が古東が出る。
いや、古東なら絶対引っ張ってでも連れて来るよな。
そんな光景が容易に想像出来てしまう。
話の道筋がズレてしまったな。
直接返すとなると、手紙に書かれた指定場所へ向かうことになる。
場所は、校舎裏。時間は昼休み。
校舎裏の昼休みに良い思い出のない俺にとっては、こんな甘い青春が送られそうになっているとは信じ難い。
何で俺にはそんなイベントが発生しないんだよ。
貪欲に彼女作ろうとしないから?
あ、見た目が怖いからか。
「一応、そういう手段を使うことも横浜くんには伝えてあるわ。途中で白島矢さんに止められてしまったけどね。短く返事をしてたから伝わっていると思う。」
明日にならないと進展はないということならば、いつもより早いが帰ってしまうか。
あまりにも元気なハイラ先生と明日の話し合いをしている先輩方に見送られて、部室を後に。
「なんか俺達の出番はいつも無いって感じだな。」
「急に何言ってんの?もしかして、活躍出来なくて拗ねてる?」
「そんなことはないけど、ちょっとは力になりたいよな。」
「バーカ。人には適材適所ってのがあるんだよ。焦らず待っとけば自分の番が来るから。」
なんて大人な言葉だろうか。
結果を出すことばかり気にしている俺とは大違いだな。
「てかさ、早く終わったし寄り道してかない?アタシめっちゃ早減ったんだけど。」
「それって奢りとかですか?」
「早くしないと佐倉の奢りになるよ。」
「今すぐ行きます。」
玄関で待っている古東を追いかけるように靴を履く。
踵が上手く収まっていないのをトントンと地面を叩き無理矢理入れ込んだ。
「ギリギリセーフか?」
「本当にギリギリね。」
ちょっと厳しい気もするがセーフであるなら問題ない。
財布はいつも野口が一人、二人ぐらいで貧しいからな。
奢りとなると死活問題だ。
ハンバーガーショップに向かって歩いていると途中で星海に遭遇する。
私服に着替えて、荷物を持っていることからどこかへ買い物へ行ったのが分かる。
制服で寄り道する奴がほとんどなのに律儀な奴だ。
「どっか買い物に行ったのか?」
「あ!佐倉さん!それと古東さんも!部活の帰りですか?ウチは今買い物へ行って来たところです。」
「もしかしてゲームとか買ったの?」
「古東さん、なかなか鋭いですね。なんと・・・」
「『おま勇』の無印リメイクだろ?今日発売だもんな。」
分かりやすくテンション上がっていれば、特に好きなゲームを買ったことくらい想像に容易い。
俺もゲームの発売情報とかは追っているので、『おま勇』のリメイクの発売日も知ってたしな。
制服ではない理由も帰ってすぐゲームに集中出来るようだろう。
「・・・正解です。」
正解を当てた人間に向けるテンションではないだろ。
頬をプクッと膨らませて抗議の意を表しているようだ。
もしかして、自分で発表したかったとかか。
それは悪いことをしてしまったと反省する。
「ハンバーガー奢ってあげようか?」
「えっ!そんなつもりじゃなかったのに。」
お金が絡んでしまうことなので、全力で手を振って遠慮してくる。
なんて良い人なんだろうと思っていると横から古東が口を出す。
「アタシも奢ってくれるよね?」
「どこのカツアゲだよ。」
「良いじゃん減る訳じゃないし。」
「いやいや、金が減るっての。」
リズムだけは良いラリーを繰り返し、それを聞いてクスクスと笑う星海。
どうやら、星海には漫才か何かに見えているようだ。
「良ければウチも付いて行きたいです。こういう放課後にもちょっと憧れてたので。」
「可愛いなぁー星海、いや凛は!」
「り、り、凛!呼び捨てしてもらいましたよ佐倉さん!」
明らかに嬉しそうな表情でアワアワしている。
今思ったが、星海はアワアワしているだけど様々な感情表情出来るな。
「アタシのことは華って呼んでくれないの?」
「・・・華・・・ちゃん。」
「今はまだそれでいっか!」
仲を深めた証に二人でギュッと抱き合っている。
星海は最初こそ恥ずかしそうにしていたが、完全に顔が蕩けきっているな。
二人より先に俺が何かに目覚めてしまいそうなので、先に店内へ。
気だるそうに接客をしてくる店員。
いつもなら少しばかりの憤りを感じるものだが、今日は許してやろう。
現実という世界に戻って来れた気がするからな。
「おい、なんで先に行くんだよ佐倉。」
「あのな、公道であんな思いっきりイチャイチャし出す奴がいるか?」
「何混ぜて欲しいの?」
何その二つ返事してしまいそうになる誘惑は。
前世は厳つい鬼とかじゃなくて、小悪魔だったの?
一旦、あの店員を見て気分を落ち着かせようと思ったが、すごい勢いで睨まれてるようだ。
どうやら、美少女二人に囲まれてるのが羨ましいらしい。
逃げ場失った俺は注文した商品を素早く受け取る。
「俺、腹減ったから先に席取って待っとくな。ゆっくり選んできて良いぞ。」
我ながら自然な流れで離脱に成功した。
夕方だからなのか空いてる席が何ヶ所かあるので適当に座って待つことに。
二人も意外と早く席の方へ。
「お待たせしましたー。」
「待った?」
「いや全然。今からポテト食うとこだったけど。」
「バーガーより先にポテト食べる派なんだ。」
えっ?これが普通じゃないの?みんなはバーガーが先ってこと?
メインは後に残しておきたいと思うのが、俺のご飯のスタイルだから覚えておいてくれ。
今後一緒役に立たないけど。
たまには帰りに寄り道するのも良いなとしみじみ感じながら、バーガーを味わった。
ちなみに今日のトークテーマは、お金の使い方。
これって友達同士でやる会話なのか。
そもそも友達が少ない俺にはよく分からないけど、楽しかったから良しとしよう。
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