第012話 ゲーム好きは負けず嫌い
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気が付けばあっという間に、イベントの日になっていた。
楽しそうにしている奴らが多いけれど、俺は比例してテンションが下がっている。
「浮かれるのも良いが問題行動だけは起こさないように。それと、先生達は生徒の監視のために巡回してるから何かあったら声を掛けるか携帯に電話するように。」
これで完全に逃げる選択肢も潰された。
仕方なくプリントの裏に書かれていたメンバーで集合する。
俺が最後の一人だったらしく、視線が向けられる。
まぁ、俺と分かった瞬間に興味が無くなって出発し始めたけど。
「あ、あのー。も、もしかして同志の方じゃないですか。」
この間、自販機のところで会った生徒がいた。
なんとなく見覚えがあるなとは思っていたが、まさか同じクラスだったとはな。
驚きと同時に反省するか気持ちもあった。
同じクラスの生徒の顔を覚えていないのは問題だろ俺。
「まさか同じ班だったとはな。知ってると思うけど、佐倉陽太だ。よろしくな。」
「そうだ、自己紹介、自己紹介しないと!ウチは、星海凛です。その、同じゲーム好きとして仲良くして欲しいなぁーとか思ってみたりして。いやいやいや、出過ぎたことを言ってしまいました。」
「俺は別に良いんだけど、星海の方こそ良いのか?前の三人と一緒に歩かなくて。」
自分で言うのも悲しいが、腫れ物として扱われている俺と一緒に行動するのはなかなかの勇気が必要だ。
隣にいただけで変な噂を流される可能性も少なくない。
真や古東のように他人の評価に惑わされないタイプであるなら良いかもしれないが、彼女はそのようには見えない。
優しすぎるあまりに優先事項の一番上は他人が来てしまっているタイプだと思う。
決して悪いことだとは言わないが、大変な生き方であるのは間違いない。
「ウチがあの中に入れると思いますか?歩きながらゲームは出来ないので、欠席しようとさえ思ったほどです。」
「夏休みに補修が無ければな。」
「本当にそれなんですよ!なんですか補修って!意味が分からないですよ。」
一人で四人の後ろを付いていく形になると思っていたが、意外にも退屈しなくて済みそうだ。
彼女も自分の得意分野の話なら話題に尽きないだろうしな。
前の三人は俺達のことを気にする様子なく、どんどん目的地に向かって進む。
この様子だと昼前には公園に着いて、昼食にする可能性が高いな。
そこも俺達には共有されていないので、絶対という保証はないけど。
「あのゲーム機いつも持ち歩いてるのか?」
「良くぞ聞いてくれました!このカバンの中にはゲーム機がパンパンに詰められているのです!」
「それ、持ち物検査の時どうするんだよ。」
「ふふふ。そこももちろん想定の範囲内。学校にはもう一つダミーのカバンを用意してあるのです。」
世界一無駄な努力ではないだろうか。
そもそもゲーム機出してるところ見られたら没収だろ。
いや待てよ、この学校であれ授業中以外なら問題ないという可能性もあるな。
それくらいゆるゆるの校則だ。
「そんだけ没頭出来る趣味があるなら、友達くらい出来そうだけどな。話もつまらない訳じゃないし。」
「ウチくらいになると、趣味のことをマシンガンのように語り出してしまう生粋のオタクなのであまり人が寄り付かないんですよ。」
「『おま勇』やっているくらいゲームもコアだしな。」
「うっ。あれは神ゲーなのに。」
やり込んだ俺が言うのもなんだが、ゲームのシステムは文句無しの神ゲーレベルだった。
しかし、ストーリーが内容ペラペラで見るに耐えなかったぞ。
続編からはシステム面で劣るもののバランスの取れた良作になっていたけど。
そのせいで、無印派と続編派で度々論争を起こしている。
「高校生になってからは、友達作りの為に色々キャラ付けしてみましたがどれも失敗でした。」
「だから、動物の耳付きパーカー着てるのか。」
この間は猫で、今日は兎。
どれだけの種類集めたんだよ。
「あっ!そんな話をしていたら、前の三人見失ってしまいました。あばばば!ど、どうしましょう。」
「どうもこうもないよな。あの人達の連絡先持ってる?」
「休み時間にゲームと睨めっこしてるウチがそんなレベルの高いもの持ってると思いますか?」
「それはそうか。俺も持ってるわけないし。」
「どうしましょう、どうしましょう!今頃、学校側にも逸れたことが伝わって騒ぎに!」
「落ち着けっての。もう良い歳なんだから、そんなことじゃ騒ぎにならないだろ。それに目的地が決まってるんだから大丈夫だ。」
少し予定外の出来事が起こると不安になる気持ちは分からなくもない。
けれど、これだけ過剰になっていれば生き辛いだろ。
「て、天才ですか!佐倉さんがいなかったらパニック起こしてるところでした。」
これでパニックと言わないのなら何をパニックと言うんだ。
たまたま俺が近くに居てよかった。
最悪の場合、警察に補導される未来あったぞ。
安心だと分かった後でも、ソワソワとして落ち着きが見られない。
この調子を横で永遠繰り返されたら落ち着けないので、何か安心出来る方法を考える。
すると一つの看板が目に入り、流石俺と言わんばかりの妙案が舞い降りて来た。
「ところで星海はゲーム全般得意なのか?」
「い、いきなりなんですか?まぁ、ウチに掛かれば苦手なゲームなんて一つもないですけどね!」
やはり得意分野の話になると表情が明るくなる。
それほど心の支えになっているということだ。
「なら、行くぞ。」
「行くってどこに?」
俺は黙って歩く。
ここで一人になる訳にはいかないので、星海も後を追ってくる。
そして、建物に近づくとようやく目的の場所を理解したようだ。
「ここってゲームセンターじゃないですか!こんなところ立ち寄ったら怒られちゃいますよ!」
「良く中を見てみろ。遊んでる藍連生が沢山いるから学校終わったと警察も思うって。それにゲームで交流を深めるのも悪くないだろ?」
「うぅーー、・・・怒られる時は一緒にですからね?」
諦めがついたのかゲームセンターへ入る。
至る所に並べられた筐体からうるさいとさえ感じるほどの音楽が鳴り響く。
星海は普段ゲームセンターに来ないのか、空間にある全てに興味を示している。
俺も来るのは久しぶりなので、ちょっとだけテンションが上がっているのは内緒だ。
「何からやるんだ?好きなのやろうぜ。」
「ムム、これはゲームオタクとして悩ましい限りですが、まずはウチの得意分野から攻めるのが吉かと。」
どうやらやりたいゲームがあるらしく、ゲーセン内を軽く回る。
そして、最後の最後でそのゲームを見つけることが出来たらしい。
「アニマルパンチングか。これまた懐かしいゲームがあるもんだな。」
「噂でここにあるというのは知ってたので、どうしても触ってみたくて。」
アニマルパンチングというのは、所謂格闘ゲーと呼ばれるものである。
絵柄の可愛さと単純ながら奥の深い操作性で、子供から大人まで幅広い層に人気のゲームだ。
「ウチはこのゲームを五百時間やった女ですよ!これなら絶対に佐倉さんに勝てますから!」
こうして、俺の提案で始まった星海とのゲーム対決が幕を上げたのだった。
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