いきなり危機的状況?!
森が深くなってきた。木の幹が太い。大人3~4人が輪になっても、抱えられない大きさだ。
地面は苔で覆われ、私は前世の某アニメのことを思い出していた。
つい、ほけ~と口を開けて大きな木を見上げる。
その、時。
突然、視界が真っ暗になった。
そして、ぐいっと誰かに抱え上げられ───
白い変な生き物が苔の舞台でダンスしてる。
いや、違う。
なんだろ、頭がぐるぐる~。うう、気持ち悪い……。
「……そんな睨むなよぉ、王子サマ」
ダンスをする白い生き物がうにょんと伸びて黒っぽく変化し、楽しげな調子でそんなことを言ってきた。
誰が王子?私は女だっての。
反論しようとして、「もぐぐぅ……」とくぐもった声が洩れた。
「あ、お姫サマも目ぇ覚めたか」
んんん?
口が……てゆーか、体が動かない。あれ?
「おはよう、お姫サマ。気分はどうだ?」
霞む視界に、見知らぬ少年のニヤニヤ笑う顔が映った。
口には猿ぐつわ。
手は後ろ手に縛られ、足も縛られている。
えーと……隣には同じ状態のアルがいるので……これは二人して拉致監禁されているってことでしょうか。なんか、小屋の中にいるみたい?
こ、こんな映画みたいな事態に巻き込まれるなんて……私、夢でも見てるのかしら。いやいや、手も足も結構、痛い。夢じゃない。
私の前には、10才くらいの少年がこれ見よがしにナイフをちらつかせていた。ふいに私を覗き込む。
黒髪をしており、左が黒、右が赤という非常に印象的な瞳の持ち主だ。
「キレイな赤髪だと思ってたけど、へえ、お前、目もキレイな色をしているな!黄金か。えぐりだしたくなるねぇ」
冷たいナイフが、ヒタとこめかみに当てられた。
ひえっ?!
現状把握した途端、ものすごい危機的状況なんですけど。何故?!どうしてこんな展開になってるの?!
硬直して動けずにいたら、どんと腰の辺りが押されて私は転がった。
「はっ!そんなんでお姫サマを庇ったつもりか!」
少年の嘲りとともに、どかっと鈍い音。
「ぐっ……」
低く呻く声が聞こえて、そこで初めてアルが私を守ろうと動いてくれたことに気付いた。
(ひどい!蹴るなんて……!)
満足に動けないながらも、私はアルの方へ向かおうとした。すると、少年がクククと喉を鳴らして私の髪を掴む。
「おとなしくしてたら、楽に死ねる。動くな」
「…………」
馬鹿じゃないの?死ぬんなら、おとなしても意味ないじゃん。
涙が勝手に滲む。だけど私は精一杯、少年を睨んだ。
少年はそんな私を見て愉悦の笑みを浮かべる。そして乱暴に私の猿ぐつわを取った。
「カワイイなぁ、お姫サマ。な?オレに命乞いしてみろよ?アンタだけ助けてやってもいいぜ?」
のほほーんと話を進めてきましたが、ちょこっとシリアスパートに入ります。
真面目な話は……書くのに時間が掛かるんですよ……。気になるところで切ってしまってすみません。
夕方に残りを上げれそうなら上げます(それでも終わらないけど)。
はあ、もっとさらっとした誘拐事件にしておけば良かった~!何回書き直しても、うまくまとめられた気がしない……。




