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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ8才

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秘密会議

「シンシアさまって、あんまり好きじゃなかったんだけど」

 部屋を出て、ディたちが待つ控え室へ向かいながら、アナベル姉さまがポツリと呟いた。

「でも、だからってさすがに"いい気味!"とまでは思わないわ。……アリッサが、厳しい処罰を止めるよう言ってくれて良かった。もっと厳しい罰だったら、きっと後味の悪い思いをしたでしょうね」

 うん……私の言葉のせいかどうかは別として、厳しい罰じゃなくて良かったと、本当に思う。私も、きっと、ずっと嫌な気持ちを抱えることになっただろうから……。


 控え室に着くと、ディが飛んできた。

「もう!遅いから、心配しましたわ!」

「えへへ、ごめんなさい。挨拶する人が多くて、抜け出せなくて……」

「まあ、そうでしょうね……アリッサは全然、お茶会に参加しませんもの。この機会に親しくならないと!って、みんな必死じゃありませんこと?」

 そうかも~。

 でも……お父さまがお茶会に参加しなくていいって言うんだもーん。そう言われちゃったら、わざわざ行くのものねえ?

 それにしても、お茶会に行かなくて済むのはすごく有り難いことだと、今日、すっごく実感した。

 あんなに延々と同じような会話が続くのって、疲れる。顔の筋肉が、もう、痙攣しそうだよ。

 壇上のマーカス殿下はもっと大変なんだろうなぁ。

「ディ、まずはアリッサを座らせてあげなくては。アリッサ、こちらに甘いものがあるよ」

 エリオットが向こうから声をかけてくれた。奥には、エリオットとライアン兄さまが座っている。

 ちなみに、今日はライアン兄さまの"奥さま"(こういう言い方をすると、兄さまはすごく嫌がる)のサフィーヤ義姉さまは、最初の儀式だけ参加して、すぐ帰っていた。

 まだ対外的には婚約者としているので、あれこれ聞かれないようにするためだ。といってもサフィーヤ義姉さまは、あまり王国語は得意じゃないし、こんな大きなパーティーは気疲れするという理由もあるのだけれど。

 ……テーブルの上にはスイーツがいっぱい並んでいる。

 うわぁ、甘いもの、うれしい……!


 全員座って、まずは私とアナベル姉さまはお茶を飲んだり、スイーツを食べたり。

 ディがそんな私たちをニコニコと眺めながら、「あ、そういえば……」と切り出した。

「あなたたちのお祖父さま、キャラハン辺境伯とご挨拶しましたわ。お強そうな方ね」

「そうね。片手で熊を殴り飛ばせるらしいわ」

 アナベル姉さまが呆れたように肩をすくめる。ディは目を丸くした。

「まあ!本当ですの?!あなたたちのお祖父さまはどちらも…………そう、武闘派ですわね」

 かなり言葉に迷った様子で、ディが言う。

 たぶん、遠慮したんだろう。別に、筋肉バカってはっきり言ってくれていいのに。だって、どっちのお祖父さまも、問題は拳で解決するってタイプなんだもん~。

 エリオットが真面目な顔で、ライアン兄さま、アナベル姉さま、私を見た。

「君たちは、あまり祖父君たちとは似ていないな。不思議だ」

「確かに。……あ、でも父上の兄君は、祖父に似た人だったらしい。とはいえカールトン家で、祖父のオーガストみたいなタイプは珍しいだろうねー。キャラハン家の方は、代々、筋骨逞しいようだけど」

 ライアン兄さまが答える。私は「えっ?!」と声を上げた。

「お父さまにお兄さまがいたの?!」

「うん。あれ、アリッサは知らなかった?元々は、その方が当主になるはずだったんだよ。……事故で亡くなられて、それでちょっと家の中が荒れて……それで、あまりその話題に触れないようになっているからかな?」

 し、知らなかった……。

 一族のお墓に行ったことはあるけど、きちんと見て回ったワケでもないし。前世みたいに、○回忌とか、お盆のような風習もないもんね。

 へええ。お父さまは、元は当主になる予定じゃなかったのね……。


 話が一段落したところで、エリオットが改まった様子で口を開いた。

「ところで、明日はアルフレッド殿下の誕生日を祝うパーティーが行われるが……その前に、私たちだけで祝おうという話がある」

「パーティーの前に……?私たちだけで?」

 私は首を傾げる。ディが「そう」と相槌を打った。

「父から回ってきた話がなのだけれど……マーカス殿下の意向らしいの。本当はもっときちんと計画したかったのに、いろいろとあって出来なかったみたいで」

 あー……それの一番の要因は、ザカリーの件のあと私が寝込んだせいだよね。

 エリオットがにっこりと笑った。ま、眩しい。

「私としても、友人として私的に祝える機会をもらえるのは嬉しい。明日も早くから支度することになるが、アリッサ嬢もアナベル嬢も、ぜひ参加して欲しい」

 ふむふむ、ライアン兄さまはもう了承済みなんだ?

 ―――明日のパーティーは、午後遅くから始まる。今日のパーティーが遅くまで行われるため、明日の開始時間は遅めに設定されているのだ。

「うん!参加します!」

 たとえまた、朝早くから準備するとしても。

 そんなの、もちろん参加するしかないよね!


 ということで、明日はみんなで一緒に昼食をしながら、アルを祝うことになった。

 ただ、問題が一つ。

 そのときに、みんな、プレゼントを渡すというのだ。

 ……え?

 みんなの前で……私が刺繍した剣帯を渡すの?

 うそぉ、そ、それはちょっと……!でも、今からダミーのプレゼントなんて、用意出来ない!

 ていうか、マーカス殿下にアナベル姉さま、ライアン兄さまにはバレてるし!

 バレてるけど、ディたちにまで知られたくないよぉ……。

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! ピンチでよいのかな?(笑) ま、周りのみんなはそれぞれの気持ちに気づいてたりしてそうだけど、アリッサ様がドキドキして大変かもね〜 プレゼントとかでドキドキ出来るのも、色々…
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