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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ8才

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もう一人のお祖父さま

 王都の屋敷にお母さまと戻ったら、兄さま姉さまたちに順番に抱き締められた。

 アナベル姉さまからは、「もうこれからアリッサは、一人で出歩いたらダメ!」と怒られたけどね。

 ごめんなさい~。

 それからセオドア兄さまが小さく耳元で、「一緒に悩むよって言ったのに、アリッサ一人にまたいっぱい背負わせちゃったな。でも、アリッサの優しさは変わらなくて……やっぱりアリッサは、俺の自慢の妹だよ」と言ってくれた。

 前にラクのことで、兄さまと話したとき。

 セオドア兄さまは、次に誰かの罪を裁かなきゃいけないときは、一緒に悩んでくれると言ってくれた。そのことだろう。

 ありがとう、兄さま。

 いつも相談するヒマもなくトラブルに突っ込んじゃう妹を、どうか見捨てないでね……。


 さて、アルの10歳を祝うパーティーと、マーカス殿下の立太子の儀が行われる前日の朝早く、お母さまのお父さま―――つまり、私のお祖父さまがカールトン家の王都の屋敷に到着した。

 キャラハン・ゴドフリー辺境伯。

 …………ゴツい。

 オーガストお祖父さまも体格がいいんだけど、それを完全に上回っている。

 え、もしかして身長2メートル超えとかじゃないよね?

 首も肩も二の腕も太くて、私なんか簡単にプチッとされそう。

 それと鼻の下に、ビックリするほど立派な灰色のヒゲがある。両端がちょっと長くてくるっと巻きかけているので、なんだか前世のマンガのキャラクターにいそうな感じだ。

 お母さまと一緒に玄関ホールで出迎えた私がポカンと見上げていたら、ゴドフリーお祖父さまはギロッと睨んできた。

 ひゃあ!眼力、すごっ!!

 負けたらダメだと思って、慌てて私も睨み返す。でもよく考えたら、何に負けるとダメなのか……いまいち分からない。

 だけど睨み返したら、ゴドフリーお祖父さまはフッと圧力を弱めた。

「ハハハ!良い目をしておる!さすが我が孫!」

「父上!子供相手に睨まないの!」

 お母さまが厳しい声で怒る。

 いや、その前に声!お祖父さまの声が大きいよ!?

「そなたは、アリッサか?うむ、コーデリアの小さい頃と同じような気の強い目をしておるな。……しかし、ちと、細いぞ。細すぎる!それでは簡単に骨折してしまうではないか!」

「アリッサは、魔獣と戦ったりしないからこれでいいんです!ごつい公爵令嬢なんて、冗談じゃないわ」

 ……お母さまも声が大きくなってるよー。

 侍女たちが端っこで硬直してるじゃん。


 唖然としている侍女や侍従たちをそのままに、ひとまず応接室へゴドフリーお祖父さまを案内する。

 お祖父さまの後ろには、2人の女性が隠れていた。

 お祖父さまが大きすぎて、全然、気付いてなかったよ。

 女性は……ブレアお祖母さまと、ゾーイさま。ゾーイさまは、お母さまの1つ年下の妹だそうだ。

 えーと……2人とも、結構、体格がいい。

 例えば何か格闘技とか、してそうな感じ。服がわりとピタッとしたものを着ているので、肩や二の腕の筋肉がよく分かるのだ。そして無駄な肉は、全然無い。

 ゾーイさまは、応接室でお母さまに抱きついた。

「コーディ姉、久しぶり~!すごいね、ちゃんと公爵夫人じゃん!」

「ちょっと、ゾーイ。もういい年なんだから、そんな挨拶の仕方はしないで」

「なによー、冷たいじゃない~。コーディ姉に会うために、はるばる来たっていうのに」

 プッと頬を膨らませながら、ゾーイさまは私を見た。

「初めまして、アリッサ!叔母のゾーイよ。よろしくね」

「初めまして、ゾーイさま」

「あはは、様なんて付けなくていいわ。ゾーイおばちゃんで大丈夫よー」

 うわー、すっごい気さくな人だなー。私、好きかも。

 そのとき、オーガストお祖父さまが戸口に現れた。

 オーガストお祖父さまは、昨夜、領からこちらに来たところだ。なお、お父さまはずっと王城に詰めていて、屋敷にはいない。

「おお!オーガスト殿か?!」

 ゴドフリーお祖父さまが気付いて、声を上げる。

「老けたなぁ!まあ、私も人のことは言えんのだが」

「ゴドフリー殿、また会えるとは!……はは、お互い、年を取りましたが、ゴドフリー殿の肉体は衰えておりませんな」

 お祖父さまたちは近寄って、がしっと握手する。

「なんの、なんの。この頃は孫に後れを取るようになって、年を感じておるところだ。だがまあ、オーガスト殿と一戦するのは問題ない!」

「ふむ、良いですな。あのときは勝負がつかんままで儂も心残りだった。決着をつけますか」

 ええ?!

 お祖父さまたち、戦ったことがあるの?!

 でも、お母さまが一閃した。

「2人揃って何をバカなことを言ってるんですか!明日が何の日か忘れたの?!立太子の儀よ?!」

 怒られたお祖父さまたちは、分かりやすくシュンとする。

 ぷぷぷ、カワイイ~!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! 脳筋?!な2人の肉体バトルが無理そうなら、以前大会をしてたリバーシ(オセロ)だったと思うけど、頭脳対決したらすぐに二人ともエンスト起こすかな(笑) あ〜なんか日常が戻って…
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