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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ8才

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セオドア兄さまの誕生日パーティー

 領から王都に来て、ゆっくり過ごす日もないまま……セオドア兄さまの16才を祝うパーティーの日になった。

 普通はたくさんの人を招いて大きく祝うけれど、このパーティーはこじんまりと行われる。

 アルの10才の誕生日パーティーと日が近いということもあったので、元々、大々的には行わない予定をしていたらしい。それが、マーカス殿下の立太子の儀とも重なったので、さらに縮小したのだとか。

 パーティーは、開く方もお金がかかるけれど、招かれる方もお金がかかるからね。火龍家となると、弱小貴族も「行かなくちゃ!」となるから、そこら辺を配慮したみたい。

 それとセオドア兄さまは、数年後には火龍公爵位を継ぐ。

 そのときにお披露目でかなり大規模なパーティーをすることになるので、誕生日は地味でいいだろう、ってことらしい。

 というか、あまり裕福でない貴族だと、跡を継ぐ子のお祝いは盛大にするけど、他の子は何もしない場合も多いのだと聞いた。世知辛いよねー……前世も今世も、やっぱり、最後にものを言うのはお金だなんて。

 ていうかさ、案外、庶民の方が神殿でみんなでお祝いするから、そっちの方が良かったりして?


 さて、こじんまり―――と言いつつ、セオドア兄さまは未来の火龍公爵。

 なので、王家からは国王陛下の代理でマーカス殿下が来られるし、他の三龍家当主も来ることとなっていた。

 さらに、この日ばかりは領都からお祖父さまもお祖母さまも来られて、おかげで屋敷はここんところずっと騒然としている。

 厨房はみんな、血相を変えて戦場状態だし、侍女や侍従たちも顔に余裕がない。

 そんななか、私はいまだパーティーの用意をせず、セオドア兄さまの支度部屋にいた。

 ジーニーさまの手でマントをつけてもらったセオドア兄さまは、いつもの数倍、カッコいい。

「うわー、兄さま、カッコいい~!」

「……正装って、なんだか息苦しいよなー」

「もう!ジーニーさまの愛のこもったマントを付けてるのに、何を言ってるの」

「んー……でもこれ、おも……いや、うん、ありがとう」

 んん?重いって言いかけたね、兄さま?

 ジーニーさまは、そんな兄さまの横で感極まって涙ぐんでいる。

 兄さまは苦笑しつつジーニーさまの頭を撫でて、私を振り返った。

「じゃ、こっちの支度は終わったから……ジーニーの支度に取り掛かってくれるか?」

「うん!」

 了解、兄さま!

 ―――ジーニーさまは、兄さまの着付けも手伝うのだと言って譲らず(といっても、最後のマントを付けるところだけなんだけどね)、自分の支度は二の次だったので、終わったら私がジーニーさまを支度部屋へ案内する役目を請け負っていたのだ。

 あまり慣れてない場所だと、ジーニーさまはどこへ行くか分からないらしい。

 兄さまの支度部屋から、数部屋ほど横へ行くだけなのに、そんな心配をされるジーニーさまって……どんだけ方向音痴なんだろ?

 念のために手を繋いでジーニーさまと一緒に支度部屋へ行くと、髪を結ってもらっているお母さまが、ホッとしたようにこっちを見た。

「ああ、ようやく来たわね。二人とも、早く用意しなさい。もう時間がないわよ!」

「はーい」

 ……前世でドレスって憧れたけど、この頃はもう、「面倒だなー」と思うようになってる。着るのも脱ぐのも、大変なんだもん……。


 そして、とうとうパーティーが始まった。

 水龍家からはエリオットとディ、ナイジェルも参加だ。

 次の地龍公爵となるデリックさまも来られた。デリックさまは、ダライアスさまと同じように小柄だけど、すっごく日に焼けた人だった。30代くらいだろうか……?

 それと、風龍公爵の跡継ぎというギディオンさまも来られた。

 名前から男の人だと思うけど、髪が長くて、すごく整った顔立ちをしていて、女の人っぽくも見える。20才前後……かな?

 うーん、風龍公爵って、もしかして性別不明の人しかなれないのかしらん。

 ―――パーティーが始まってしばらくすると、私のそばに来たマーカス殿下が、小さな声で話しかけてきた。

「アリッサ嬢。少しだけ、二人で話が出来ないか?」

 なんだろ。アルへのプレゼントの件かな?


 お父さまや他の公爵から気付かれないよう、マーカス殿下とは別々に部屋を抜け出して、別室へ。

 ちなみにマーカス殿下の案内はリックに頼んだので、部屋には私、マーカス殿下、リック、メアリーがいる。

「パーティーの最中に申し訳ないな」

「いえ。……で、話とは?」

 ソファを殿下に勧めながら、私は話を促した。

 マーカス殿下は、ソファへ座り……懐から魔石を取り出す。防音の魔石だ。

 え?そんなに秘密の話……?

 ふわっと魔法が作動する感覚があり、私が目を瞬かせていると、マーカス殿下はおもむろに身を乗り出した。

「手短に話す。……近日中に王城へ来て欲しい」

「……近日中、ですか?」

「アルフレッドが帰って来る前に、片付けたいのだ」

「何を……ですか?」

 なんだか、マーカス殿下の様子がただごとではないんだけど。

「君を狙う者を……捕まえたい」

「えっ?!」

 どういうこと?!

 マーカス殿下は、私を狙う犯人が分かったの……?

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! のほほ〜んな展開かと思ったら、突然の爆弾発言! 本当に分かったのか? 偽情報に釣られたのか? 謎は次回に判明かな! 無茶だけはして欲しくないよね。 今回無茶してアリッサ…
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