他の転生者と話をする
村を見て回る。
ちなみに、前世が私と同じ"地球"という星の"日本"だという人とは、なんと1人しかいなかった。40代くらいの女性だ。
あとは南米出身の人と、オーストラリアの人と、インドの人。
その人たちはみんな男性で、30才以上だった。オーストラリアの人なんて、かなりおじいちゃんだと思う。
で……みんな、前世は50から60くらいまで生きていたらしい。
おかげであんまり、前世のことで話の合いそうな人がいない。
んんー、残念。
それにしても今世で外国(?)の人と出会うって、なんていうか不思議な感じ……。どうしてだろう、地球からの転生者って日本人しかいないって思い込んでいたよ。
そうそう、元日本人の女性からは
「まあ!あなたは10代で事故に遭ったの?それは……お気の毒に……。きっと、前世のご両親はとても悲しまれたでしょうね」
と、言われた。
考えてみれば、私は前世は高校生で死んだし、今世もまだ10才になっていない。同じ転生でも、私はまだ"大人"を経験していないということだ。
だからだろうか、この村の転生者とは、感覚がだいぶ違うような気がした。
そもそも、みんな私ほどあっさりと転生の事実を受け入れていない。
そりゃ、そうかも……?
私があっさり"転生"を受け入れたのは、前世のマンガの影響だ。しかもマンガのせいで"きっと悪役令嬢だ、断罪を回避しなきゃ!"なんて考えていたんだから……この村の人たちとは違って当たり前よねぇ。
もし、私が転生モノのマンガを読んでなかったら、どうなっていたんだろう?
ま、今さらそんなこと考えても意味はないけどさ。
なお。
案内人のフルバードさんによると、この村以外にも数人、転生者はいるらしい。
特殊な技術や知識を持っていると、国の役人になったり、自分で商会を作ったりして、帝都に住むようになるからだ。
別に、転生者は必ずこの村に住まなければならないワケではないらしい。
「ですが帝都に住んでいても、皆さん、時折この村へ来られるようです。渡り者同士で話をすると、記憶が甦りやすいそうで」
ふうん、そうなんだ。
まあともかく帝国では、転生者が特別な技能を持っていなくても(もっとも、そういう人の方が多い模様)、国が一生面倒をみる特別待遇をするらしい。
三代皇帝が昔にそういう風に定め、その後もイーザさんが転生者の面倒をみていて、要望などを細かく聞いてくれるため……かなり良い暮らしなんだそうだ。
そのせいで、たまに貧しい農民の親が、「この子は渡り者なんです」なんて虚偽の申告をしたりする事件も起こるとか。
へええ。
前にウォーレンさんから、転生者は一か所に閉じ込めていると聞かされたから、不安だったんだけど。
そうじゃないんだね。
ウルの言った通り、ってことかぁ。
ちょっとホッとしたかも。だからって、私は帝国に移住しないけどね!




