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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ8才

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魔法の実演と……デート

 桶の中の水を塊のまま、ゆっくりと浮かせる。

 アッシャーくんの目が大きく見開いてキラキラ輝き、宙に浮く水に釘付けになっている。

 ―――昨日、アッシャーくんに約束した魔法を、私は朝から庭で披露していた。

 派手な火の魔法にしようかと思ったけど、小さな双子ちゃんたちもいて危なそうだ。なので、安全そうな水の魔法を選んでみた。

 浮かべた水の塊の形を変えてゆく。

 平べったくしたり、真四角にしたり、鳥の形にしたり。

「す、すごい……!」

 最後に、水を気化させて霧状に変える。ついでにこちらから光を魔法で出現させて当てると……

「わあ、虹だぁ!」

 アッシャーくんは興奮して虹の中に突っ込んでいった。

「アリッサお姉ちゃん、すごい、かっこいい、天才!!」

 ふふふ。そうでしょ、そうでしょ!

 これ、簡単そうに見えて、結構繊細な操作が必要なのよ~?

 私がアッシャーくんの様子ににんまりしていたら、アッシャーくんの後ろで見ていたライリー叔父さまが目を丸くしていた。

「えええ~、ほんと……すごい!今、同時に2つ使っているよね?まだ学園に行ってないのに、そんなに使えるのかい?僕より完全に上手いよ……」

 ライリー叔父さまは魔法は得意ではないそうで、アッシャーくんが見せて欲しいとお願いしても、全然見せてくれなかったそうだ。

 お祖父さまが満足そうに頷く。

「ふむ。すっかり安定して使えるようになったな。ここまで細かい操作が出来るとは、見事なものだ」

 えへへ。魔力瘤を治してから、毎日、だいぶ地道な練習したもん。

 すると、いつの間に来ていたのか……お祖父さまとバートのそばにはアルがいて、叔父さまと同じように目を真ん丸にして虹を見ていた。

「アリッサ、こんなに繊細な魔法を使えるんだ……」

「姫はすごいですよ、殿下。海の上で船員が魔物に襲われたのを見事に助けましたしね」

「えっ?!」

 バートの言葉にアルがぎょっとする。

「船で魔物に襲われて、アリッサは戦ったんですか?!」

「ふふ、さすがに戦ってはいませんけどね。でも、魔物の足に一撃は与えたかな?見事なものでした」

「バート!褒めてはならん。調子に乗って魔物退治に行くと言い出すぞ」

 2人の間に慌ててお祖父さまが入った。

 ……言いませんって、そんなこと。

 お祖父さまやバートの戦いを見てたけど、ぶしゅっ、ぶしゃっ!って、血とか肉とか、結構生臭くて気持ち悪かったもん。


 さて、その後は……なんと、アルとデートです。

 だって、婚約者のフリをするって約束だからね。

 護衛は、ウィリアムさん。そして、少し離れたところからバート。

 お祖父さまもついていくと言って譲らなかったんだけど、お祖父さまは妙に目立つので(バートは上手に気配を消して人混みに紛れられるのに!)、お祖母さまから却下された。

 うん。お祖父さまが後ろで見てると思ったら落ち着かないから、ちょっとホッとした~。

 ―――帝国の庶民の服で出掛けたけれど、私とアルは目立っていた。

 ブライト王国に比べると、帝国は肌も髪色も多種多様な人が溢れている。それでも、私のような赤い髪はかなり珍しく、またアルのようなキラキラした金髪も少なかった。

 帝国では、金髪といえばもっと色の薄い白金……プラチナブロンドの人が多いらしい。

「な、なんか注目集めてるね……」

「うん。でも、普通にしていればいいよ。もう少ししたら、フロヴィンの実家の商会だから。中へ入れば、大丈夫」

「うん……」

 周りの人たちは、ヒソヒソ話をしているワケじゃない。だけど、ほとんどの人がこちらをチラチラ見ている。

 そんななかアルと手を繋いで歩くのは……少し恥ずかしい。どうやら、みんな、私たちが何者かは分かっているようだ。

「ブライト王国から第二王子が帝国へ留学してるっていうのは、わりと帝都では有名な話ですから。容姿も知られていますしね。ということで、変な声かけをする人はいないと思いますよ。国家問題になりますもん」

 ウィリアムさんがニコニコとそう教えてくれた。

 なるほどぉ。

 じゃあ、このデートはアルの虫除け対策としてはかなり効果的なんだね。

「あ、ところでアリッサさま!」

「はい?」

「僕のこと、"さん"付けで呼ばなくていいですからね。ウィリアムでも、ウィルでも、どちらでもいいので気楽にお呼びください」

「え、でも……」

「バートさまより、僕の方が下ですから!」

 そっか……じゃあ、遠慮なくウィルって呼んじゃおう!


 ところで今日のアルは、なんだかいつもよりキラキラ具合が割増しだ。見慣れているはずの私でも、眩しいっ!って感じる。

 そして。

「あの建物は国立図書館、その隣にあるのは博物館で帝国の歴史を学べる場なんだよ。向こうの少し背の高い建物は……」

 通りを歩きながら丁寧に教えてくれるんだけど、その間ずっと、優しい笑顔で……なんてゆーか、愛おしそうな目で私を見る。

 ……アル、9才だよね?

 子供だよね?

 そ、そーゆー恋人へ向けるような顔をするのは早いんじゃないかな?

 おかげでどういう対応したらいいか、私、すごく困るんだけど。

 というか、そんなに露骨に好き好きアピールしなくてもいいと思うの。こういう手繋ぎデートで十分じゃない?

 だってさ、ほら……私もちょっと勘違いしそうになるし。

 私は中身が子供じゃないから、もっと年上の人がいいと思ってるはずなのに。今日は、ホント……アルにドキドキしてしまう。

 アル。

 お願い、そのキラキラ光線は……ヤメテー!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読んでます! しばらく続くキラキラ光線(笑) 何日アリッサ様はもつのだろう! ま、ドラマや時代劇とかだと場の雰囲気気にせずからんでくる悪役は居るけど、流石に今は空気読んで出てこないかな…
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