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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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初耳な話

 どこまでも広がる緑の畑を、馬が緩やかに駆けてゆく。

 のどかだ……。

 少し大きめの村でお祈りのあと、お昼をご馳走になり、次の村へ向かっている。

 うう、お腹もふくれたから寝そう……。

 クッションのおかげでお尻の痛みはマシなのが有り難い。ただし足を広げて跨がっているからか、ちょっと股関節は痛いけれど。

 考えてみれば日常で足をずっと広げていること、ないもんね。馬に乗るって過酷だよ……。

 ちなみに、今日の私はスカートではなくパンツスタイル。いわゆる乗馬服だ。

 でもお嬢さまらしく、上着にはフリルなんかもついてて可愛い。

「ちゃんと支えておるから、寝てていいぞ」

 お祖父さまがそっと私の頭を撫でて言う。私は自然と下がってくる目蓋を押し上げながら首を振った。

「せっかく……初めてのところを回るから寝たくないですぅー……お祖父さま、何かお話して!」

「む?眠いときは寝た方がいいんじゃがなぁ……」

 お祖父さまは苦笑しながらも、この辺りの特産や生活について話してくれた。

 低く落ち着いた声が……やばい、ますます眠気を誘うよ……。お祖父さま、いい声だねー……。

「───そういえば、アリッサはアルフレッド殿下とちゃんと挨拶はしたか?」

 急に話が変わり、私は「ん?」とお祖父さまを見上げた。

「挨拶……ですか?」

「夏至祭が終わったら、殿下は帝国へ留学するだろう?結局、それまでに暗殺犯を捕らえることは出来なんだが……」

 え?

 何、それ。初耳。

 私の様子を見て、お祖父さまは慌てた。

「んん?!アリッサは聞いておらなんだか?……む、言わん方が良かったか」

「教えてください!アル、留学するの?!いつから、いつまで?!」

「あー……夏至祭が終わってすぐ……1年間じゃな……」

「…………!!」

 聞いてない!

 聞いてないよ、アル!

 私の眠気は一瞬で消え去った。アルのキレイな青い瞳が思い浮かぶ。

 ……ねえ。留学の件、いつ決まったの?!少なくとも、リバーシ大会云々のときには決まっていたんだよね?

 ひどい、どうしてナイショにしてたのーーー!


 そこから、あちこちの村を回る間、ずっと私は膨れていた。

「なんでそんなに怒ってるんだ、お嬢」

とテッドに言われたけれど、どうしてって……1年も離れ離れになるのに、そのことを言ってくれないって、ショックじゃん。友達だと思っていたのは私だけ?!

 そりゃ、天恵者の件とか、ウォーレンさんには話してアルには話さなかったりしたけどさ。それとこれとは別だと思う。

 イライラしながら村々を回り終え、屋敷へ帰る。

 ディから「今年の夏至祭は一緒に過ごせなくて残念」という内容の手紙は届いていたが、アルからの手紙は無かった……。

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