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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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改良馬車の試乗をする

 今日はなんと、領の山間部へ行く。

 何故かといえば、マシューが乗り心地を改良した新しい馬車を持ってきてくれたので、その試乗をするためだ。

 マシューはその辺を軽く走るだけのつもりだったみたいだけど、お父さまが「悪路も試すべきだろう」と言い出し……いろいろあって、セオドア兄さまと一緒にお出掛けとなった。

 一緒ではあるけれど、兄さまは馬だ。

 馬車に乗っているのは、私、マシュー、メアリー。

 兄さま以外に馬なのはテッドと、テッドの師でもある護衛のガイ。他にも数人、我が家の騎士が付いてくる。

 たかが馬車の試乗にすごい人数でしょ?

 何故こんな大人数なのかといえば……兄さまたちは山間部の魔獣を討伐するからだ。

「魔獣討伐する旅程に、よく旦那様がお嬢様の同行を許しましたね」

 マシューが出発してしばらくしてから、不思議そうに聞いてきた。私は肩をすくめる。

「私がいろいろ騒ぎを起こすから。セオドア兄さまが、家に閉じ込めるんじゃなく、もっと世界を見せて対処を学んでいくべきだって」

「なるほど……」

 小さく苦笑して、頷かれてしまった。

 あれ?そこ、そんな簡単に納得するところ?

 ちなみにマシューとメアリーはラクのことを知っている。そして、お母さまや姉さまたちは知らないはずなんだけど……私が何やらとんでもないことを仕出かした、とは気付いているようだ。なんだかねー……。


 新馬車の震動は、確かに前よりかなり小さい。

 素晴らしい。

 でも、長時間じっと座っているのはやはり疲れる。なので、途中で休憩を挟む。

「大丈夫か、お嬢」

「テッドの方が馬で疲れない?」

「うん、お尻が痛いよ」

 ハハハと笑いながらテッドが自分のお尻をトントンと叩く。

「そういや、お嬢。ラクからなんか変な印を付けられてるんだって?」

「あー、うん」

 ラクが私の手の甲に付けた印、あれはラクが本能的に付けたものらしくて、解き方が本人も分からないらしい。

 仕方がないので、領の神官長に相談した(私が魔力涸渇で死にかけたときに助けてくれた人だ)。

 神官長はカールトンの名ではないけれど、お父さまの従兄弟だか再従兄弟に当たる、うちの親族の人らしい。なので、ラクの素性など細かいことも打ち明けた。

 ちなみにお父さまより年上で、落ち着いた優しい雰囲気の方である。髪は栗色だけど、瞳は金で火龍の血を感じる。

 で、神官長が言うには、私の魔力の方が上なので(私の魔力量が増えている件も話した。ものすごくビックリされた)、私から破棄することは可能なんだとか。

 ただ、ラクが魔の者になっても安定しているのは、私との繋がりによると思われるので、ムリヤリな破棄はオススメできないらしい……。

 テッドにそう話したら、ふうんと呟いて、ああ、そうだ!と手を打たれた。

「それじゃ今度、ラクに執着系や粘着系はお嬢の好みじゃないから、嫌われたくないならさっさと消せって言っといてやるよ」

「執着系って」

 思わず吹き出してしまった。

 テッドにかかると、ラクの問題も軽くなるから不思議だぁ。

 

 朝早くに出発し、昼をかなり過ぎて目的地の村に着いた。

 途中からうっすら雪道になり、かなりの悪路だった。でも、マシューもメアリーも、試し乗りしたセオドア兄さまにも、新馬車は好評だ。

 ……そうか。

 私、前の馬車の乗り心地を知らないから、つい、前世の車と比較しちゃうんだな。

 でもって、前世では舗装した道路しか私は知らない。というわけで、新馬車がどれだけスゴくても、乗り心地わるっ!としか感じない……。

 オフロード車で荒れ地を走ったことあったら、違った感想を持てたのかなぁ。

 マシューにどうですか?と聞かれて、「普通の馬車を知らないから分からない……」としか答えられなかった私。なんのために試乗したか、これじゃナゾよね……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく読んでます! 魔獣討伐も大変だけど、現世日本はくまがたくさん出てて大変だけど、くまとかのほうがやはり魔獣よりは可愛く見えるのかな?
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