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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ7才

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アナベル姉様はやっぱりカッコいい

 バタバタのうちに冬至祭が終わり、少し落ち着いた日常に戻ってきた。

 ああ……静かな日常って……尊い。

 さて、朝の日課の走り込みを終え、自分の部屋へ向かう途中のことだった。アナベル姉さまの部屋から騒いでいる声がした。

「……?」

 気になったので、覗きに行ってみる。

 お母さまとアナベル姉さまが草の散らばる机を挟んでケンカをしていた。

「ダメと言ったらダメです!そんなことまでする必要はないでしょう!」

「本の書き写しだけなんて、意味がないわ!ちゃんと実際に自分でいろいろ試してこそ、価値があるでしょ!」

「他のことなら何も言いませんけどね。これは、ダメ!絶対に許しません!」

「お母さまの分からず屋!」

「アナベルの方こそ、大バカよ!!」

 ……な、なんのケンカだろう?

「ど、どうしたの、お母さま、アナベル姉さま」

「「アリッサ!」」

 恐る恐る声を掛けたら、ぐるん!と二人が同時に振り返った。そして目をランランと光らせてこちらに詰め寄ってくる。

「アリッサ!アリッサは私の味方よね。分からず屋のお母さまを説得して~」

「何言ってるの、アリッサは母さまの側よね?アナベルの無謀を止めて~」

 ぐいぐい、圧がすごい。

「えーと、なんの話か分からないんだけど……」

「アナベルがね!毒の毒見をするって言うの!!」

 は?毒の毒見???


 興奮する二人の話を要約すると、こうだ。

 アナベル姉さまは、学院の長期欠席をカバーするためレポートを書かなければならない。テーマは自由だったため、姉さまが選んだのが……なんと“毒殺”。

 古今東西の毒殺方法を調べ、症状の出方、解毒法、後遺症などを文献からまとめ上げたそうだ。で、それだけでは足りぬと、手に入る毒物で味見をしてみると言ってるらしい。

「姉さま、すごい。普通、ああいう目にあった人って、食べたり飲んだりするのが怖くなるもんじゃないの?」

「だからよ。怖がっていたら、これからいろんなものを美味しく食べられなくなるじゃない。克服するためには、敵を知る!これが一番、早い道だわ!どこかの国では、王族は小さい頃から徐々に毒物に慣らすらしいわよ。私もそうしようかと思っているくらい」

 ……姉さま、かっけー。

 思わず尊敬の目差しを向けたら、お母さまが後ろからガシッと私の肩を掴んだ。

「アリッサ」

「あい」

 分かってます、お母さま。姉さまの無謀を止めるんですよね。

 まあ、確かに毒の味見はどうかと思うし。

「姉さま。姉さまの考えは素晴らしいと思う。でもね、毒を試してたら、たぶん舌がバカになるんじゃないかなー」

「舌がバカになる?」

「うん。毒って刺激物でしょ?刺激がつよすぎて、舌に障害を残すんじゃないかなぁと。そもそも姉さまは神の舌の持ち主だもん。うちの新商品開発に、姉さまの繊細な舌は欠かせないのにさ、微妙な味の差が分からなくなったら、どうしたらいいの?」

「毒見は止めるわ」

 即答。

 背後でお母さまが「見事よ、アリッサ!」と褒めてくれた。

 んふふ。


 しかしながら、味は調べないけれど匂いは調べてみようという話になり。

 その後、姉さまと二人で毒入り紅茶数種類を嗅いで回った。

 お母さまはそれも止めて欲しかったみたいだけど、匂いで事前に分かるなら……今後のためになるもんね?

「アリッサ」

「なぁに、姉さま」

「私、あの毒入り紅茶の犯人を見つけたらね。超マッッッズイお茶を浴びるほど飲ませてやるからね!」

「うん。それ、いいね!今度、苦い野菜とか渋い果物、いっぱい集めよう」

 ……姉さまの復讐方法、可愛いなぁ。でも超マズイお茶、誰が味見するのかしらん?

ラクの件でまだ解決していないあれこれは、次くらいに。

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― 新着の感想 ―
[良い点] いつも楽しく読んでます! ホッとするお話し〜 最近重い話だったしね!? まずいお茶なら、日本人ならすぐに、バラエティー番組の罰ゲームのあれが浮かぶよね(笑) 青汁ぐらいなら我慢され…
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