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もしかして悪役令嬢 ~たぶん悪役令嬢なので、それっぽいフラグを折っておきます~  作者: もののめ明
アリッサ6才

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護身用具は重要

 話の流れで、文房具ではないけれど私が作って欲しい“ある物”の話になった。

「靴に守り刀を仕込む?」

 マシューが眉を寄せる。

「また拐われるおつもりですか?」

「いや~、一度あることは二度あるって言うじゃん。用心した方がいいかな?って」

 昨日、テッド達と縛られ方を考えていたときに、アルが隠し持っていた守り刀に助けられた話をした。するとガイが「普通、縛るときって念のために身を改めるっすよ。だから殿下は靴の中に隠していたんでしょうね。さすがですね~」と教えてくれた。なので、私も真似してみようと思ったのだ。

「……拐われない用心の方をして欲しいですが、まあ、お嬢様ですからね~。思い付くあらゆる対策をしておく方が確かにいいかも……」

 なんだか私がトラブルメーカーみたいな言い方。ヒドイわあ。

「でも、お嬢様の靴に守り刀を仕込むのは難しいと思います。お嬢様の靴に対して、あの守り刀は少し大きい。あと、縛られた状態で守り刀を取り出して縄を切るのは大変ですよ」

「そっか……」

「それよりも小さな刃を靴に仕込んで、一ヶ所押さえたら飛び出る形だといいかも知れませんね。靴に付いていれば、手が使いにくくても縄が切れるのではないですか」

「マシュー、賢い!うん、それいいかも。……作れるかな?」

「そういう細工のある靴を履いていると知られない方がいいかな……。口の固そうな工房を探します」

「ありがと~!」

 マシューは私のアイディアの不備をすぐ指摘して対策を考えてくれるから助かる。

 刃仕込みの靴か~。カッコいいね。

 他にも色々と暗器を開発したら楽しいかも……。中二病かって。

「お嬢様?他に考えていることがあれば今、言ってくださいね?」

 想像してにやにやしてたら、マシューから釘を刺された。

「え?いや、こういうのがあったら便利だな~くらいで欲しいわけじゃ……」

「思い付いた時点で言ってください。そのうちお一人で勝手に作っちゃうでしょう。万能調味料のような事態は困ります」

「暗器は作らないと思う……あ、いや、唐辛子爆弾なら作れるかな?」

「なんですか、それは?!」

 ということで、唐辛子や胡椒を詰めた護身用投擲爆弾のアイディアを披露する羽目となった。目が痛くて涙が出るアレだ。スプレー型が理想だけど、それは無茶かしらん。

 他に、魔蟲のクモの糸が細くてかなり丈夫だと聞いたので、たとえばネックレスに仕込んだり(ロープ代わりに使えそうでしょ)、投げナイフに取り付けて回収できるようにしてみたいという話もした。

「お嬢……ゴホッ、お嬢様、暗殺者になるつもりですか?」

 それまで黙って控えていたリックが、目を剥いて突っ込んできた。……ならないけど、そういう装備は揃えてみたくならない?やっぱ中二病??


 その後は喫茶メニューの話をした。

 といっても試食の延長スペースなので、そんなにがっつりしたものは提供できない。

 小さく薄く切ったパンに数種類のジャムをセットにして出すとか、お勧めスパイスを使った料理を少量で出すとかいった案だ。

 ただ、どうせなら他にはない目玉メニューは欲しいよねえ。コーヒーに合うお菓子を出したいなぁ。

 ということで、明日からシェフのジョンと色々試してみることにした。こればっかりは、私の頭の中に思い浮かぶメニューがあっても再現できるかどうか、難しいのだから仕方がない。前世でもうちょっと料理やお菓子作りをしておけば良かったよ……。

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